美味しいおうどんが作れるのに、どうして結婚できないのだろう。
同棲生活、3年目。
周りにはいつ結婚するの?と聞かれるが、それは私たちにも分からない。
というかむしろ、それが普通なのかも分からない。
先週末、夜ごはんを作るのが面倒で近所にある中華やさんの出前を頼んだ。
特別美味しくはないし、普段その店にも行かないのだが、
遅くまでやっているし配送料は無料なのでたまに宅配してもらうのだ。
良い具合にボリュームがあるおかげで、
八宝菜とエビチリの二品しか頼んでいなかったのに満腹になった。
八宝菜はほんの少し残ってしまったので、小皿にどけておいた。
そして翌日。
さてお昼ご飯を食べようと冷蔵庫を開けた。
中には、中途半端に余ったおいなりさんと、八宝菜。
そういえば1玉だけ冷凍うどんも残ってたっけ。
私はちゃちゃっとおつゆを作り、具沢山のおうどんをこしらえた。
カツオ出汁の効いた甘めの味付けで、
さらにじゅわっとおいなりさんのあまさが染み出し、
最高のお昼になった。
こんなに美味しいおひるごはんを、
冷蔵庫にあるもので、ちゃちゃっと作れるのに、
たった3分でごくごく平凡な日々を幸せにできるのに、
なぜ私は結婚できないのだろうか。
私だったら土下座してでも捕まえるよ、私みたいな女。
自立してて、親友みたいに一緒にはしゃげて、たまに面倒で、
でもこんなふうに温かい幸せをくれる女。
うーん、でもちょっと待ってよ。
だから、私は、結婚しないのだろうか。
なんてくだらない考えを湯気と共に燻らせ、
あつあつのお出汁と一緒に飲み込んだ。
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