見出し画像

アベンジャーズ感を味わいたい。

  アベンジャーズ感。様々なアニメや映画、ドラマのヒーローやヒロイン、敵キャラクターやロボットが一同に介して群像劇を繰り広げる。もちろんそれぞれの作品で培った特徴やお決まりの技だったりセリフだったり、落ちだったりと、それぞれの作品を見ていないと100%楽しめない。それでも知っている人たちにはどんな作品よりも楽しめる。そんな作品を私はマーベル作品に登場するヒーローチームになぞらえて、アベンジャーズ感のある映画と呼んでいる。
  そんなアベンジャーズ感を味わえる機会はかなり貴重である。一人の作者が複数の人気作品を作り出して、自らの手によって世界を融合して新たな作品を生み出したり、もしくは一つの立案者が様々な作品を生み出した会社や作者に声をかけて、色々な条件を踏み越えたのちに、漸くアベンジャーズ感のある映画が作れるということになる。多くの作品から登場してくれるからこそ、夢のタッグや合体技に心が熱くなる、そういうものだと思っていた。
  しかしそんなアベンジャーズ感の常識が覆される映画に、今年度は2作品も出会ってしまった。一つは「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」、もう一つは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME.3」だ。どちらの作品もシリーズ3作品目となる映画で、全く別の映画からの参加キャラというのはほとんどいない。それなのにアベンジャーズ感を味わえてしまったのだ。
  その原因は1つだった。個性が渋滞するぐらいの個性の強いキャラクターの多さと、その個性が十分に前作で発揮できていなかったことだ。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME.3」のキャラクターたちは、それこそアベンジャーズに登場していたが、個性の強さに見合う見せ場があったかというと、私の中では不十分であったし、映画を見たアベンジャーズファンの間では、主人公のスター・ロードは戦犯扱いであった。「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」に至っては、一作目の「機動戦士ガンダムSEED」の好評からの、2作目機動戦士ガンダムSEED DESTINY」のキャラクターの渋滞による不評のまま20年の時が経ってしまったのである。そんな前作までの抑圧された私のキャラクターたちへの期待を爆発させるかのように、新作映画の中で活躍するキャラクター。もはやその活躍だけを見るために何度も映画感に足を運びそうになった。
  アベンジャーズ感というのはキャラクターの個性の発揮だ。特に多くの個性的なキャラクターがその個性を発揮できていない作品をチェックしておくことは、のちのちアベンジャーズ感を感じられるチャンスなのかもしれない。もし作品全体が面白くなくても、キャラクターを魅力的に感じられるならしっかりと覚えておこう。いつかきっとアベンジャーズ感に変わる時が来ると思うから。
  
   

#映画にまつわる思い出


この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?