遊びの中の学び
幼児教育は、「遊び」を通して行われる教育です。それだけに、「遊んでばかりでどこに学びがあるのか分からない」という意見がよく聞かれます。
それはもしかすると、「学び」というものを見えやすく、(得点化するなどして)認知しやすいものと狭義的に捉えているところからきているのかもしれません。でも幼児期の学びとは、そのような認知しやすいものよりも、むしろ認知しにくいいわゆる「非認知能力」を指すことの方が圧倒的に多いのです。
次の画像を見てください。
子供たちが「お店屋さんごっこ」をして遊んでいる写真です。ただ遊んでいるだけのように見えますが、そこには(緑の枠で示した)「学び」がたくさんあります。このうち、「(ハサミ、のりなど)技術の獲得」以外は全て「非認知能力」です。
前回の記事(「幼児教育≠早期教育」)で書いたように、幼児教育が特徴的なのは、このような学びが子供たちにとって無意識のうちに行われているところです。
子供たちは、「友達と協力、役割分担するよさを学ぶぞ」と思って遊んでいるわけではありません。店員になりきって、お店を盛り上げるために遊んでいたら、友達と協力、役割分担するよさを学んでいた、という感じです。だから遊びの中の「学び」は分かりにくいのです。
幼児期に「非認知能力」を身に付けることの最大のメリットは、この時期が最もそれに適しているからです。「最適期」を含めたこの辺りのお話はまたいつかできればと思いますが、「認知能力」は、学童期(日本では小学生になってから)からでも十分身に付きます。しかし「非認知能力」は、学童期に入ってからではもう遅いのです。そして「非認知能力」は誰かに教えられるよりも、主体的に行動する(=「遊び」)ときに最も身に付くとされています。なので幼児教育は「遊び」を通して行われるのです。
その幼児の主体的・自発的な活動を引き出すために、先生はいろいろな関わりをするのですが・・・それはまた次回、つぶやいていこうと思います。
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