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プレゼントの記憶

任天堂の株価が好調である。連日の年初来高値を更新しているようである。「巣ごもり需要」と「クリスマスプレゼント」が抜群のタイミングでマッチングし、もはや敵なし状態である。ゲーム関連銘柄の中でも、任天堂はこのまま突き抜けるだろう。100株くらいクリスマスプレゼントで届かないだろうか。もはや、一般人の手の届かないところまで行ってしまった。

任天堂といえば、小学生の時にニンテンドー64を買ってもらい、パワプロ(野球ゲーム)のサクセスを毎朝5時に起きてやっていた。なぜ、そこまで熱中したかは覚えていないが、何十人もプロ選手を輩出した。何かやりたいことが見つかると、早起き出来るのは昔から変わっていないようだ。そのエネルギーを何か他のことに使えば、今頃、任天堂の株主になれてたかもしれない。

任天堂の株価を見ていたら、急にクリスマスプレゼントの思い出が蘇ってきた。クリスマスプレゼントは、小学校6年生まで毎年貰っていたが、あまりいい記憶はない。貰っている身分で言えるようなことではないが、本当に欲しいものが貰えたかといえば、そうではなかった気がする。これは、金銭的な問題ではなく、私の性格の問題だ。ポケモンが流行っていたころ、グリーンをサンタにお願いしたことがある。すでにレッドを持っていたにも関わらずである。プレゼントが届いた当日、内容が全く同じということに気が付いて、ポケモンを選ぶ段階で辞めた記憶がある。両親はなぜ息子がゲームで遊ばないのか、不思議そうな顔をしていた。

我が家のクリスマスルールは、冷蔵庫のメモ用紙に欲しいものを記入することになっていた。記入したものは確実に貰えていたことを考えると、実に恵まれた環境だった。文句を言える立場ではないことは分かっている。しかし、プレゼントにいい記憶はない。これは、私に原因がある。

好奇心に負けてしまった。

12月に入るか入らないかくらいのタイミングで、冷蔵庫にメモ帳が張り出される。そのメモ帳に記入すると、欲しいものが25日の朝に届くという仕組みだった。小学校3年生か4年生のどちらかは忘れたが、クリスマスプレゼントの仕組みについて、小さな疑問を抱いてしまった。それは「メモ帳に記入しなかった場合、何が届くのか?」という少し大人を挑発するような疑問だった。検証してみたかった。欲しいものが手に入らなくなるかもしれないし、何も届かないかもしれなかったが、どうしても検証してみたかった。少年の好奇心は、1年に2回訪れるビッグチャンスを犠牲にしたのである。

欲しいものは伝えようと心に誓った。

25日の朝、ドキドキしながら枕元をみた。何が届くのか?もしかしたら何も届かないかもしれないという不安もあった。しかし、その不安はすぐになくなった。枕元には何かがあることが確認できた。恐る恐る枕元を見てみると、そこには赤い大きな靴下が置いてあった。「靴下か、、(そうきたか、、、、)」クリスマスシーズンになるとスーパーのワゴンケースの中に量産するあいつだった。枕元に置いてある赤い靴下が、一瞬でお菓子の詰め合わせということが分かった。欲しいものが貰えて喜んでいる兄の横で、どんな顔をしていいか分からず、赤い靴下の中からお菓子を出して、黙って食べた。お菓子を食べながら、大人には逆らわないことにしようと決めた。そして、欲しいものはしっかり伝えようと心に誓ったのである。その教訓は今でも続いている。

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