見出し画像

古(いにしえ)のスマトラカレー

神保町カレー黎明期から創業

神保町をカレーの聖地とまで言われる街へと押し上げた立役者の“一人”ともいえるのが、1924年創業の老舗中の老舗「スマトラカレー共栄堂」だ。昨今、多店舗展開するカレー店が増える中、神保町にはまだまだ個人店がひしめき合っていて、それぞれの個性がまたカレーファンを惹(ひ)きつける。そんな神保町において創業以来、人気は衰え知らずの店だ。

2016年から6年連続でミシュランガイドのビブグルマンにも選出されている名店だ。黄緑色の看板と、地下から漂うスパイスの香りに誘われて、お客が螺旋階段に沿って列を作る。

黒光りのルーの正体

共栄堂のカレーは、個性強めのオンリーワンカレー。どこにもない独特の味だ。黒光りしたルーは、さらりとしているが、程よいとろみもある。小麦粉は一切使用しないというが、形がなくなるまで煮たタマネギ、ニンジン、ジャガイモなど、大量の野菜が溶け込んでいるからだ。味の決め手となる独特の香ばしさは、二十数種類のスパイスを1時間以上かけてじっくりとローストして引き出す。この火入れ加減が重要だそうだ。

店内

着座してすぎにフォーク、ナイフ、スープが提供される。

店内は清潔感に溢れ、通常ゴッタ返してる。写真はホームページから拝借


コーンポタージュが提供

メニュー

ポーク、チキン、エビ、タンと具材に応じて価格相応に値段が上がっていきます。本日はゴロゴロチキンをチョイス。ついでにルー、ライスともに大盛りにして注文。


メニューには共栄堂の歴史ヒストリーが読める

食レポ

オーソドックにライス大盛りとカレールーが別々に運ばれてきました。
ルーからスパイシーな香りが鼻を刺す。

黒光りするブラックパールな輝きを持つルー


ルーをライスにかけてスプーンで混ぜ合わす。口に入れた瞬間に至福な時間が訪れる。

スプーンが止まらない。

黒いカレーソースはいかにも辛そうだが、一口目に感じるのはスパイスの香りと、溶けだした肉や野菜の旨味。後から、スパイスの辛さとパンチがじわじわと効いてくる。そして後味はほんのりビター! じっくりと炒めたスパイスが生みだすこの独特の風味こそ、『共栄堂』のカレー最大の特徴。万人受けはしないかもしれないが、多くのファンを魅了する唯一無二の味わいだ。

黒つぶつぶの胡椒やスパイスがご飯粒にびっちり纏う。

白いごはんに黒いカレーソースをかけ、味わい尽くします。1滴も残したくないほど美味しいカレーソース。食べていたのはたったの15分くらいでしたが、永遠にも思える濃厚な幸せなひとときを過ごせた気がします。

チキンがごろごろと入ってるんので、ライスの上にテイクON!

具材の鶏肉も旨味が強くて、ソースの美味しさに負けていない。それにしても、以前ここでポークカレーを食べた時とはソースの味が違うような気がする。聞けば、具材ごとにカレーソースのベースとなるブイヨンを変え、別々に煮込んでいるそう。チキンカレーのソースはやや軽めで、鶏肉との相性は抜群。スパイスのキレもしっかりしている印象だ。

カレー部活動をしていれば自然にグルメになる気がする。カレーという奥深いジャンルだとしみじみ思う週末でした。


ただのオッサンの備忘録ですが、応援コメントなど頂ければ励みになります。