藤井 三打

藤井 三打

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もう一つのスパイダーマン:ファー・フロム・ホーム~トニー・スターク卒業式~

 マーベル・シネマティック・ユニバースにおける最大の決戦となった、アベンジャーズ:エンドゲーム。最大の敵サノスを倒すことで、話に区切りはついた。むしろ、終わらせるならちょうどいいタイミングと言える。それに、これまでシリーズを牽引してきたアイアンマン(トニー・スターク)は死んだ。MCUをこれ以上続けられるのだろうか?という疑問に対して、出来る!と言い切ってみせたのが、スパイダーマン:ファー・フロム・ホームという作品でした。  地球を揺らがす新たなる脅威エレメンタルズの出現、マ

    • 「ザ・ヒーローズ・アー・デッド」企画書

      キャッチコピー:英雄たちは死んだ。人々は生きた。終わらないバッドエンドが、新たな英雄を生む。 あらすじ:ヒーローたちにより作られた平和は、食人衝動に目覚めたヒーローたちにより瓦解した。文明が崩壊した東京にて生きる人々と、彼らを餌としてみているかつてのヒーローたち。かつて魔法少女であった親友から魔法少女の力を受け取った春奈は、ヒーロー狩りとしてこの世界で生きる道を選ぶ。彼女が目の当たりにしたのは、改造人間1号である男の正義と末路であった。 第一話のストーリー:文明が崩壊した

      • 「我らただただ道を行く」あらすじ

        剣と魔法の世界にて、旧時代の遺産として扱われている、柔道や剣道といった”道”の数々。相撲道の力士であるオーガ族のライデンと、大図書館より散逸した”道”を回収しようとするエルフの司書ヴィルマ。 二人はある村にて、オーク退治に挑むオーガ族の戦士ラヌイと出会う。ラヌイはオークたちを蹴散らすものの、柔道と空手道を齧ったボスオークに敗北。ライデンは相撲道でボスオークを倒す。 次に二人が訪れたのは、敵軍に包囲され、山に閉じ込められた軍営だった。ライデンは相撲の四股で兵士たちを元気づけ、正

        • 「我らただただ道を行く」第三話

          敵軍に包囲された山、その兵舎でやせ細った兵士たちと、本から目を離さないヴィルマが会話をしている。会話をしているのは、前話に出た兵士CとD、そしてバケモノ(熊)から逃げてきたモブ兵士である。 前話で降っていた雨は止んできたが、空はずっとどんより曇っている。 ヴィルマ「つまり、ライデンは……あのオーガ族の人ですね。彼は、バケモノを探して山に入っていって、あなたたちとすれ違ったと」 モブ兵士「(頭を抱えて)も、もうダメだ! きっとバケモノに食われちまってるよ!」 ヴィルマ「バケモノ

        もう一つのスパイダーマン:ファー・フロム・ホーム~トニー・スターク卒業式~

          「我らただただ道を行く」第二話

          ナレーション「大図書館 この世界における知の宝物庫。この世界の情報すべての集積を目指しており、大図書館に務める司書の姿は、世界のどこでも見ることができる」 ヴィルマと同じ格好をした男女が、本を手に四方八方に散らばる光景。 至るところに野営が見える山を、軍勢が包囲している。雨がしとしとと降り、厚い雲が空を覆っている。 麓の軍勢。最前線にいる二人の兵士が会話している。 敵兵士A「雨が冷たくてたまんねえな。ここ最近、ずっとだ」 敵兵士B「包囲されて数ヶ月。雨のおかげで水はあっても

          「我らただただ道を行く」第二話

          「我らただただ道を行く」第一話

          ※世界観、アイテムなどの雰囲気はオーソドックスなファンタジーをベースとする。 ナレーション「アインツ領辺境――」 少し雲が残る青空に、両脇に生い茂っている草。のどかな街道を歩く、オーガ族の青年ライデン。身長は2メートル近い巨躯であり、全盛時の千代の富士のような適度な太さと筋骨隆々とした身体を持っている。顔つきは精悍であるが、どことなく緩みがあり、大物らしさを感じさせる。 上半身は裸で、大きな浴衣を両肩に引っ掛けている。下は、柔道や空手着の下履きのようなゆったりとしたズボンを履

          「我らただただ道を行く」第一話