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視聴済み1000作品から推し映画を選ぶ Part.5 サスペンス編

パラサイト 半地下の家族

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全員失業中で、その日暮らしの生活を送る貧しいキム一家。長男ギウは、ひょんなことからIT企業のCEOである超裕福なパク氏の家へ、家庭教師の面接を受けに行くことになる。そして、兄に続き、妹のギジョンも豪邸に足を踏み入れるが...この相反する2つの家族の出会いは、誰も観たことのない想像を超える悲喜劇へと猛烈に加速していく――。

 真っ先に好きな映画として挙げたいのはこちらのパラサイトです。これほどまで質の高いサスペンスドラマを私は見たことがありません。この映画を特定のジャンルに分類することは難しいですが、一番抱いた感情がサスペンスを見た時に近いものだったのでこちらに分類しました。

 説明がミニマムなのにも関わらず、緻密な脚本やテンポの良さ、映像のインパクトのお陰で、すぐに作品の世界に引きずり込まれていきます。脚本、設定、演出、音楽、キャスティング、演技に至るまで非が見つからず、コメディからサスペンスまで忙しく、観客の気持ちが揺さぶられ続けます。それがとても刺激的で気持ちが良く、極上のエンターテイメントに仕上がっています。

 そこに韓国の社会問題も映し出されているのですから感服という言葉以外見つかりません。

ザ・コール

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古い電話の向こうから聞こえてくるのは、運命を変えようとする連続殺人犯の声。20年という時間をこえ、同じ家に暮らす2人の女の人生がいま大きくゆがみ始める。

 こちらも韓国映画でNetflixオリジナル作品。いやぁ本当に韓国映画は人は見る人の感情を揺さぶるのが巧いです。

 こちらの作品は、20年という時間を超え、たまたま同じ家で暮らす2人の女の過去と未来が電話で繋がるタイムパラドックスサスペンス。

 めっっちゃくちゃ予想斜め上の展開のラッシュでハラハラが最初から最後まで止まりません。お化けの類とかそういう話ではありませんが、やっぱ人間が一番怖いよねというお手本のような作品。パラサイトと比べるのはアレですが、テーマ性は及ばないものの、スリリングな展開は全く引けを取らない作品です。

バッド・ジーニアス 危険な天才たち

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頭のいいリン(チュティモン・ジョンジャルーンスックジン)は、進学校に特待生として転入する。彼女はテストのときにある方法で友人を救ったことが評判になり、さらに指の動きを暗号化する「ピアノレッスン」方式を編み出して、多くの生徒を高得点に導く。彼女は、アメリカの大学に留学するための大学統一入試「STIC」に挑もうとしていた。

 こちらはところ変わってタイの映画。ある女学生が学費を稼ぐため、あの手この手で友達にカンニングをさせる、スタイリッシュカンニングサスペンス映画となっています。

 この映画の凄いところは、そんな題材が特殊すぎるのに緊迫感がめちゃくちゃ凄いところ。絶望的な状況の中でも試験監督の目を盗んでカンニングにトライするシーンは手に汗握りまくります。緊張感が凄すぎて時間が過ぎるのがあっという間なので、いつもと少し違う題材でヒヤヒアを味わい人にはうってつけの作品となっています。

テロ、ライブ

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ある不祥事でTV局からラジオ局へ左遷された国民的アナウンサーのユン・ヨンファ(ハ・ジョンウ)。ある朝のラジオ生放送中、身元不詳のリスナーから
脅迫電話を受ける。いたずらだと気にもせず電話を切った瞬間、マポ大橋が爆破する光景を目の当たりにする。爆破テロだと確信した彼は、TV局への復
帰を条件に、漢江で連続的に発生する爆破テロの実況と、テロ犯との通話を独占生中継する。

 韓国映画挙げすぎでしょ…という感じですが、やっぱ韓国映画はサスペンスが強いからしょうがない。こちらのテロ、ライブは、テレビ生放送をジャックした爆破テロ犯 VS 決死の交渉に臨むキャスターの交渉サスペンス。

 ワンシチュエーションですが白熱する舌戦といつ犯人を逆撫でして爆破されてもおかしくない緊張感であっという間に時が過ぎ去ります。終いには、テレビ局や国家など様々な人間の陰謀が交錯する展開に結びつくのが面白いです。終わり方も印象的なので、サスペンス好きには是非オススメしたい一本です。

見えない目撃者

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浜中なつめ(吉岡里帆)は警察学校の卒業式の夜、過失で弟を事故死させ、自分の視力も失う。警察官になることを諦めたなつめはある日、自動車事故の現場で少女が助けを求める声を聞く。誘拐事件を疑ったなつめは警察に訴えるが十分に捜査してもらえず、自ら動き出す。

 日本映画も負けていません(原作は韓国映画ですが)。こちらは目の見えない元警察官が誘拐事件の捜査に乗り出すお話。

 彼女の証言からどう犯人捜しに繋がるのかというミステリー要素と、犯人の魔の手が及びながらどう彼女が切り抜けていくのかというハラハラドキドキなサスペンスが上手くマッチしていて、オリジナリティの高い作品になっています。原作リスペクトでゴア描写もしっかりあったのが個人的に好感触です。

 そして、何よりも吉岡里帆さんの演技が凄い。本当に目が見えないかのような焦点の合わない演技が自然で全く違和感がありません。

タイムリミット 見知らぬ影

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ベルリンの不動産会社に勤めるカール(ヴォータン・ヴィルケ・メーリング)は、大きな建築計画に携わっていた。ある月曜日の朝、彼は娘ヨゼフィーネと息子マリウスを車の後部座席に乗せて学校へ送って行く途中で、見知らぬ男性から脅迫電話を受ける。脅迫者はカールたちが座席を離れると爆発が起きる特殊な爆弾を車に仕掛けたと話し、大金を要求する。 

 途切れない緊迫感の長さで言えばNo.1かもしれません。娘と息子を乗せた車に爆弾を仕掛けられたパパが奮闘する手に汗握るサスペンス。

 無理難題な犯人の要求(ミッション)をこなすお話は割とありますが、この映画はそのせいで”パパが子供を立て籠りしてる”と思われて警察から狙われるのが厄介なポイントです。パパ×犯人×警察という三つ巴の危機的な状況の中で、どう不可能に近いミッションを乗り越えていくか。少し先も想像が付かないテンポの早い展開が面白かったです。

藁の楯

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少女が惨殺される事件が起き、殺人事件の懲役を終えたばかりの清丸(藤原竜也)が指名手配される。清丸を殺せば10億円の謝礼を支払うという新聞広告が出され、身の危険を感じた清丸は福岡県警に自ら出頭。清丸の命が狙われるという状況下、警視庁警備部のSP銘苅(大沢たかお)と白岩(松嶋菜々子)は凶悪犯を移送することになる。

 懸賞金10億のクズを、命懸けで移送せよ!5人 vs 1億2千万人 ――― 全国民が敵。エンタメ性高くありながら骨太なテーマが光る秀作サスペンス映画です。

 犯人を移送する時に新幹線や車を活用するのですが、やはり乗り物×パニックスリラーとの相性は抜群。そして、敵がどこから来るか分からない上に敵が誰かも分からないというシチュエーションも盛り上がりに一役買っています。

 そして、この作品は藤原竜也の暴れっぷりもお見事です。視聴後にも考えさせるテーマもあり、尾を引く後味も楽しめる作品になっています。

女神の見えざる手

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敏腕ロビイスト、エリザベス・スローン(ジェシカ・チャステイン)は、銃所持を後押しする仕事を断って、大会社から銃規制派の小さな会社に移る。卓越したアイデアと決断力で、困難と思われていた仕事がうまくいく可能性が見えてきたが、彼女のプライベートが暴露され、さらに思いも寄らぬ事件が起こり……。

 天才ロビイストのエリザベス・スローンが政界で大ロビイ立ち回りをする社会派サスペンス。血の流れない水面下の知略戦が刺激的でハラハラして面白いです。どんでん返し展開が好きな方にもオススメ。

 彼女の癖が凄く、仲間をチェス同然に考えていて、食欲、性欲、睡眠欲も最低限満たせればいい合理主義的なヒロイン像が逆に新鮮でした。

パニック・ルーム

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離婚したばかりのメグは、娘サラを連れて、新しい引越し先の下見に出掛けた。案内されたタウンハウスは4階建て、エレベーター付き。しかしそれだけではなく、ある秘密の部屋が設置されていた。"パニック・ルーム"緊急避難用のスペースはそう呼ばれていた。ドアはひとつしかない。スプリング内蔵の自動施錠システムと赤外線センサーが装備されている。作られた目的はたったひとつ。決して誰も侵入させないこと。母子の新たな生活が始まったその晩、事件は起こった - 。

 脱出不可能なパニックルームで巻き起こる傑作パニックサスペンス。閉所恐怖症の人には決してオススメできません。絶対にパニックルームを開けたい強盗VS絶対にパニックルームを出たくない親娘の世紀のほこたてが幕を切って落とされます。

 強盗側の人間も一枚岩では無かったり、娘が薬が無いと死んでしまう設定があったり、ワンシチュエーションながらも飽きさせないギミックがお見事な作品です。

ナイトクローラー

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学歴もコネもなく、仕事にあぶれたルー(ジェイク・ギレンホール)は、ある日事故現場を通りかかり、テレビ局に悲惨な映像を売って稼ぐ<ナイトクローラー>と呼ばれる報道スクープ専門の映像パパラッチの存在を知る。さっそくビデオカメラを手に入れたルーは、警察無線を傍受しながら事件や事故の発生を待ち、猛スピードで車を走らせ、現場に駆け付ける。良心の呵責など1秒たりとも感じない彼の過激な映像は高く売れるが、局の要求はさらにエスカレートしていく。そして、遂にルーは一線を越える─。

 "ネタ"を追い求め危険で非道徳な行動をも厭わないパパラッチの真に迫るサスペンスドラマ。

 「仲間だったんでしょ?」「今はネタだ」。同僚が死ぬ現場さえもカメラに収めて局に売り捌く主人公ルー。今にも自分自身が事件に巻き込まれるかもしれない状況なのに、私欲のためににエスカレートする人間の欲望の果てしなさが、ジェイクギレンホールの怪演を通してまざまざと描かれます。

 不思議と彼らの動向から目が離せない我々自身も、もしかしたら潜在的に特ダネを見たいという好奇心に飢えているのかも…

フライト・ゲーム

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ニューヨークより146人の乗客乗員が搭乗した、ロンドンへと向かう旅客機。その警備を任されている連邦保安官ビル・マークス(リーアム・ニーソン)のもとに、1億5,000万ドルを指定口座に入金しなければ20分おきに機内の人間を1人ずつ殺害するという異様な犯行予告メールが届く。

 機内でテロ予告を受けた連邦保安官が内密に犯人捜査に挑むハイジャックサスペンスアクション。犯人を予想しながら見ていたのですが、ことごとく裏切られました。リーアム・ニーソン兄貴の暴れっぷりが見たい方にオススメの作品です。

セルラー

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高校の科学教師ジェシカ(キム・ベイシンガー)は、愛する夫と11歳の息子リッキー(アダム・テイラー・ゴードン)とともに幸せな暮らしを送っていたが、ある日突然、ジェシカは見知らぬ男たちによって監禁されてしまう。

 クリス・エヴァンスとジェイソン・ステイサム共演の携帯電話がテーマの誘拐サスペンスアクション。誘拐された女が犯人の目を盗んで電話線をいじって警察に電話するんだけど、その携帯のみがたった一本の命綱。果たして彼女は犯人に見つからないようにしながら救出を待つことができるのか。

 携帯という題材を上手く使ったシンプルなストーリーでありながら緊張感とスピード感があり最後までドキドキハラハラしながら楽しむことができます。

エンド・オブ・トンネル

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事故で妻子を失い、自分も車椅子生活を余儀なくされているホアキン(レオナルド・スバラーリャ)は、家の2階部分を娘を抱えるストリッパーのベルタに貸すことに。二人との交流を通して少しずつ明るさを取り戻していく中、地下室でトンネルを掘っているような作業音と話し声を耳にする。やがて、犯罪者たちが銀行に押し入るための地下道を掘り、ベルタたちがその計画に加担させられているのを知る。ホアキンは母娘を救うと共に犯罪者たちが奪った金を横取りしようとするが……。

 車椅子の男と銀行強盗の緊張感のある攻防を描いたクライムサスペンス。主人公がハンデを背負っているので、どうやってピンチを切り抜けていくのかが見どころです。最後の最後までこれはもう終わったでしょ…という展開が続いて手に汗握ります。

悪の教典

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ハスミンというニックネームで呼ばれ、生徒たちから圧倒的な人気と支持を集める高校教師・蓮実聖司(伊藤英明)。生徒だけでなく、ほかの教師や保護者も一目を置く模範的な教師だったが、その正体は他人への共感や良心を持っていない反社会性人格障害者であった。

 子供達から慕われる高校教師は、実は彼は生まれつきのサイコパス。己の合理のためなら殺戮も厭わない狂気の男だった。

 伊藤英明の怪演っぷりだけで見る価値のある作品です。彼が演じるサイコパス像にはポップさもあり、それが逆に狂気を煽り痛快さすら覚えます。

バトル・ロワイアル

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極東の全体主義国家「大東亜共和国」では、全国の中学3年生のクラスから毎年50クラスを無作為に選び出し、「プログラム」と称する殺人ゲームを実施していた。プログラムに選ばれた生徒たちはゲームのために確保されたエリアに集団で送り込まれ、生き残りが一人になるまで殺し合いを続けることを強要されるのだった。

 驚異の失業率と少年犯罪が多発するようになった日本で可決されたBR法。無作為に選ばれた中学生同士に殺し合いをさせて生き残った1名だけが無事に帰れる。

 今となっては内容はシンプルですが、殺し合いが始まるまでの運びのテンポが良く味のある演出と相まってデスゲームがじっくり描かれるのが好きです。個人的には、毒を混ぜた女の子グループの灯台のシーンが好きです。

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