それはね、いつか見つけるの
最近、歌う夢をよく見る。
セーラー服に袖を通し、地元の文化ホールで歌う夢。
卒団して、もう8年近く経つのに。
人生で一番長く続けてきたことは、歌うこと。
小学校2年生から高校を卒業するまでの10年間、歌うことだけはずっと続けてきた。
これだけは「楽しみながら続けてこれた」と自信をもって言える。
楽しくて一生懸命だった。わたしの原点とも言える、合唱団。
わたしにとって合唱団は元気がもらえる場所でとっても心地がよかった。
きっと、信頼できる大好きな先生と憧れの先輩団員。そして、一緒に頑張ってきた団員たちがいたから。この存在が一番大きい。
そして、わたしは歌うことがほんとうに大好きだった。
歌はいろんな曲があって、わたしが感じたことがない感情が知れる。そして、それを自分なりに解釈して歌に込めることができる。
クラシックのちょっと背伸びした歌詞や昔から大切に歌い継がれている童謡。歌にたくさんの感情を乗せることが楽しかった。全身で歌を楽しんでいた。このときから、表現することが好きだった。
私たちが出すひとつひとつの音や言葉を丁寧に紡ぐ先生の指揮も大好きだった。
わたしたちのために作曲家の中村匡宏さんが作詞作曲してくださったこの曲が、卒団した今でもわたしの中にずっと残っている。
いつかこの記憶も思い出すことが少なくって、忘れてしまうことがあるのかもしれない。でも、あのときのわたしは、「今」をなくしたくなくて、忘れたくなくて、歌い続けていた。
あのときと同じように、わたしは「今」を見つけるために、なくさないために、忘れないために言葉を紡いでいるんだと思う。
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