プレゼント交換の後悔
後悔にも色々あると思うが、人を傷つけてしまった後悔というのが最も重く罪悪感も強いように思う。
小学生の頃の話になるが、ある年の12月、
クリスマスのお楽しみ会でプレゼント交換が行われることとなっていた。
最初に言っておくと、どんなメンバーの集まりで自分が何を用意したのかはあまり覚えていない。
そんな重要な部分がスッポリ抜け落ちていても、鮮明に記憶している一場面があった。
パーティーも終わりに差し掛かった頃、
いよいよ最後の催しにしてメインの企画、プレゼント交換が始まった。
自分も用意したプレゼント(覚えてないけど)を手に、30人ほどの大きな輪に加わる。
音楽が鳴ったと同時に全員が時計回り、すなわち1つ左隣の人にプレゼントを渡していく。
値段の上限が決められていたかは定かじゃないが、小学生が用意する物である。
さほど高価なプレゼントはなかった。
それでも、誰かのプレゼントを受け取るという行為自体が楽しいのだ。
どんどんプレゼントが回っていき、自分のプレゼントが遥か彼方に旅立って行った頃、音楽が止まった。
そのタイミングで自分が手にしていたプレゼントのラッピングを開けてみると
そこから出てきたのは
顔がくり抜かれたレンガの雑貨だった。
今にして思えばなかなか可愛くてプレゼントのチョイスとしては悪くないと思う。
インテリアのオーナメントなのかな?
オシャレな置き物だ。
だがこの時の自分はこういった雑貨の良さが分からなかったことに加え、
可愛い物を貰ってしまった恥ずかしさもあり、
「えーーー!!
何これ!いらないこんなの!!!」
と、大きな声で叫んでしまった。
プレゼント交換の直後は、自分が選んだ物が誰に渡ったのか気になるものだ。
30人もいたとはいえ、その送り主はきっとこちらを見ていたはずである。
そんな相手の気持ちも考えず、それどころか、相手が傷つくと分かっていながら大人気ないことをしてしまった。
叫んだ後も、「こんなんレンガくり抜いただけじゃん」とか散々喚いていた気がする。
彼女(センスからしてきっと女の子だと思う)はどれだけ悲しい気持ちになっただろう。
おそらく真心込めて選んでくれたプレゼントを、喜ばれると信じてワクワクしていたその子の心を、自分はいたずらに踏みにじってしまったのだ。
結局、レンガの送り主は分からない。
また、悪態をつくのに必死で自分のプレゼントが誰に渡ったのかも覚えていない。
しかし、小学時分のこととはいえ、あのとき心を傷つけてしまった軽率な行動を本人に会えたら謝りたいと今でも思っている。
そして伝えたい。
「あのプレゼント、とっても可愛くて素敵だったよ」と。
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