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子どもたちに『良質な出会い』の提供を#探究の種はどこにでも


大切なのは、どんな生き方をしたいのか

今の小学生が大人になる頃、現在存在している職業の6割は、人工知能の進化により消滅しているだろうと予測する専門家もいます。だから、子どもたちに「将来、何になりたいの?」と、職業としての夢や目標を聞くことは、現代においてあまり良い質問とは言えません。
本当に問わなければならないのは、『どんな生き方をしたいのか』です。

どんな生き方をしたいのか。
それを考えるためには、どんな生き方があるのかを、まず知る必要がありそうです。

子どもとオトナの接点

子どもたちがいろいろな生き方を知るためにオススメしたいのは、多様なオトナとの出会いです。昔はそれなりにあったかもしれない近所や地域のつながりも今は希薄ですし、インターネットやSNS、ゲームで時間を潰せるようになった分、個で過ごす時間も増えました。
そんな中で、子どもたちが普段出会うオトナってどのくらいいるでしょう。学校の先生や塾の講師、習い事の指導者、そして親や祖父母や親戚など。一般的にはそのくらいでしょうか。子どもたちが学校と家との往復の中で出会うオトナって、とても限られていますね。

どんな生き方があるのか知らないまま、生きていく方向性の選択を迫られる

出会いや経験という意味では、子どもたちの多くはとても小さく狭い世界しかしらず、どんな生き方があるのか知る機会がとてもすくないのですが、高校3年生にもなると、どの子も、進学するのか就職するのか、進学するならどんな分野に進むのか、親元を離れるのかなどなど、大きな選択を迫られます。

そもそも選択肢を知らない中で、私たちオトナは子どもたちに生き方を決めさせるという、実はすごく難しいことを求めていませんか。
中には、何かを貫いているオトナに出会い憧れ、進みたい分野をみつけることができる子や、人生観に影響を与えるような原体験をし、そこから自らの将来像を描くことができる子もいますが、それも結局は『出会い』あってこそのことです。

『オトナになること』を主体的に捉える

多くの子どもたちが生き方の選択を迫られる18歳までの間に、どんなオトナ(オトナだけに限らなくてもいいのですが)に出会えるのかが、『どんな生き方をしたいのか』を考える大きな要素になります。

頑張っているオトナ、挫折を乗り越えたオトナ、今はまだ道半ばのオトナ、また、職業としてもフリーランスだったり、起業家だったり、海外で活躍していたり。様々な生き方を知る機会は、子どもたちが『オトナになること』を自分事として捉えることの手助けになります。

家庭も学校も、子どもたちに『良質な出会い』の提供を

小学校・中学校であれば総合的な学習の時間、高校なら探究学習の時間で多くの出会いを提供することができます。
(※ぜひ、認定キャリア教育コーディネーターにご相談ください!)

家庭でも難しく考えず、子どもたちと家庭以外の世界との接点を、意識的につくりましょう。

たとえば、こんなものも活用してみては?

1⃣アルバイト(インターン含む)
学校によってはアルバイトを禁止しているところも多いかも知れません。が、(安全をきちんと確保することはもちろん大前提として)私はアルバイトに大賛成です。勤労体験のない子どもたちに、生き方・職業・就労先の選択を迫ることって、すごく酷だなと思います。

2⃣ボランティア活動
犬が大好きな私の娘は、NPO法人主催の保護犬譲渡会ボランティアとして活動しています。いくつかの団体で実際に活動してみると、同じ分野でも様々な考え方や運営方針がありますし、組織の中に入ってみると、いわゆる"オトナの事情”を垣間見ることもあるようです笑。

3⃣地元スポーツチームのサポーターになる
我が家は長男と私が地元Jリーグサッカーチームのサポーターなのですが、観戦を重ねるとサポーター同士の交流も生まれます。同じ "推し" を通して出会った、様々な年代・職業のオトナたちとの関わりは、親でもない先生でもない、友だちとも少し違うナナメの関係として、長男にとってかけがえのないものになっています。

4⃣その他
・親自身が、何でもいいから何かに打ち込み楽しんでいる姿を魅せる。
・好きなアーティストやスポーツ選手など、憧れの人に手紙を書く。
・舞台やライブ・コンサートなど、五感で『ホンモノ』を体感する。

親も先生も、子どもたちと同じ目線で出会いを楽しむ

出会いを提供する側の親や先生は、子どもたちと同じ目線で、『一緒に学ぶ』スタンスを。
楽しんでいる大人をみて「オトナって楽しそう」「オトナになるのも悪くないかも」と思わせたら、第1ステージクリアです。

探究学習は、特別な学びではありません。
どこでもできます。学校でも、学校でなくても。
身近でありふれた日常の中にこそ、探究の種が眠っていることを、これからも多くの方に伝えていきます。










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