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チャールズ・ディケンズ『オリヴァー・ツイスト』 8

知らない街にいって、小一時間ほどぶらついてみたいと思った。

訝しい目で眺められるかもしれない。

私は、家着以外に私服をほとんど持っていない。なので、外出するときは地味なスーツのようなものを着る。そんなスーツで、知らない街をぶらつけば、調査員か飛び込み営業だと思われるに違いない。

そんな地味なスーツ姿で、Youtuberよろしく、撮影機材とピンマイクを装備してぶらつくのは、知らない街の人を驚かせ、場合によっては怖がらせてしまうかもしれない。

欲望があってこそ、人間は成長する。欲望は、悪いこと、欲求に関わることだけではなく、善意の発露もある。単純な精神的なエネルギーだと思えばいい。食欲、睡眠欲、性欲などは基本的欲求であり、それらの質や様式の差異にこだわり出したとき、欲望になると思う。欲望は社会的なものだ。

知ること、理解すること、集めることが、私の欲望だ。しかし、何かモノを集めるにはお金と場所がない。人に熱中するには、人間そのものに興味がない。そうは言いながらも、人間の生活には興味がある。その生活を集めたいと思う。

私自身がとってきた生活とその環境は、限定されたものである。多くの人も、同じように、ある一定の環境で、ある生活をつくって生きている。これを知りたくて、知らない街にある生活と知識を尋ねたいと思っている。

何を急に言っているのかと思うだろう。ただ、こうした欲望をキチンと言葉で表現しておかないと、忘れてしまいそうである。なので、書いてみた。今日は、昨日のように気持ちはハイではない。

あらすじ(13)

ここで、スリの集団に話は戻る。ドジャーとベイツは、オリヴァーが警察に捕まったあと、それを反芻する。ドジャーとベイツは、わざとオリヴァーを泥棒と名指しし、大騒ぎすることで、民衆の注意をそらし、まんまと逃げおおすことができた。

老紳士フェイギンの元に戻ったドジャーとベイツは、詰問される。オリヴァーはどうした。オリヴァーは警察に捕まったのか。どうなんだ。ドジャーはごまかそうとするが、老紳士フェイギンはキレる。そして、ジョッキを投げた。

投げたところに入ってきたのがミスター・サイクス。ならずものの一人だ。サイクスは、ジョッキを投げつけたフェイギンを怒鳴りつけ、とにかくドジャーとベイツの話を聞くことにする。

フェイギンとサイクスは、オリヴァーが警察に色々話したら、芋づる式に組織がバレることを心配しはじめる。とにかく、警察に捕まったオリヴァーの様子を見に行かなければならないと思う。フェイギンの組織にいる二人の女子のうち、ナンシーがその任務にあたることになった。

弟が捕まったようにふるまい、留置場に忍び込み、悲哀たっぷりの演技で、オリヴァーの行方を調べる。しかし、留置場にはいない。ただ、拘留されている犯罪者の一人から、「気を失った彼(オリヴァー)を告訴人(ブラウンロー氏)が自分の家に連れ帰ったことを」伝え聞いた。

フェイギンは、オリヴァーを捕まえる手だてを、部下の子どもたちに与えた。捕まえたら、口封じすることを決意しながら。

感想

ドキドキしてきました。スペクタクルですねえ。

こういった場面転換が、あっさりとできてしまうところが、読み物としてはいいですね。

それ以外にはとくに感想はないんですけど、どうなっちゃうんでしょうね。



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