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北米EV予報、日系は存在感なし。笑えないよ…

はじめに

 懐かしのBank of AmericaMLによる業界レポートであります。今回は北米のEV想定に関するレポートで毎年恒例の[Car Wars]。北米EV市場は今後4年でFord/GM/Stellantisが最もシェアを獲得すると結論付けています。
 一方の日系メーカーはハイブリッド重視の姿勢から下位にランクしており、存在感皆無。米国贔屓ってのもあろうけど、現実的に外部からこう見られてるってのは認識しないと。

サマリ

 レポート内容をサマルと下記2点ですが、これまたなんとも。
 (1)EVに対する北米の環境は各社によるラインナップ拡大/販促施策の強化/EVチャージャーNWの整備が環境激変ファクターに
 (2)Ford/GM/Stellantisの3社がシェア拡大する可能性が高い。電動化が圧倒的に遅れている日系メーカーはシェアを食われる状態になる

1;北米市場について

1-A;概観

 EV普及が進む中、今後4年の製品戦略は”これまでで最も不確実/不安定”になる可能性がある。
 特に内燃機関の時代は急速にしぼみ、インフレ抑制法/消費者マインドの変化でEV化は急激に進み、2026年にEVの新車販売に占める割合は26%へ。具体亭には2027年までの製品ラインナップは[EV=46%][ガソ車=35%][HV車=18%]となる想定。ちなみに直近FY23/1Qの米国EV販売シェアは7%を超過した。

1-B;詳細

 北米市場は成長期から安定期に入るが、Teslaが切り開いた市場を既存大手完成車メーカーが取りに行く構造になり、EV普及が促進される。
 そんな中でTeslaは成長市場での支配的な立ち位置は終わるが重要な存在であり続ける。レポートでは生産能力等の観点でTeslaの市場シェアは78%(ピーク;2018)から18%まで低下(2026年)する想定。
 2026年における他社は[GM/Ford;計14%][Stellantis;8%]と予測。一方の日系各社は[トヨタ:5%][ホンダ4%][日産3%]と予測されている。

2;各社の戦略

2-A;GM

 FY23/1QにEV販売台数が2万台を越え、ブランドもChevroleから[Blazer][ Equinox][ Silverado]等のEVブランドの大量投入を行い、ブレイクアウトすると予想される
 2025年までにEV生産能力は100万台/年の体制が整備される想定で、ラインナップとしても、Cadillac;8/9のデビューに先立ってEscalade-EVなど複数のEVモデルを上市する予定。特にGMC/Buickでは独自のEVモデル(中国向けに販売したSUV[E4]同様のもの)を投入する予定。

2-B;Stellantis

 北米市場進出は出遅れていたが、GMとほぼ同数のEVモデル投入で追いつく計画。2030年までにEVモデルを75車種発売し、販売台数500万台を目指すとのこと。
 具体的には[RAM;F-150Lightning(Ford)に対抗するため、初の電動PUT;[RAM 1500 REV]を発売する予定を公表済み。また、Jeepでも米国初のEVであるRecon/ Wagoneer Sを今年後半に発売予定。

2-C;Ford

 F-150Lightning/Mustang-MachE/EV-Explorerなど、少数の大量生産モデルに集中する点で他社と異なる。
 22/04に会社分割し、EV専業;Ford-e/ISV専業;Ford-Blueに。Blueで稼いだ資源をeに投下する姿勢を明確に示している。

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