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おまかせ全部レビュー #みこ寿司

 最近では親方とオーナーの異なる寿司屋が増えてきました。こちらもそのうちの1つ。CXOバンクというIT企業のCEOが"趣味で"始めたという完全予約制・住所非公開のお店です。これからも新橋を中心に出店計画をしているそうで、つい先日にも「みこ酒場」をオープンさせ、今最も勢いのあるお店と言えるでしょう。幸運なことにオーナーの中村さんとご一緒することができ、貴重な話を伺いました

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 冒頭にも述べた通り中村さんには本業があり、"趣味で"やっていると本人も仰っていました。とは言え運営には筋の通った哲学があり、独学で握り方も習得したという入れ込みよう。元々寿司が好きで5000円以下で美味しい寿司屋を食べ歩いていた彼は、いつしか家族連れや女性が気軽に利用できるお店を構想していたと言います。ただ好きな気持ちだけで運営するのは難しく、そんな熱意を支えたのが商社での経験。鮮魚を担当していた時に魚の目利きを習得し、今では中村さん自らが仕入れを担当しています

 そんなお店のこだわりは220∼880円で食べられるリーズナブルでしっかり美味しい握りの数々。仕入れ先の仲卸を聞くと、価格帯的に有名どころは使えませんが、筋の通ったこだわりを持っているように感じました。この店の広告塔は雲丹の食べ比べ。価格高騰にも関わらず、客の喜ぶサービスを続けていました。ちなみにみこ寿司の「みこ」はオープン当初の板前さんの名前から取っていて、ひらがなと響きの柔らかさがお店のコンセプトに合っているとして決めたそうです。

 オープンしたばかりで握り手が定まっていないようですが、今回は海外経験(マレーシア?)での経験をお持ちの板前さんでした。海外ではコミュニケーションスキルが重要視されるのか、若手らしいカジュアルな客あしらいが印象的で、終始場を盛り上げていました。以下に出していただいたものを紹介します。

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①袖烏賊:障泥烏賊系のねっとりした食感が魅力的。食用最大級の烏賊なので食べ応えはありますが、食感がうまくコントロールされていて美味しかったです。

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②真鯛:皮目を炙っているので香ばしく、脂がにじみ出ていました。

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③鰤:しっとり柔らかく、切り付けが大きいので満足感が高かったです。

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④富士の介サーモン:キングサーモンを鱒と掛け合わせた珍しい品種で、さっぱりとした味わい。脂が乗っていないのではなく、爽やかな"サーモンの赤身"をいただいている感覚になります。

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⑤鰹:春なので脂が少ない分、「血の味」を感じやすい個体でした。

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⑥赤身:濃い紅色が本鮪の魅力を前面に出していました。期待通りの香りで、赤身らしい赤身を感じられました。包丁をたくさん入れているのでしょうか。理由が気になりました。

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⑦中トロ:鮪は山治(やまはる)さんから仕入れているそう。鮪専門ではない仲卸さんから買う理由が気になりますが、しっかり美味しいです。

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⑧鯵:上にはあたり葱、シャリとネタの間には大葉?が忍ばせてあり、青魚と緑の爽やかさが感じられる一貫でした。

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⑨〆鯖:おだやかな〆加減が鯖の脂と相まってまろやかな印象でした。

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⑩帆立:北海道産で粒の大きな個体でした。

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⑪赤貝:身は小さいですが、甘みはしっかり感じられました。

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⑫北寄貝:直前に炙ってあります。

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⑬白海老:ひやっとした温度帯で、昆布締めもしていないか弱く、フレッシュな印象を与える出し方でした。

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⑭才巻海老:車海老よりワンサイズ小さいものを巻海老と呼び、更にワンサイズ小さいものを才巻海老と呼びますが、このサイズは初めて食べました。別の記事でも書きましたが、最近の巨大車海老よりも、シャリとのバランス感を考慮した小さめのものが好みです。

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⑮雲丹:みこ寿司の広告塔にもなっている雲丹。本日は養殖馬糞雲丹(左)、天然紫雲丹(中央)、天然馬糞雲丹(右)を食べ比べました。もともと味が濃く分かりやすい馬糞雲丹ですが、今回は養殖の方が分かりやすく甘かった印象が残っています。

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⑯穴子:身は薄いながらも表面を炙ることで香りの個性を纏い、終盤の強いネタにも負けない工夫がされていました。

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⑰いくら:この時期なのでもちろん冷凍ですが美味しいです。

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⑱とろたく 太巻き:ただのとろたくではありません。雲丹を混ぜ込み、上にはいくらを乗せることで華やかさが最高潮に上りました。余談ですが、鮨浩也(浜松町)のとろたくも雲丹を混ぜ込んでいるのですが、これが絶品です。

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⑲納豆 手巻き:家族連れにも来てほしいというコンセプトのお店らしく、納豆巻が出てきました。粒が大きく、シャリの酸とも調和する味でした。

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⑳干瓢 細巻き:山葵の爽快な辛みと干瓢の甘さ。王道の安心できる味です。ご馳走様でした!

link here ☞ みこ寿司

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オーナーの中村さんのnoteページ↓

雲丹へのこだわり↓



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