鹿島 晋

「ドラッカーの窓から明日を観る」をテーマに、これからの社会、組織、働き方に関することを…

鹿島 晋

「ドラッカーの窓から明日を観る」をテーマに、これからの社会、組織、働き方に関することを書いてみようと思います。本業はマネジメントの専門家・経営コンサルタントです。 https://www.youtube.com/channel/UCaU_o3G_tnp33bALp0r959A

最近の記事

イーロン・マスクの在宅勤務批判と、働き方が多用化する時代のマネジメント

イーロン・マスクが、在宅勤務を「道徳的に間違っている」と批判したと言う。個人的には彼の道徳観念が一般的だとはあまり思えないが、コロナ禍で広がった在宅勤務という働き方に対して、経営者やリーダー層が感じている課題意識を端的に示すものだと感じながら、その記事を読んでいた。 動き始めてしまった時代の流れを逆流させることに成功した人間は、これまで歴史上ひとりもいない。 「仕事は職場でするもの」というかつての常識は、すでに過去のものになりつつある。先日の記事でも書いた通り、日本では新

    • 専制主義国家が暴走し始めた背景を、ドラッカーのフレームから読み解く

      ロシアがウクライナを侵略して15か月以上が経った。絶対に起こるはずがないと思っていた事が起こると、人はその理由を探したくなるものだ。 トゥキュディデスの罠や、地政学など、さまざまな角度から論評する方はいるが、ドラッカーのフレームから現在目の前で起こっている社会構造の変化について書いている記事はあまり目にしないので、今日はそんなテーマで書いてみようと思う。 歴史の「継続」と「断絶」 一般に「マネジメントの父」と記憶されることの多いドラッカーだが、ご本人は生前自らを「社会生

      • コロナ禍が終わった日なので、経営に関する「新しい現実」を見つめ直してみる

        この世界は、人々の認識にが生み出すパラダイムによって形作られている。後々振り返ったとき、今日という日はそんな認識の変化の起点となる1日になるだろう。 ようやく2020年から3年以上続いたコロナ禍が終わった。 もちろん、ウイルスが無くなった訳じゃない。 けれども、3年前には未知のウイルスだったものが既知のウイルスとなり、法律上の定義が変更され、これからマスクをする人は徐々に減ってゆき、やがて時と共に過去の記憶となる。 そんなタイミングの今日だからこそ、コロナ禍を経て起こっ

        • 最低賃金上昇から見える「すでに起こった日本の未来」

          つい先日、ふと近所のコンビニの入り口に貼ってある求人ポスターに目を遣ると、アルバイト募集の時給が1,200円を超えていることに気が付いた。 我が家は横浜の片田舎、「じゃない方の横浜(笑)」なんて呼ばれている地域にある。窓からはウグイスの鳴き声が聞こえ、近所を歩けば野生のリスに遭遇し、少し歩けばホタルが生息する小川があるような場所。そんな地域でも、アルバイトの時給は結構上がってるんだな~と、改めて感じた訳だ。 ちなみに私が高校生の頃は、コンビニの時給は680円スタートくらい

        イーロン・マスクの在宅勤務批判と、働き方が多用化する時代のマネジメント

        • 専制主義国家が暴走し始めた背景を、ドラッカーのフレームから読み解く

        • コロナ禍が終わった日なので、経営に関する「新しい現実」を見つめ直してみる

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          マネジメントとは何なのか? 1万時間かけた現時点の答えを書いてみる

          以前も書いた通り、ドラッカーのマネジメントを学び始めて12年になる。2013年にその道のプロフェッショナルになることを決意し、それから9年の月日をかけて学びと実践に時間を投下し続け、昨年ようやく1万時間を突破した。 これだけの時間を投下して分かったことは、マネジメントは理解の対象ではないという事だ。「あれをすれば、こうなる」のような、単純明快な話ではない。もちろん一つ一つの要素を学び身につけることによってマネジメントの質が高まることは言うまでもないが、そもそも「理解」という

          マネジメントとは何なのか? 1万時間かけた現時点の答えを書いてみる

          マネジャー(管理職)2026年問題

          前回の記事で、共創が生まれる条件の1つとして「実現したいことが明確であること」を挙げた。つまり"共通の目的"が明確であるとき、知識の結合が起こるということだ。 この"共通の目的"の種を見つけるべく、先月から運営をはじめたバーチャル・コワーキング・ビレッジで「それぞれの専門領域から見た、新しい種類の社会課題は何か」を収集し、それを研究会として学びの機会とすることにした。 ドラッカーは、未来を予期することはできないが「新しい現実」「すでに起こった未来」を体系的に観察することで

          マネジャー(管理職)2026年問題

          “メタバース空間で働く”を始めてみた

          近ごろ「メタバースの終わり」的な記事を目にすることが増えた。メタバース万能論者たちが起こるはずもない未来を熱く語る狂信的なブームが過ぎ去ったので、逆に今がちょうど良いタイミングかな?と思い、先月からメタバース空間上で「完全紹介制のバーチャル・コワーキング・スペース」を始めてみた。 テクノロジーが好きな人は派手な”3Dメタバース空間”を好むけど、そもそも仕事をするのに派手な3Dは必要ない。「会議室にたどりつけずに〇名遭難した…」みたいな話さえ聞く。そんな場所で仕事をできるはず

          “メタバース空間で働く”を始めてみた

          古典に学ぶ意味 (自己紹介を兼ねて)

          「制限をはずして何かを書いてみたい」 ふと、そんな考えが浮かんでnoteに登録してみた。 かれこれ12年ほど、P.F.ドラッカーの著作から学んでいる。いつしか読書会ファシリテーターとしての活動は400回近くを数えるまでになり、講師として、経営コンサルタントとして、マネジメントを伝える立場になった。 専門家になってしまうと、自分にとっては普通の話が、相手の理解を簡単に超えていく。相手が理解できるよう、できるだけ簡単に、平易な言葉で、わかりやすくを心がけているうちに、気がつい

          古典に学ぶ意味 (自己紹介を兼ねて)