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【きまぐれ映画録①】『Green Book』アカデミー賞受賞作品

舞台は、人種差別が根強い1960年代アメリカ。
「天才ピアニストが雇ったのは暴力的で世渡り上手な運転手」というあらすじと、サムネ(白人と黒人の写真)を見たとき、みなさんはどんな絵を頭に浮かべますか。

私的この映画のポイントは、「よくある構図」ではないこと。
ドン(黒人)は、有名なピアニストだけど、一緒に住む家族もいない子声緒を閉ざした孤独なエリート。
トニー(白人)は、家賃を払うのもギリギリだけど、妻と子どもたち、親戚に囲まれ、世渡りが最高にうまい。ちなみに黒人をよく思っていない。

ここであらすじを訂正。
ケンタッキーを手で持って食べるのですら嫌がる優雅なピアニストである黒人ドンと、暴力的で言葉遣いの荒いイタリア系白人トニーが最高の友達になるまでのお話。
The sweetest movie that I could have ever seenでした。
二人が次第にまとっていく雰囲気がなんともいえず温かい…。

ドンは、アメリカ南部(差別がひどい)をピアノコンサートツアーでまわるため、トニーを運転手として雇います。
最初は、2人の性格が違いすぎて、ドンはお高く新聞読んでるし、トニーはそんなのかまわずしゃべり続ける始末。全く息合わん~~
でも時間を重ねていくうちに、互いに心を開いていきます。
その過程がなんともほほえましかった…。

ツアーで立ち寄るところは、南にいくほど差別がひどくなってゆき、もちろんドンもその対象の例外ではありません。
そんな中、心に残るドンの言葉があったのでここで共有。

"If I'm not black enough, and if I'm not white enough, and if I'm not man enough, then tell me, Tony, what am I?"

『Green Book』より

この人は、ずっと孤独だったとこのセリフで理解。

2人がぶつかりながらも心を開いていく様子が、不器用で、それがまた美しかった。
心温まるシーンがクライマックスにかけてどんどん増えていきます。
最後らへんなんてずっと心ぽかぽか。

久しぶりに「良い作品だなあ」と思えるものに出会えました。
ただ優しい気持ちになるだけではなく、自分って何なんだろうとか、人間ってどうあるべきなんだろうとか、いつもは自分から離れたところにあることを考えるきっかけになります。
ちょっとだけ考えてみてもいいかも…?とか思いつつ。
今のところたどり着いた答えは、こうあるべき、とかは話が大きすぎて分からんけど、私は人を尊敬できる人でありたい。でした。

最後まで読んで頂きありがとうございます。
是非お時間がある際に見てみて下さい。。

では。良い夜をお過ごしください^^


<ちょっとした自分なりの考察>
歴史とか全然詳しくないから、脚本家の真意は分からないけれど…。
トニーが警察になぜ黒人と一緒にいるのかを聞かれるシーンにて。
警察:「イタリア系?あぁ、お前半分ニガー(黒人を指す差別的用語)なのか」
トニーは思わず警察を殴ってしまう。
トニーが「イタリア系の」白人だったのは、「白人」が持つ自分たちの種が優位だという驕りを色濃く映すためのものだったのかも。


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