徒然物語67 呪縛

皆さん、古代カンブリア紀については理解できましたか?
この時代は“カンブリア大爆発”と言われるほど、多種多様な生物が生まれたとされています。
例えば“三葉虫”なんかは有名ですね~ゴキブリのご先祖様かな?
ほかにもこの、“ピカイア”なんかは有名かな。こっちはナメクジのご先祖様みたい。
 
様々な海洋生物が誕生したこの時代ですが、最も大きく、最も凶暴な肉食生物が何か知ってるかな?
 
それがこの生物です。
 
その名も“アノマカロリス”です!
 
全長は何と1mもあって、硬い甲羅に特徴のある牙。
この牙でどんな獲物でもバリバリ食べていたんでしょうね。
 
アノマカロリス。間違いなくこの時代最強生物です。
 
ここは試験に出ますから、注意ですよ~
 
古代カンブリア紀。生物の多様化。
三葉虫にピカイア、そしてアノマカロリス。
みなさん、覚えておいてくださいね。
 
それでは今日の授業はここまでです。
 
 
そう言って先生は教科書を閉じた。
 
いつもと変わらない、淡々とした授業。
しかし、先生は一つミスを犯していた。
 
なにか。
 
そう、古代カンブリア紀最強生物の名は、アノマカロリスではない。
 
“アノマロカリス”だ。
 
“奇妙なエビ”という名がつけられている。
 
だから、アノマカロリスでは決してない。
 
しかし、その授業以来、おれはどんなに勉強しても肝心な時に名前を間違えるようになってしまった。
 
テストでアノマカロリスと書くと、先生は容赦なく赤ペンをはねた。
 
自分が間違えたくせに~!
 
こいつの名前はアノマロカリス。
 
アノマロカリスなんだ!
 
だというのに…
 
肝心な時に…

アノマ…

アノマ…カ?

アノマカロリス!!

ちくしょ~!また間違えた!!
 
先生のばかばか!
 
変な呪いを付与された気分だぜ…
 
まあ、使う機会あんまりないからいいんだけど…

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