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小児B前駆細胞急性リンパ性白血病の治療経過

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B前駆細胞急性リンパ性白血病の小学生の闘病の見守り記録の中でも小児B前駆細胞急性リンパ性白血病の治療経過を時系列にまとめたものです。
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#15 維持療法8ヶ月目の話-春休みを満喫で心機一転

#15 維持療法8ヶ月目の話-春休みを満喫で心機一転

白血球の数をコントロールし、副作用で肝機能に影響を受けながらもかつての日常を取り戻しつつある息子、体調とメンタルは人並みより少し山あり谷ありですが、そんな生活にも慣れてはきた維持療法8ヶ月目の話です。

よし旅行に行こう!以前noteで書きましたが、

2月の終わり頃待ちに待った誕生日は微妙な反応だった息子、
家族としても嬉し悲しい気持ちで迎えさせてしまった、という負目があり、当初予定のなかった春

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#1 白血球(普通)リンパ(多)好中球(少)-診断が確定する前の話 その1-

#1 白血球(普通)リンパ(多)好中球(少)-診断が確定する前の話 その1-

息子は基本的に元気な方で、スポーツ系習い事や塾などやりたがり気質なところがあり、放課後や休日も予定が埋まってました。

2022年度思い出される体の不調については
 4月 コロナに罹患る
以外は夏までは概ね順調に過ごしていたんです
(炎天下に激しくスポーツをして熱中症気味になったりといった人並み程度の不調はありました。)

しかし、
 9月 微熱が出ることがある
 10月 足が痛いことがある

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#2 好中球減少入院とその後-診断が確定する前の話 その2-

#2 好中球減少入院とその後-診断が確定する前の話 その2-

 2022年11月24日、熱が下がって、痛みも引いてくるならだましだまし大丈夫だろう、とその後も学校は休み休み、スポーツ系はお休み、塾は、それでも歩いていかせたり、普通よりは控えめに過ごさせていたが、この日無理がたたり限界がきてしまいました。

 少し調子が良さそうだ、と、息子は久しぶりにクラブで校庭を走り、途中からは痛みに襲われ中断し見学してやりすごし何とか帰宅するも玄関で号泣。帰宅後しばらくし

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#3 人生初MRIと入院前夜-診断が確定する前の話 その3-

#3 人生初MRIと入院前夜-診断が確定する前の話 その3-

 2022年12月14日の午前中の外来の際、それまで外来通院で好中球減少の原因を探っていましたが、血液検査や状況判断では限界というその日午後緊急でMRIを撮ることになりました。

 小児でMRIを撮る、一定時間子どもが騒音の中おとなしく動かない、綺麗な画像を撮るってかなり難易度が高い作業です。
 何もかも嫌しか言わない息子が検査を了承するわけもなく、そもそも説得するところから時間がかかりました。M

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#4 骨髄検査と入院の始まり

#4 骨髄検査と入院の始まり

 2022年12月15日、子どもたちは学校に出ていくような時間に息子は病院に向かいます。

 紹介状の先は昔からある大きなこども病院。幸い過去にお世話になることはなく足を踏み入れたのはこの時が初めてでした。
 受付には朝からすでにたくさんの親子連れがいました。

 骨髄検査は入院先の病棟内する場所だったのですが、そこににいくために、更にコロナなどの検査をするところに通され、
 そこですでにしばらく

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#5 治療前検査から先行治療相ⅠPとPICC留置

#5 治療前検査から先行治療相ⅠPとPICC留置

2022年12月16日、入院2日目は検査三昧でした。

 心エコー
 心電図
 胸部CT
 頭部MRI
 腹部MRI

 息子はまずはイヤからのスタートでしたが徐々に看護師さんたちも慣れてきたようで、息子に合わせてくれスムーズに検査や処置を受けることも増えました。
 時間がかかることもありましたが何とか予定をこなす事ができました。

 長い入院生活の長いでときどき頑なに検査や移動や処置を嫌がること

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#6 寛解導入療法ⅠA2-初めての一時退院-

#6 寛解導入療法ⅠA2-初めての一時退院-

 2022年12月23日から引き続いて寛解導入療法がスタートしました。

 ステロイド剤であるプレドニンは引き続き日に3回点滴で繋ぎました。追加で週1のオンコビンが4回、ダウノマイシンが2回、3日おきロイナーゼが8回、髄注も2回しました。副作用の予防の点滴や服薬もありました。

 この時期、世の中は冬休みシーズンでした。

 クリスマスに正月、イベントごとが大好きな息子なので当初途方もなくがっかり

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#7 早期強化療法ⅠA-エンドキサン&キロサイドによる副作用の恐怖-

#7 早期強化療法ⅠA-エンドキサン&キロサイドによる副作用の恐怖-

 2023年1月20日から次の早期強化療法のために再入院し、期間中の誕生日に一時退院を希望していましたが、叶わずに病院で過ごし、次の一時退院は3月14日でした。

 治療としては、エンドキサンを点滴で最初と最後に計2回、キロサイドの点滴を3日あけて4日ずつ4回、粉薬ロイケリンを毎晩経口で28回投与、髄注2回行いました。

 治療開始直後から強い骨髄抑制がおこり、治療を続けるためにも骨髄の状態が回復

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#8 強化療法M2-メソ&髄注→一時退院の繰り返しの平和な日々-

#8 強化療法M2-メソ&髄注→一時退院の繰り返しの平和な日々-

 2023年3月20日、早期強化療法の一時退院して約1週間後、強化療法がスタートしました。

 治療開始時から入院ではなく、在宅で毎晩のロイケリンの経口1週間をして、その間に週に1回PICCのチェックと血液検査のため外来に行き、隔週日曜日に入院しにいって5日程度治療してまた一時退院というスケジュールを4回こなすものでした。

 治療としては、メソトレキセート(通称メソ)の点滴を4回、髄注4回、毎晩

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#9 再寛解導入療法ⅡA-副作用の恐怖再び デカドロン&アドリアシンによる-

#9 再寛解導入療法ⅡA-副作用の恐怖再び デカドロン&アドリアシンによる-

 2023年5月29日から自宅にて再寛解導入療法その1がスタートしました。
 1週間、毎日ステロイドのデカドロンを経口投与しました。

 この頃にはすっかり病院や治療に慣れていて、先々の抗がん剤やステロイドの副作用を心配し、備えて構えるようになっていました。
 体も心もようやく少し元気になってきたのに悪名高いデカドロンのせいでメンタルが先に崩れ始めました。

 不安を抱えながら2023年6月4日か

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#10 再寛解導入療法ⅡB-苦手なエンドキサン&キロサイドと個室経験→本退院-

#10 再寛解導入療法ⅡB-苦手なエンドキサン&キロサイドと個室経験→本退院-

 2023年7月19日から長期入院が必要になる予定の上では最後の治療です。前日の7月18日に入院し、エンドキサンの副作用に備え夜から点滴開始しました。

 本退院まで後わずかというところと、薬が入るのが2週間程度であったこと、前回の長い入院から間があいていなかったところがあり気持ちの面では割合落ちついていました。

 院内学級は早々に夏休み期間でお休み、そして本退院後復学になるので、復学支援会議の

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#11 維持療法-本退院2ヶ月間の様子-

#11 維持療法-本退院2ヶ月間の様子-

本退院後の様子

 2023年8月24日に髄注を終え維持療法スタート&本退院しましたが、
 息子にとっては治療の強度は下がっても、治療しながら病気じゃないことが普通の世界に戻るのは大変です。

 楽しみにしていたお寿司やローストビーフも、早速食べたものの、美味しく感じなかったり、

 体の筋力さえ戻ればどんどん自由に動けるようになるかと思いきや、外出にはインフルやコロナなど感染症の恐怖がつきまとっ

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#12 維持療法3ヶ月目の話-もうちょっと待ってて!-

#12 維持療法3ヶ月目の話-もうちょっと待ってて!-

 維持療法が始まり3ヶ月が経ちました。
 引き続き息子は自分の体の中にいるんだかいないんだかわからないけど闘わなければいけない病気と闘ってます。

 先日、今休部中の所属チームの学年違いのチームメンバーから、「いつ一緒にできるの?」と言われてしまいました。息子はだんまりだったので、私が「まだ走れないんだ。もうちょっと待ってて!」と答えました。

 本退院から3ヶ月が経った今はまさにもうちょっと待っ

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#13 維持療法4カ月目の話-何とかなってきた-

#13 維持療法4カ月目の話-何とかなってきた-

はじめに8月24日の本退院の前の日から始まった維持療法4ヶ月目の話です。

3ヶ月目の話を読み返して、その差を驚くほど息子どうにかなってきたと感じる4ヶ月目でした。

休日は家族でアウトレットに行って休み休み歩いて回ったり、
父親と一緒に生まれて初めてバッティングセンターに行ったり、
と、体調が良い日も多く、気をつけながらも普通の日を過ごせていました。

学校生活の話血液検査の結果で白血球数に不安

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