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「Amazon Web Services企業導入ガイドブック」を読んだ

掲題の通りであるが、本の正式名称はもっと長く「Amazon Web Services企業導入ガイドブック -企業担当者が知っておくべきAWSサービスの全貌から、セキュリティ概要、システム設計、導入プロセス、運用まで-」という。

2016年の本で、企業がAWSを導入するにあたっての懸念点・考慮すべき点がまとめてある良書。

AWSがなぜできたか。という思想の話から、AWS各種サービスの概要紹介、セキュリティ、設計、導入・移行プロセス、運用監視まで幅広く扱っている。

AWSのサービスは3桁あるが、その中でも主要サービスに絞って解説がなされており、2016年時点ではあるが、2018年9月の今読んでも頭に入りやすい。

特徴的な点がセキュリティに多くのページを割いている。やはり企業がオンプレミスのインフラ環境をクラウドに移すとなるとセキュリティが最重要であり、また、AWSの設計思想としても非常に重要とされているからだろう。

企業の観点に特化している本であるため、お金や人的リソースなどのコスト面についてもかなりのページを割いている。TCO(総所有コスト)やROI(投資対効果)の話にも触れている。

また、設計や運用をどのような工程で行うべきか、PoCがいかに重要か、どのような試験を実施すべきかなどのアーキテクトやマネジメント層に向けた面も記載がされている。

技術書としての観点と、経営的な観点、どちらの点にも触れており大変勉強になる。ただし、どちらにおいても一般的な部分しかなく、具体的なアーキテクチャはどうなるんだという技術的に深堀するためには、本書のみでは賄いきれない。タイトルの通り、「企業にAWSを導入するためには、このようなAWSのサービスがあって、このように使えて、こんなメリットがある、こんな懸念点がある」を紹介する本である。

2018年現在では「移行」よりも「新規作成」の場面が増えていると思うが、この本を読んでおくと、設計時やクラウド環境での試験時における注意すべき観点など気づきが多く得られる良書である。

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