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#064 「魔法のコンパス」を、今さら拝読。

2016年に出版された、キングコング西野さんの「魔法のコンパス」今さら拝読いたしました。


芸人時代の西野さんは知ってはいたものの、活動の場を移されてからの記事などは基本的にスルー、いわゆる食わず嫌いなところがありまして・・・

近畿大学がKINKIの英語訳に四苦八苦しながら他の私大と一線を画そうとあれやこれや取り組んでいるのに注目していたところ、あの「西野さんの近大スピーチ」を目にしました。

youtubeで15分ぐらいでしょうか。飛ばすつもりでしたが結局は最後まで見てしまいました。

ご本人は「何も考えてきていない」と言ってましたが奇麗に構成されており、「嘘つけ!」というこちら側の突っ込みさえ計算され尽くしている感じ。

これを機に本でも読んでみようと。まずは代表作の「魔法のコンパス」から。



■西野さんは、吉田松陰 的な

少し突飛かもしれませんが、ファーストインプレッションはこれでした。

吉田松陰とは、今でこそ江戸末期の偉人ですが思想と行動力が(当時の予定調和から見ると)少しぶっ飛んでいますから、近しい人たちからは変わり者。と思われていたのではないかと思います。


浦賀にペリーが来て、いてもたってもいられず、下田からこっそりと黒船に接触します。当然これは重罪で、松蔭は自ら「さーせん」と名乗り出て自首し、島根(長州)に強制送還。そこから長らく牢屋に入れられます。

ようやく出所して始めたのが松下村塾。そこで懲りずに開国のあれこれを説くのですが、やはり幕府から目を付けられ安政の大獄でいよいよ死罪に。

変わり者の波乱の人生ですが、その功績は高杉晋作、伊藤博文らによって後に日の目を見て、時代がついてきた現在では評価を受けています。


西野さんの論調は世の中の真理をとらえ、ロジカルに腹落ちできるものが多い。しかし全く持って正しいがゆえ、それが現時点の予定調和(正論)から外れた途端、批判の餌食になる。

変わった人だ。と。



■「信頼の面積」から見るクラファンの可能性

今(2021年)でこそ、コロナの影響もあり多くの人がクラウドファンディングをしています。

それを仕切る会社が手数料で儲けるまで来たので、世の中への認知度はすでに平均を超えたでしょう。

これを4年前に提唱しているのがこの本。この辺も松陰的、と思うのですが当時、”クラファン”といってもホントにそんなお金集まるの?というのが(個人的には)率直な感覚でした。

その頃からすでに成功例はありましたが、どれだけ素晴らしい企画書を用意する必要があるんだと、そんな感じで眉唾だったのを覚えています。


これに対し、金は信用の範囲 と定義することで、少し謎が解けた気がします。
投資対効果を常に求められ、そもそもぶっ飛んだ考えなんだから回収目途なんてあるわけないのに・・・とぼやく企業人の感覚があったのでクラファンに対して懐疑的だったのだと思います。


整った企画書よりも、信用とワクワク感があれば金は集まる。4,5年前からここに確信を得ていたことには脱帽です。



■結局タモさんが凄い

本の中でたびたび出てくるタモリさん。

能ある鷹は爪を隠すというか、テレビで偉そうに語らないところがまた凄いですよね。
その辺のエピソードが垣間見れたのは面白かったです。


LOVE&PEACEと言うけど、LOVEさえなければPEACEなんだよ。

納得。



■「PDCA」とはこういう事

ビジネス書に登場しすぎて廃れた言葉。
ほとんどの人が意味を知っていると思いますが、正しいサイクルの姿を知っている人はどのくらいいるのだろうか、と。


西野さんの凄いところは

P(仮説)が強くて、DCAが圧倒的に早いこと。


PDCAってこういうのを言うんだよ。と頭からガツンと説教された感じ。


Pが強いほど夢は広がる。ただ”Pが強い”とは、これまでの常識から外れること、つまり常識(正論)から批判されること。


まさしく、吉田松陰 的な。




**本日も、最後までお読みいただきありがとうございました!**


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