勤務校での「茶道普及作戦」がじわじわと効果を上げている⁈

わたしの「茶道の普及作戦」について

誰に頼まれたわけでもないのですが、気まぐれな使命感のもと、地味でありながらしつこく(笑)行ってきた「茶道普及作戦」
最近、蒔いた種のうちのいくつかは芽を出してくれているのだなと思えることが増えてきて、何より心楽しい思いがします。

公立高校では同じ学校に12年も務めるのは長い方です。
そのなかで、最初の2年間を除く10年間、
自分も長く親しんでいる「裏千家茶道」の部活動顧問をやらせてもらっています。これは、たぶん教員人生のなかでは僥倖というべきことです。

★僥倖ポイント
1 文化部顧問は人気で、タイミングよくポストが空くとは限らない
2 勤務先の茶道部の流派と自分の流派が同じとは限らない
3 裏千家茶道講師の先生のお人柄が自分と合うとは限らない

そういうわけで、3つのポイントを最高レベルでクリアして、特に、3の師匠運は最強で、今に至ります。
部活指導はもちろん頼まれてやっていることですが、そこで趣味と実益が叶うというのは最高です。
自分の「茶道を知ってほしい!生徒に学ばせながら、できれば自分にとっても勉強になることや、素敵だと思えることを一緒にやっちゃいたい」ということで、イベントを企画しては部員を連れまわす(笑)ことをこれまで実行してきました。

普及作戦の実際

①顧問主導→部員主導の研修計画へ

コロナ前までは京都に一泊し、大学キャンパス見学(進路指導もかねて)や、市内の茶室巡り、老舗菓子店で和菓子作り体験、お家元の両千家の界隈をうろうろしたりなど、修学旅行よりも綿密な計画を顧問の私が旅行会社ばりに立てて生徒にぎっしり研修させていました。
また、日帰りの陶芸体験や美術館・博物館見学も私が行先を考え、貸し切りバスを手配し全員強制で体験研修。素直に従う部員というかたちでした。

まさに、主体的な顧問とやってもらって当たり前の従順な部員という感じの部活動でした。
しかし、近年はもっぱら生徒自身にプランを立ててもらい、わたしはサポート役に徹しています。

〇研修旅行企画の条件
・日帰り(春休み)
・茶道に関連した学びがある
・体験を6月にある文化祭の展示にに活かすことができる

部長を中心に2年生が様々なプランを持ち寄って1年生に提示し、意見を出し合って今年のプランがようやくかたちになってきました。

今年の研修テーマは

「愛知県西尾の抹茶を学ぶ」

今月末に部員とお邪魔します

20人以上いる部員をまとめて、旅行プランを作るのは大変だけど、よく頑張ってくれました。
その企画力とリーダーシップがが文化祭に活かされます。
顧問の私は生徒に言われるがままに、施設の予約をし、保護者宛文書を作り、引率教諭として生徒に引率されてきます。楽しみです。

普及作戦②

部員以外の高校生に茶道を知ってもらう

私はここ数年3年生を担当しているのですが、担当しているクラスの卒業前の最後の授業を、茶道の授業にしています。
「日本の文化と言えば茶道」と答える人が多いにも関わらず

茶道と華道の区別もつかない人が本当に多いのが現状

茶道は、ただ「抹茶を点てて飲む」というイメージだけで、精神性や芸術性道としての深さに、想像力が働く余地が全くないくらい、普通に日本に暮らしていて情報を得る機会がないのです。

普及作戦の当初は校内の和室に連れて行って茶道体験をしてもらう、ということをしていたのですが、手間もかかり、コロナ禍では飲食もできず…ということで
教室で「動画視聴」や「クイズ形式も交えつつのプレゼン」をするかたちに落ち着いてきました。
感染症対応も緩和した今年はクイズの勝利チームにはお茶を実際に点てて飲んでもらう経験もしてもらうことができました。

実は大学入試問題で茶道に関する文章が出題される

頻度って、まあまあ高くて、今年も「茶道の文章が出て、〇〇せんせー!って思って解いたよ!」という声をいただきました。

さらに、今年の静岡県公立高校入試の問題も利休と遠州が出てくる大名物茶入れ「雲山肩衝」の話でびっくり。
100.雲山という名物肩衝 : 茶書の森への旅 (exblog.jp)
そんな話に運命を左右されて入学してくる今年の中学生諸君。
茶道部入部期待してますよ(笑)

でも実際、「茶入れ」とは何たるか、ましてや「肩衝」がどんな形を表すかなど、映像イメージを持つことができる人が、解答している受験生はおろか、採点した県内の高校国語教員に何人いたことか。


コトバンクより

茶道界の重鎮のみなさんへ

青少年教育に、もっと営業かけてもいいのではないでしょうか(笑)
文化の継承と、海外への架け橋ということで人材育成にとても有効なコンテンツだと思います。

「普及作戦」が成果を上げていると実感する出来事

1 部活のOGが大学で茶道を続けていると報告してくれる
2 教科担当だった卒業生が大学で茶道を始めましたと教えてくれる
3 部活のOGがわたしの茶道の師匠のお稽古場にきてくれる
4 卒業生が、茶道の授業をやってくれてうれしかったと言ってくれる

もう完全に自己満足の世界ですが、そうであっても「普及作戦」を地道に行いたいと思わせる魅力が茶道にはあります、「伝えなければもったいない」と思わせるだけのコンテンツの価値、尽きせぬ魅力があるのです。

関係者の皆様方へ
是非一緒にがんばって茶道トークで盛り上がれるお仲間を増やしていきましょう!






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