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#257 クソリプ

その昔、
「この人 間違ってんなー」とか思うと伝えてあげなくては!という感情が働いて「それはですね・・・」と積極的に語り掛けることが多かった。

これは紛れもない正義感なのであって、なので僕はどちらかというとよくしゃべる方の人と認知されていて、一部の人からは大変頼りにされていた。と思っている。


しかし、
年齢のせいなのか、最近この行為がとても面倒になってきて。



以前であれば伝えなくては!と思っていた場面であっても、まぁこの人は自分とは関係ないしと妙にドライになって、結局そのまま何も言わずにやり過ごすことが増えた。

その後、その人がどうなったかは知る由もない。

この面倒くさがっている自分をとっても薄情だなと思う一方で、
自分の人生にとっては何の影響もないよな、という当たり前を実感したりして昔はなんであんなに一生懸命できたんだろうと不思議に思ったりする。

それどころか、
「なんでダメなのかな・・・」などと悩んでいる人がいれば以前は「きっとこういうことなんじゃないかな、」と切り出して、実にロジカルにその人の悩みをズバリ解説したりしてたんだけど、
今となってはそれすら面倒くさくなり、「そんなことないよ。全然いいじゃん」と、たった一言でその場をやり過ごすこともある。


果たしてこんな軽薄でいいのだろうか、
と個人的には軽く悩んだ時期もあるがどうにもこうにも他人の事に一生懸命になるエネルギーなどすっかり無くなっており、気づけば飲みの場でもあまりしゃべらなくなっていた。

僕はもっともっと自分の幸せに集中することにして、
周囲に目を光らせるぐらいなら自分自身と向き合った方がよっぽど気楽だし有益だな、と思うようになった。


果たしてこれは薄情なのか、正義感の衰えなのか。



「そんなことないよ。全然いいじゃん」
とだけ言ってその場をやり過ごしたとき、その人は僕の不親切を恨んだかと言えば、いやむしろどこか救われたような顔をした。

他人との距離感なんて、そんなものかもしれない。







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