見出し画像

少しの努力で出会う人を変える

アメリカに引っ越してきて無事に一年を迎えることができた。最初はここで生活できるのか?馴染むことができるのか?不安だった。

「実家に帰らせていただきます」という言葉をよく聞くけれど、私たちの場合はリアルさが増す。アメリカで生活できないという局面はすなわち夫との婚姻関係の破綻を意味してくる。英語や文化、知り合いが全くいない環境で一生生活していけるかどうか、とても不安だったことは否めない。

一年生活してきて「前情報」で聞いていたアメリカ生活とは違うな、と思ったことが二つある。「時間と靴」の問題だ。

兼ねてからTwitterでアメリカ生活のリアルを情報収集していた私。「アメリカ人は時間を守らない」「土足でずかずか家に入ってくる」という話題がバズるたびに、日本人にとってはじわじわと嫌に感じるこの事項を懸念していた。

例えば9時にとっていた水道業者とのアポイントメント。しかしいつまでたってもくる気配はないという。しかも「遅れる」とか「あと何分で着く」とかなんの連絡もなし。そこから時はたち、「現在夕方の17時」なんていうTweetも見かけた。

また他方では、修理業者がやってきて「靴を脱いでほしい」と言ったのにも関わらず「無理」と言われ土足で入ってきた、とか。顧客の文化を尊重しないその態度に聞くだけでも嫌な気持ちになる。

主にはこの二つを恐れていた。だが、夫と生活するようになって「時間と靴」で嫌な思いをしたことはない。

業者は時間を守ってくるし、靴も脱いでくれる。ではこの違いはなんなのか?

もちろん住んでいる地域による部分はかなりある。教養がある人たちが多く住むエリアや裕福な場所であればそれだけのサービスを提供する業者がいる。節度を持って、相手のカルチャーをリスペクトしてくれる業者の人たちがたくさんいる。

また、業者との人間関係にもよる部分も多いと感じ始めた。夫は必ず、訪問してくれる業者の方達とかなり密にコミュニケーションを取る。スモールトークに始まり「Thank you for coming」と心からのお礼を示すし、信頼できる業者とは長く付き合いをする。連日来てくれる業者と毎日世間話をするしそうすると相手も私たちのことを信頼してさらに良いサービスしてくれる。相手も継続的な顧客を手に入れることができるのでWin Winだ。

アメリカに住む日本人の多くの場合は駐在で来ている人たちが多く、会社が契約している業者を使わなければいけない縛りがあって身動きが取れない場合も多いと思う。けれど、来てもらいやってもらうこと自体への感謝を伝えたり、アメリカで必要とされるスモールトークを積極的に取ったりと、私たち自身でも努力できる部分は多い。

人生の一つ一つの出来事に真摯に向き合い周りに感謝するということ。当たり前のことだしよく言われることだけれど、こういう事例にもその信念がよく反映されてくる。自分の人生を穏やかに豊かにできるかどうかは自分の行動次第ということだ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?