最近の記事

日本が何度も緊急事態宣言を出す理由

また緊急事態宣言が出るけれど、どうしてこうなったかというと、感染者を減らす有効な作戦が取れてなかったからだ。新型コロナは感染者と非感染者の接触で増えるから感染者を特定すればするほど非感染者を巻き込まずに済む。それが間に合わないなら無差別に接触を減らす緊急事態をせざるを得なくなる。 中国をはじめとする収束国は、陽性者数に対して十分多くの検査をやっているから、どの場所のリスクが高いかを詳細に把握できるため、範囲や期間を絞ってきめ細かい行動制限で制圧が維持できる。日本は検査抑制論

    • GoToトラベルが感染拡大に無関係のはずがない

      「GoToトラベルは感染拡大に無関係」とか言うけど、人と人との接触で広がる感染症の伝播がGoToや開校やイベント開催と負の相関があるって主張している時点でお話にならない愚論。GoToトラベルによって「も」新型コロナウイルスが感染拡大してて、旅行推進しながら抑制は困難。 だいたいなんで全世界にコロナウイルスが広がったかというと、武漢などの感染中心地と人が行き来したからであって、それを踏まえれば人の移動が感染拡大に貢献しないという結論は、どう逆立ちしても出てこない。出てきたとし

      • PCR検査抑制のデマに嵌らないために必要だったこと

        PCR検査抑制論に引っ掛かり、なおかつ今になってもそれを改めることができない人物は、情報収集力や論理的思考力や謙虚さが著しく欠けているんですよ。そして、検査抑制論に嵌った機序から根本的に修正しない限り、これからの人生で何度でもその人の判断を誤らせていく。信用も失われ続けていく。 日本で本当に残念だったのは、感染症専門家や医師の多くも検査抑制論に引っ掛かったってことです。それはちょっと間違えちゃいました程度の誤りではなく、最終的には何十万人もの感染増加や医療崩壊や経済被害につ

        • 検査抑制論に嵌まる者の病理

          医療の知識のない一般人が、ツイッターの医クラの発信するデマに取り込まれていく思考回路を赤裸々に述べていて、悪い意味でとても興味深い。医クラがほぼ全員揃って検査抑制論に乗っかってしまい、いまだに全く反省していないことの罪の重さがわかる。まじで彼らはどこまで行くつもりなんだろう。 (※テレビに出る専門家は空気に合わせて発言するようになるので闇落ちする。Twitterで信頼できる専門家を芋づる式にフォローして専門家の群れを観察しよう、という話) 逆にいえば、定説の定まっていない

        日本が何度も緊急事態宣言を出す理由

        • GoToトラベルが感染拡大に無関係のはずがない

        • PCR検査抑制のデマに嵌らないために必要だったこと

        • 検査抑制論に嵌まる者の病理

          新型コロナ対策は火消しに似ている

          なすこさんがわかりやすく絵にして下さいました! 新型コロナ対策は火消しに似ている。初期に発見できればできるほどそれ以上は広がりづらいし、勢いが増せば増すほど止めることは難しくなり、止めるために必要なリソースも莫大になっていく。たとえ早く見つけるのが大変だったとしても、目を瞑ることは現実を悪化させるばかりで何の解決にもならない。 火と違うのは、新型コロナウイルスは炎も出さず煙も出さず、無症状でもあり得るので目で見てもわからないこともあるということだ。火事よりもよほど扱いづら

          新型コロナ対策は火消しに似ている

          データで見る、日本の新型コロナ蔓延の現状

          日本と収束国の状況を比較していく。 まず人口100万人あたりの新規感染者数と、陽性率。 日本は新規感染も多く、陽性率も高めのオレンジになっている。縦軸は対数軸なので日本は収束に近い各国よりも桁違いに新規感染者の発生率が高い上に上昇傾向が続いていることがわかる。 人口100万人あたりの死亡者数。オーストラリアは一時期感染爆発していたが、最近はほぼ収束できていることがわかる。このグラフも縦軸は対数軸なので、日本は収束に近い各国よりもやはり桁違いに多いことになる。しかも増加傾向に

          データで見る、日本の新型コロナ蔓延の現状

          検査抑制論者曰く…

          PCR検査抑制論者が言いがちな詭弁をTwitterにまとめたら反響があったので、noteにも書いておく。 検査抑制論者は「PCR検査を増やしても、陰性者が免罪符を得て自由に歩き回り感染を広げる」とかいうけど、実際は「検査も受けない人が自由に歩き回り感染を広げる」から市中感染も増えていき、一向に収束しない。陽性者が歩き回るのを少しでも減らした方が、感染確率が減っていくのは当たり前だよね。 検査抑制論者は「PCR検査は陰性でも陰性証明にはならない」とかいうけど、PCR検査は特

          検査抑制論者曰く…

          新型コロナ対策で検査が重要な理由

          新型コロナ対策の鍵はとにかく見つけることで、PCR検査は少なくとも他の検査より高精度だから、事前確率が何であろうとさっさと検査する方が結果的に偽陽性偽陰性は減ります。見つけなければ偽陰性偽陽性を大きく超える真の感染者が生まれてしまうので、検査しない手はありえない。それだけの話です。 そもそもPCR検査は、特異度はきわめて高く99.99%以上の水準で、感度も70%で低いとはいえず、有病率が低くても検査対象の軽く99%以上は正しく陽性陰性が判定できる。PCR以外でこの精度で判定

          新型コロナ対策で検査が重要な理由

          GoToキャンペーンは焼け石に水

          GoToキャンペーンの問題は焼け石に水にしかならない所なのだよね。そもそもなんで旅行需要が冷え込んでいるかというと、コロナが広がりつつあるからで、それを放置したままどんなに金を注ぎ込んでも、二度とまともな消費者は戻って来ない。これはどの産業にも言える。検査徹底で拡散を止めるしかない。 GoToを始めとして、コロナの拡散速度を抑制できないあらゆる施策は金の無駄でしかない。火が燃え広がりつつある街でどんなに新築に補助金を出しても、結局全ては灰燼に帰す。火があるならどれだけ小さい

          GoToキャンペーンは焼け石に水

          PCR検査抑制論は完全な泥船

          PCR検査抑制論は完全な泥船だから、早く捨てない人ほど損をする。世界規模のパンデミックの最中に、精度の高さで知られるPCRを、偽陽性偽陰性事前確率を持ち出して数か月間も叩き続けて検査数も全然伸ばさなかったのは、日本の医療史に残る黒歴史になることは確実だから。 さて、この泥船にこの期に及んで専門家分科会が堂々と乗ってしまったわけですが。根拠も示していないので沈む船であることに変わりないです。PCRの原理とか複数国での高い検査精度とかは偉い人が口先で否定しても変わることはないか

          PCR検査抑制論は完全な泥船

          PCR検査抑制論の終焉について

          PCR検査抑制論を広めた医師や専門家は、自らこれを始末しないと延々とそれに足を抄われ続けることになりますよ。PCRを抑制して感染症を制圧できるまともな理論はどこにもないし、PCRを抑制してコロナを制圧した国もないわけで、このままでは日本だけが無意味な理論で一人負けを続けることになります。 理論的にも臨床検査実績でも、PCRの精度や有用性は否定できない状態になっていますが、それでも世の中の大多数はPCR検査に否定的であったり懐疑的であったりします。それだけ、医師や専門家やメデ

          PCR検査抑制論の終焉について

          PCR検査の原理と精度の高さについて

          日本では、PCR検査は精度が低く、高確率で偽陽性偽陰性が発生する、と盛んに喧伝されています。 しかし実際は、PCR検査は特異度が非常に高く、感度も高い検査です。 それはなぜか、原理から説明してみることにします。 PCR法とは、あるDNAに特異的に反応するプライマーという試薬を用いて、調べたいDNAを2倍に増やす操作を繰り返し、DNAを数百万倍や数億倍に増幅させて検出する技術です。プライマーが反応しなければ、DNA増幅はいつまで経っても起こらないので、陽性になることはありませ

          PCR検査の原理と精度の高さについて

          中国に学ぶ、効率的なコロナ対策の奥義

          中国ではPCR検査も1800円程度でできるようになっていて、バンバン回している。スマホアプリで感染リスクを赤黄緑で管理できる。乗った電車の車両や居住地区ごとのリスクも把握できて、どこかでアウトブレイクが起きたとしても全国一律の緊急事態宣言みたいなアホなことはしなくて済むようになっている。 検査を潤沢にすれば、それだけ細かくリスクの高低を可視化できる。たとえわずかな見逃しがあるとしても、やらないよりははるかに粒度の高い情報が得られる。目にも見えず、症状に出ない人も半数はいて、

          中国に学ぶ、効率的なコロナ対策の奥義

          PCR検査をめぐる「5つの理論」の問題点

          https://webronza.asahi.com/national/articles/2020051500010.html 検査抑制論者と思われる、公衆衛生学が専門の鈴木貞夫教授の理論がひどかったので、遅ればせながらつっこんでおく。今後も誤った議論の根拠として使われると思われるためである。途中から有料記事となったが、こちらでは全文読める。 ①カルピス理論 日本より検査不足の国と比較しており不公平 ②アイスクリーム理論 検査を増やしても死亡者が減らない根拠がない ③寿司屋

          PCR検査をめぐる「5つの理論」の問題点

          日本の新型コロナウイルス対策の問題点と提言

          1. 新型コロナウイルス感染者は、指数関数的に急激に増加します。 他の大多数の国では地域や気候によらず、約3日で倍増する速度で陽性者が増えます。つまり一定期間で1, 2, 4, 8, 16, 32, 64, 128, 256, 512, 1024と、後になればなるほど急速に増えます。このように指数関数的に増減する事象は、基本的に増加と減少の2択しかなく、対策の有無にかかわらず、どの国でも陽性者数は増加の傾向です。日本でも複数地域で医療が逼迫していることからもわかる通り、日本で

          日本の新型コロナウイルス対策の問題点と提言

          新型コロナウイルスによる医療崩壊と日本の陽性者数の推移について

          新型コロナウイルスの怖さは感染速度新型コロナウイルスの真の脅威は、その感染速度です。 新規の感染症は、初期には指数関数的に陽性者数が増加します。 指数関数的に陽性者が増加するというのは、一定の期間で、陽性者が1,2,4,8,16,32,64,...と倍々に増えていくということです。最初は増え方はゆっくりですが、後になればなるほど、増え方が激しくなっていくのです。 このような現象は、私達の日常で直接目にする機会はほとんどないですが、新型コロナウイルスの性質を知るためには最も

          新型コロナウイルスによる医療崩壊と日本の陽性者数の推移について