見出し画像

喫茶おじさん 原田ひ香 読書感想

早期退職を決めた松尾は次の就職先をどうしようか悩みながら喫茶店を巡っていた
妻は大学に入り一人暮らしをした娘のところへ行ってしまい、別居生活状態
珈琲を飲みながらこんな店がいいなと考える
実は一度、早期退職した時の退職金で喫茶店を開いて、あっという間に潰してしまっていた


最初はどうしようもないおじさんの話かと思った
娘や妻や、前妻などに何もわかっていないと言われてそういう人かと印象を受けてしまう

実はこれが後々に印象が変わってくる布石となる

たしかに松尾は何も知らないのに相手に対して「いいなあ」とか無責任な発言をしている
家庭や仕事、悩みはそれぞれ人は抱えている
何呑気な事言っているのかと呆れる部分もある

が、後半になるとこの人達は松尾が怒らないのをいいことに、結構ぞんざいじゃないかと松尾おじさんを援護したくなってくる

人生ってなんだろう
夫婦はそもそも他人
お互いの人生を送ると決めたら責任を取らなくてもいいとか、
無理して働かなければいけないのだろうかとか、
考えさせられる部分も沢山ある

それを難しくし過ぎず、のんびり喫茶店で珈琲で飲む空気に変えていくのがいい

沢山の喫茶店に出入りしていて、色んなメニュー(珈琲だけじゃなく他のドリンクも頼んでいる)から、思わず喫茶店に行きたくなる
それにしても主人公は食べるのに貪欲で驚く この人、間違いなく健康だ
プリンアラモード食べたい 固いプリンの。


この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?