完璧じゃない、あたしたち 王谷晶 読書感想


百合、友情、愛憎、執着、出会い、SFなどなど女と女の物語の短編集
どういう層に薦めたら良いかわからないけど、読んでほしい

え、これで終わりというくらいの短編でそこに生きている人の日常を切り取っている

女が女を好きで狙っているのも日常で、女同士付き合っていて、でも百合ではなく友情もあり、ゾンビものもあったりする色んな鍋状態

なんなら会話していないのもある
ゴミ屋敷に興味持って毎日毎日見に行って、でも会話もないまま終わる。
イマジナリーフレンドと実体がないのもある。
ようここまで思い付くものだと感心した。

印象に残ったのは東京へやって来たある外国人の二人の一時の会話

「いい街なんてこの世のどこにもない。どんなキレイな場所でもクソ奴に怒鳴られたら街。なんにもない場所でも、誰かが優しくしてくれたらいいところ」

東京の二十三時にアンナは

そう!

とても美味しい食事をしたとしても会計の時に変な人に絡まれて怒鳴られたらその瞬間、もうそこには行きたくなくなる。
旅行先でも怒鳴られたらそこには行きたくなくなる。
そのまた逆で気持ち良い接客に出会えたら味が平凡だとしても、良かったよね、また行こうかになる。

どうこの本を薦めたいのか。

なにか一つ読んで、これよこれこの感覚、と思うものがあるかもしれない。
ないかもしれない。
でも興味あったら読んでみて。

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