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国際物流/SCMとBlockchain

 素人考えかもしれませんが、Supply-Chain-ManagementとBlockchain(BC)について考察してみました。BCを活用したサプライチェーン(SC)では、取引記録と全体の流れがデジタル化された分散台帳にリアルタイムに更新され、SC-NW内の全関係者に瞬時に共有される点にメリットがあると考えます。
また、BC技術の革新性は利便性にあり、時間/労力の節約(ひいてはコスト削減)が可能となる技術と捉えるのが正なんだろうなあと。

下記、[1;メリット]「2:システム導入」について考察してみますた。
[1;メリット]
<1-A;調達プロセスの透明性>
・SCでは多くの関係者が存在し、取引手続きも煩雑なため全体での総仕入れ量や条件を把握することが困難に。
・BC活用で関係者間での取引/資金データがデジタル化された分散台帳へ瞬時に取り込まれて、継続的にデータ更新されるため、ヒト/モノ/カネ/情報のモニタリングが可能に。また、取引データの閲覧権限は管理可能
・BC活用しない現状では監査邦人や監査部が取引監査(注文記録/実物検査など)を行うことで公正取引を担保するため、監査コストが不要となり、かつSC上の無駄も削減可能

<1-B;データ分析に使用する元データの正確性/信頼性>
(データ分析)
・SCMの根底は「在庫/需要の適正把握と、需要に対する柔軟対応」にあり、如何に在庫を管理できるかによるところ、海外のICT業界では100USDの在庫維持には年間20-40USD掛かるとされる。
・BC活用で、在庫/需要情報をSC全般にわたってトラッキング/管理することが可能で、ひいては必要在庫数を抑制しつつサービスレベルを維持して予測精度を高めることが可能になる。
(契約/支払のデジタル化)
・2018年@日本の売掛金平均回収期間は44日で、役務完了/納品から実際の支払受取までにかかる日数を示す。多くの契約書には「製品を受領した時、あるいは30日以内に支払を完了すること」とあるがそれより平均が長いのは支払窓口がデジタル化されていないことに起因すると思われます。
・決済完了後に請求書をメールで受け取った取引先は、その請求書の内容を手作業で入力し、その後、支払いのタイミングや方法を決めるなどの煩雑な業務が発生…
・BC活用、特にスマートコントラクトの活用が有効。納品/支払に関する取り決めをデジタル形式の契約書に明記し、SC関係企業(SC外の物流業者や銀行も含む)で共有することで「条件発生/取引内容執行/支払い執行」が自動執行される。
・取引先/サプライヤーのアナログギャップは解消され、運転資本の改善と経理業務の簡素化が期待される
<1-C;全プレーヤー間の信頼の向上>
(不正行為への抑制)
BC活用したSC-NWでは各関係者が統一台帳のコピーを有し、当該台帳には全取引記録と全体業務フローが記録されている。
そのため、不正行為/改ざん/不正アクセスを試みる関係者がいた場合には、SC関係者全体で監視できることから不正防止の大きな効果が期待される

[2:システム導入] 
 既存のSCインフラにBCを導入するメリットは上記の通りで、「調達プロセスの透明性」「データ分析に使用する元データの正確性/信頼性」「全プレーヤー間の信頼の向上」の3つが大きくあるが、実際に導入した後にどうなるか??
・BC導入はソフトウェア購入でなく、統合管理を可能とするコンポネントの追加と捉えるのが正。現在の断片的/フラグメント化されたインフラ解消ツールであると認識すべきと思います。
・BCは基本的には既存ERPの補完レイヤーとして機能し、BC導入後も既存UI/業務プロセスが保持される。大きな変更点は、自社/NW内の他プレイヤーの在庫状況を確認でき、価格に関しても需給バランスから設定することが可能となる点。
 └例えば在庫が出荷された倉庫と輸送先のPFが異種システムの場合でも物流情報は瞬時に同期される

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