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ひとの心を傷つけて喜ぶ心寂しき者に #34

 前回のNOTE(#33学校とコミュニケーション)で「いじめ」に絡んで緊急転校した子のことを書きました。その事案が起きた1年後、私は出張先の東京の電車の中で、ある車内吊り下げ広告の詩に感動したことを思い出しました。その記事を記載します。(平成21年12月1日 S小学校の学校だよりより引用)
 『市の人権尊重週間に合わせて、本校も今週の4日(金)から校内人権尊重週間が始まります。 (中略) 今月12月の学校のめあては、「相手の気持ちを考えて行動しよう。」です。最近、子ども達の日頃の会話を聞いていると、次のような言葉が多いようです。
「うざい。きもい。……。」
 どの言葉も、耳にしただけで暗い気持ちになります。こんな言葉が普通に飛び交い、またそれが当たり前になってきたら大変です。仲良く助け合うには、一人ひとりが言葉遣いに気を付けることも大切なことです。言葉遣いが正しくなると、美しい心(よいことばづかい)がいっぱいになり、学校も美しい学校になると思います。
 美しい学校、みんなが仲のよい学校になったら本当に素晴らしいですね。 

 先月10日、○○県校長会の仕事で東京に行ってきました。その移動の際に、山手線の電車の吊り下げ広告に次の詩が載っていました。


「中傷された」
「蝶もキモイと陰口を」
「自分と同じ美しさを探し」
「君はひとり大人になればいい」
 このように難しい言葉が並びますし、この詩が解決になるとも思いません。泣き寝入りもいけません。しかし、「いじめられた側の子ども達」への強い助言にも感じます。

 ○○小学校は、この詩にある「自分と同じ美しさを一緒に探す」ことは当然ですが、あなたを「ひとり」で大人にもさせたくはありません。あなたの「悩みは必ず共有する。そして必ず解決する。」という意志も持っているつもりです。
 子ども達と先生方、そして保護者の三者の連携が一番大切です。何か気付いたらまず担任の先生へ。』

 この詩は、前の年の事案で学校がとった策に対する「エール」に私は思えてなりませんでした。この詩は、
・「いじめられた側の子ども達」への強い助言(にも感じます。)
・「ひとり」で大人にもさせたくはありません。
・「悩みは必ず共有する。そして必ず解決する。」と。
 私は、今でも「学校はいつも子ども達のためにある。」と思います。学校の仕事をやめて10年経ちますが、「子どもを守る気持ち」はいつも私の心の中にあります。
 〈追伸〉
 挿絵は、当時の学校だよりに載せた絵です。校庭の花をスケッチしたところ一緒にスケッチした「ミツバチ」が花に同化?してしまいました。そこが子どもにウケたらしく、自分は見えた見えなかったと一時期話題になりました。子どもは何気ないトリックが好きなんですね。
(令和5年11月26日))


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