濡鳥

俯いて歩いてるから靴紐が解けてる人とよく出会う。

濡鳥

俯いて歩いてるから靴紐が解けてる人とよく出会う。

最近の記事

どんなSF作家も頭を掃除機で吸い込む床屋を予想できなかった。

・祝日の朝は今日が祝日であると自信が持てなくてあわや無断欠勤かとドキドキするから楽しい。  破滅願望の部分が刺激される。 ・友達が魔都東京からゴールデンウィークを利用して帰ってきてくれたので、一緒にいる。  髪を切りに行くと言うので、近くまで一緒に来た。いま、美容院の入ったビルから90分くらい出てこない。途中で休憩時間を挟んでいるのか? 僕は安い床屋さんにしか行かないから時間の相場が分からない。  せっかくだから僕も髪を切りに行った。QBハウス。前々から行ってみたいと思って

    • 煙草農園を焼いて、その香り。

      ・人の家におじゃました。邪魔という言葉は「お」をつけた所で漂白されないだろとは常々思っていることだ。  その人はタバコを吸う人だった。僕が帰る頃にはマスクがタバコのフレーバーになっていた。タバコの匂いが好きだから、吸ってもらう分には構わないけれど、マスクに染み付いた臭いは好きでないことがわかった。tabaccoという英単語を未だに信じられていない。 ・タバコを吸う人の中には「タバコ吸ってもいいですか?」と聞く人がいて、配慮がありがたいのだけれど、断ることできなすぎると思う。

      • 視聴者でいさせられる物語。

        ・ハズビンホテルをみて気づいたことは、距離感がちょうど良いということだ。  僕は貧乏性だから、何を見聞きしても、それをどうにか自分の成長だとかスキルアップだとかに役立てようとする癖があるのだけれど、ハズビンホテルではそのヨコシマさが出なかった。  学ぶことろがないという意味ではなく、むしろ真似したい物語だった。けれど、徹底して"物語である"という一線があったようにも感じていた。僕は視聴者でいさせられ続けた。「ただ楽しめ」という固いスタンスを感じる。  距離感があった。適切な距

        • 学生の頃にもっとなりチャしておけばよかった。

          ・『ハズビン・ホテルへようこそ』が好きになった。  惹かれるのはキャラクターだ。世界観、音楽、状況、関係、全部がキャラクターを魅力的に見せている。  地獄の住人を更生させるというコンセプトがいい。ありきたりなようでいて、誰にもでも伝わる意外性と時代に取り残されない普遍的な面白さがある。  ミュージカル調であることがいい。歌っているから相槌がないし、登場人物が話したいことの芯だけを伝えられる。歌っていること以外違和感がないし、しばらくすると歌っていることすら違和感ではなくなり、

        どんなSF作家も頭を掃除機で吸い込む床屋を予想できなかった。

          豚野郎、床と遊んでおいで。

          ・三連休を軽んじていた。全部ができる。充実している。朝から映画ひとつ観て、昼からふたつ観て、夜にひとつ見て、起きてからひとつ観る。デカいバーガーを食べに行けるし、新しいラーメン屋さんに行くことも出来る。  これまでの三連休はエロいこと考えている間に終わっていたから、今回のゴールデンウィーク、とても楽しい。  ゴールデンウィークに感謝している。  どうして感謝できるのか? 享受しているからだ。これまでは過ぎているだけだったけれど、今は楽しく過ごすことができている。恩恵を受けてい

          豚野郎、床と遊んでおいで。

          バーガーキングの顔が刻印されたコイン。

          ・今日はバーガーキングで「アグリー ザ ワンパウンダー」を食べた。食べるならゴールデンウィークの今しかない。ザ・ワンパウンダーシリーズはスモーキーなパティ4枚とチーズが6枚挟まったバーガーだ。そんなバーガーはシンミリな梅雨に食べたりするよりもゴールデンウィークとかいうアホみたいな週間に食べるのが作法だ。  ザ・ワンパウンダーを食べているときは、増援を呼ぶタイプの敵と戦っている時と同じような気分になる。早く食い切ってしまわないと胃の中でブクブクになっていく。 ・原始時代のお金

          バーガーキングの顔が刻印されたコイン。

          福笑いみたいな顔、真顔の心。

          ・顔が整っていると言われて、よっしゃー! よっしゃよっしゃよっしゃ! うわああああああああああああああああ!!!!!!! 美しさ!!!!!!!!! と舞い上がったけれど、一度睡眠を挟んで考えてみると、上手な福笑いみたいな意味だと分かって、萎えた。 ・たくさんの人がやさしくしてくれたので、最近は連絡先が増えている。できればこれからも繋がっていきたいけれど、文字で話し合うことが苦手だから、たぶん送信することはなくなるだろう。連絡したいこともない。  ながらくlineをしていなか

          福笑いみたいな顔、真顔の心。

          一つの鏡に美人と映る。

          ・人と話しているとき話の流れとして仕方なく「アナルの話をしてるのか?」と言うことがあった。  これが驚くほど口に馴染む。アナルという単語のまろやかさなめらかさも手伝っているのだろうけれど、やはり「アナルの(4)話を(4)してるのか(5)」のリズムがホップステップジャンプ的グルーブを生み出しているのではないか。  最近リズムに乗れてないなぁ、という人や、最近アナルって言ってないなぁという人は、ぜひ言ってみるべき。 ・大人は仕事をしているときに眠たくなったりしないと思っていたけ

          一つの鏡に美人と映る。

          チワワ・ザ・フールドッグ。トゥ・ジ・エンド。

          ・おもちゃを投げてチワワが取ってくる。この遊びをずっと続けている。チワワが飽きる様子はない。死ぬまでおもちゃを咥えてチャカチャカ走ってるのかもしれない。普通ならおもちゃ遊びなどは早々に飽きてパズドラとか初めそうなものだけど、うちのチワワに限ってはずっとおもちゃを咥えている。  知能が低いのだと思う。しばらく放っておくと、僕の方へおもちゃを寄せて、早く投げろとキャンキャン吠えてくるのも、脳みそがクルミ大しかないからだ。要求を通すときに恫喝を用いるのは阿呆だ。  チワワと遊んでい

          チワワ・ザ・フールドッグ。トゥ・ジ・エンド。

          ショートコント「竜に滅ぼされた100年前の王国を歩くひとりの少女」

          ・アイドルを推している人と話した。推しという言葉、小っ恥ずかしいわりに、しばらく代わりの言葉が現れないような安定感がある。  その人はかなり気合いの入った人で、推し(YouTubeを見ている)ではなく、『推し』(CDを数十万円分買っている)の人だった。そういう人はインターネットにいて現実にはいないと思っていた。いないと思ったらいて草。  握手券が貰えるらしい。推しと会っている時間が全てで、他はフェイクであるというような意味のことを言っていた。名札を付けていると握手のときに名前

          ショートコント「竜に滅ぼされた100年前の王国を歩くひとりの少女」

          記憶は面白くないから忘れることにしている。

          ・昨日は仕事で苦しいことがあったが意外なことに今朝、気持ちよく起きられた。  忘れる力が強くなっている。  楽しく生きるために成長させたこの能力だけど、昨日に何があったかまで、ぼんやりとしか思い出せないようになっている。これまでは記憶の蓋が勝手に開いてしまっていたけれど、今は思い起こさないように立ち止まることができている。  嫌な記憶が掘り起こされそうだ――と察知すると、脳がぼんやりしてきて、それ以上進めなくなる。  記憶ってこんな簡単に操作できるんですね。  でも、あの感覚

          記憶は面白くないから忘れることにしている。

          簡単に人類を嫌いになっちゃうね2024。

          ・一日のなかで1番好きな時間はベッドに入ってから始まる。毛布のなかには安心だけがある。  仕事が始まって月曜日、夢が侵略されている。  眠る前、明日遅刻しないかヒヤヒヤしていると、夢の中でもソワソワしてしまって、4時くらいにハッと起きてしまう。  眠る楽しさがいくらか無くなってしまった。 ・仕事で電話を取ったら色々あって怒られが発生した。僕がどうしようもない範囲のことで知らない人から怒られると、「発生した」という気分になる。  でも、僕は社の代表として電話に出ているわけだか

          簡単に人類を嫌いになっちゃうね2024。

          惚れてる画角。

          ・昨日は友達とお昼ご飯を食べに行った。  やたら並んでいて、一時間ほど経ってからお店に入る。  待っている間、写真フォルダをお互いに見せ合うことで時間を潰していた。僕の写真フォルダには変な看板とか変な置物とか、そういうものばかりで、自分の写真がない。弱いフォルダだ。独自性が薄い。  写真を左にスワイプしていると、好きだった人の写真が出てきた。心臓が跳ね上がる。  素早く飛ばしたけれど、友達はしっかり見ている。惚れてる画角だと言われて心臓が飛び出る。  なんというか、この書き方

          惚れてる画角。

          卵かけごはんを注文できるダルさ。

          ・行列のできるうどん屋さんに行こうと誘われて、一緒に行列を作った。1時間ほど並んだ。  そいつは時間にルーズなヤツだから、それを見越して10時半に集合しようと計画していたけれど、案の定集合時間そいつは寝ていた。  だから友達が髪をとかすのを待つ時間とうどんをこねるのを待つ時間で合計90分くらい無くなった。待つのが苦じゃない性格で助かった。  黒毛和牛が乗っかっているうどんを注文した。1200円。海老の天ぷらを注文した。300円。卵かけごはんを注文した。300円。  卵かけご飯

          卵かけごはんを注文できるダルさ。

          砂漠に咲く一凛の花と22時前に眠る僕との関係。

          ・木曜日の朝に疑念が生まれて、金曜日の朝確信したことがある。朝起きるのが辛い。  体力がなくなってきているのだと思う。  今はまだちょっと寝起きがダルいだけだけど、歳をとってくると、ちょっとどころではなくなってくるかもしれないし、木曜や金曜ではなくて、火曜日とかからそれが始まるかもしれない……。  そう思うと、今のうちから体力を付けておかないといけないと焦る。  昨日話した40歳くらいの同期の人たちは、仕事をした後にサッカーやバドミントンをしているらしい。サッカーの人は月曜日

          砂漠に咲く一凛の花と22時前に眠る僕との関係。

          必死乙どす。

          ・電車を待っていると数人の小学1年生たちが親に手を引かれてホームに入ってくる。  まず5人くらいの黄色い帽子が手を繋いで歩いてくる。しばらくして、己の無力さ、世の無情、怒り、悲しみ、愛憎、そういうものをひっくるめて泣き叫ぶ子が親に抱えられて登場する。  僕はその子を見て微笑ましく思ったり、真剣に叫んでいる人でほっこりしてはダメだと考えたりしている。  その子はかなりラウドボイスで、おそらく駅構内にいる全員に主張が届いている。  あの子の泣きはもはや芸術の領域にある。全身を使っ

          必死乙どす。