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本を読んで考える002

 近頃齋藤孝先生の著書がよく目に留まる。相当の著書を出版しているというのもあるが、本屋さんで物色していると、そうだ、僕はこれを考えたかったと思って手に取るパターンが多い。

 本著はデカルト。方法序説は文庫本だと薄いけど、こんなに削ぎ落として端的にまとめられるの??っていうくらい読みやすい内容。
 ちょっと難解な、教科書に載るような古典文学を読んでいると、サロンみたいな場所でディスカッションしたくなるのだが、齋藤先生の本はまさにその感覚が得られる。大学に行き直さなくても本にお金を払えばいい。ものすごく頭の良い人だと思うけれど、これは商才だなあと関心。

 仕事をしていて1番辛くて苦しいのは自由意志を剥奪されること。そしてそういった不当で不公正な威力に抗うため終始翻弄され、最高に無駄で全くもって生産性の無い最低の労力にエネルギーを使う。憎しみだ。

 三島由紀夫が共産主義を敵と決めたように、僕も全体主義を敵と決めた。全体主義は広く根深く蔓延していて忌々しい。しかし三島に倣って決闘の精神で対峙すれば、対等の対人関係は築けない。最終的に自死して永遠の勝利を勝ち取るという選択肢を選ばざるを得ない。

 「運命よりむしろ自分に打ち克つように、世界の秩序よりも自分の欲望を変えるように、つねに努める」

 方法序説中の格率の一つ。要するに全体主義を敵と決めた自分自身を、自分の自由意志で変化させるということ。
 三島は葉隠の信奉者だった。齋藤先生はデカルトと宮本武蔵を対比させている。葉隠は武術書ではなくいわば主に仕える侍としての哲学書、五輪書は剣術の極意書、方法序説は思考の極意書ということのようだ。

 僕が本を読み始めたのは徹底的に思考してやろうと思ったことがきっかけだった。五輪書でいう吟味、工夫、鍛錬だ。改めてその意を決した。

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