〈正体〉🗝
職場を変えると精神的にも距離が出来た
偶然なのかエステ等メンテナンスの帰り道
表参道の休日の午後に気ままにふらふらしている時に、あっくんからメッセージが届く事が多かった。
あれだけ外食や旅行、映画等2人での外出を夢みていたのに、案外1人で美術館や家具、雑貨店をウロウロするのが解放的で良い。真冬に部屋で食べるソフトクリームみたいな喜びに似ていた自分のギャップが少しだけ豊かな気持ちになれる時間を創っていて、それはそれで楽しみだった。
新しい職場には2人の女性の上司がいて
以前は男性の上司2人だったので、これもいい意味で私には新しかった。
「病んでるとのめり込むのよ」
「のめり込むと病むよ」
卵か鶏、どちらが先かの論破好きにもなれない自分はーーーどっちもあるのでは?ーーー
という思いを心底に沈め、上司2人の会話を聞く日常に溶け込んで行けば、そのうち全てが腑に落ちるまでを知る事になるであろうと信じて疑わなかった。
願いは未来を変えていけるの?
信じたいものは何?、、
「彼はプレーボーイ、別れる。新しい職場も離れる」
占い師に出逢った夏は過ぎ、12月の丸の内で小籠包と大好きなタンカレーのジントニックを味わっていた。食後に珈琲を飲みながら窓の外を見ていると、ガラス越しに自分の携帯が光っているのが写る。
「僕はあなたが好きです。今月会えませんか?」
半年の間、彼と私が口にしなかった意味すら一瞬飛んでしまいそうな程、衝撃的なメッセージだった。
雨の夜の水たまりに反射した丸の内カラーのイルミネーションがキラキラと眩しくて、暫く瞼を閉じても光り輝いていた。
katz maneki🗝
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