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【ネタバレあり】ワンダーエッグ・プライオリティ 第4話 感想

1 はじめに

 ネタバレありです。視聴予定の方は、先にアニメを観ることをお勧めします。

 また、この記事は、あくまで個人の「感想」であって、「正解」ではありません。こんな考え方や感じ方もあるのか、くらいに受け取って頂けると幸いです。


2 ファンとストーカーの違い

 第3話から4話にかけて、マダムサチコとの戦闘がありました。そこで、前回の感想で予告した「ファンとストーカーの違い」から始めます。

 まずは、各用語の定義から確認します。

 「ファン」とは、推しの活動により、精神的充足感を得る者をいいます。

 「推し」とは、不特定多数の者において、精神的な拠り所を担う者をいいます。

 「ストーカー行為」とは、同一の者に対し、つきまとい等を、反復することをいいます(いわゆるストーカー規制法2条3項抜粋)。


 つぎに、ストーカー行為をする目的を確認します。

 ストーカー行為の目的とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情、又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的(ストーカー規制法2条1項柱書き)です。

 つまり、特定の者(ここでは推し)が、好きだから、あるいは、好きだったから、ストーカー行為をしてしまうのです。


 では、推しが好きだから、ストーカー行為をしてしまう人は、その他大勢の善良なファンと何が違うのでしょうか?

 それは、好きという感情に支配されているか否かです。

 どういうことかというと、まず、推しの全ての行為に対し、嫌い、好きじゃない、普通、好きといった濃淡がなく、全て好きという状態になっています。つぎに、好きという感情は、絶対的に正しいと信じています。絶対的に正しいので、好きという感情に端を発した行為も、当然正しいと疑いません。疑いが無いので、自身の行為の違法性について検討する余地がありません。
 したがって、好きという感情に支配されていると、絶対的に正しく、疑いようがないので、特に検討もなく、反射的にストーカー行為をしてしまうのです。

 簡単にまとめると、
推しがすることは全部好き!!
好きって絶対いいこと!
好きだからすることは、推しも喜んでくれる・推しのためになる!
推しが喜ぶこと・推しのためになることだから、悪いことなわけない!
 となります。

 ①の状態になっている人は、かなり大勢いると思います。いわゆる信者と呼ばれます。正直、私も、絶対違うとは言い切れません。
 ですが、②、③、④は、どれもアウトです。


 推しの負担になるようなファンにはなりたくないですね。

 ちなみに、たくさんの拡声器を装備したマダムサチコは、遠隔からの攻撃が得意です。そして、かなりしつこいタイプです。一般の人がイメージするネット上のオタクの典型的なタイプです。ですが、私が知る限り、ほとんどのオタクは、そのイメージと異なり、善良な人が多いです。

 マダムサチコを反面教師にして、推しごとに勤しみましょう!

 「あんなおばさんみたいになるわけねーだろ」と思った方ほど、自省の習慣がないので、危険です。と余計な忠告を付け足しておきます。


3 沢木桃恵について

 年齢は14歳で、左目にほくろがあり、長身で、女子にモテる女の子です(公式HPより)。

https://wonder-egg-priority.com/character/momoe/

 また、アイから、モデルみたいな女の子、他方、リカからは、イケメン、ホストみたいと言われていました。そのルックスと、優しい言動、さらに、王子様のように守ってくれるカッコよさから、第4話だけでも、ハルカ、美和、瑞希から恋愛対象として好意を持たれています。

 何度も男の子に間違われてきたため、それに合わせてしまう癖があります。その結果、一人称が、本来「私」だったのに、思わず「僕」と言ってしまいます。しかし、周りから男の子と扱われるのに対し、本人は、自身の性別を女性だと認識しています。だから、そのギャップに悩んでいます


 沢木先生との関係性を匂わせて第4話が終わりましたが、「沢木」姓も含めて、第2話の感想「5 沢木先生の子供?」において、「アイと桃恵は双子」という説を提唱しました。

 なお、この説の補強として、桃恵とアイの類似点は、アホ毛、前髪の分け目、喉仏フェチという点を挙げます。また、ねいる・リカ・美和・瑞希は桃恵のことを男の子と勘違いしていましたが、アイだけは、初見で女の子と言い当てました。


 桃恵は、ED絵にも映っていたハルカを助けるために、ワンダーキラーと戦っています。
 上記の通り、ハルカは、桃恵に対し、恋愛対象として好意を持ち、愛しているとまで告げています。ですが、桃恵は、ハルカだけでなく女性を恋愛対象とはしていなかったようです。そのため、ハルカの恋は実らなかったと思われます。

 失恋したハルカは、その失意から自殺してしまったのでしょうか。自殺の方法としては、電車への飛び込み自殺が考えられます。これは、桃恵の夢のセカイが駅・電車だから。また、ハルカの像が、駅のホームで線路に向かっているからです。


 武器は、パラソルのようなランスで、傘を開くと盾にもなります。ちなみに、電車の忘れ物ランキングでは、傘が断トツの1位です。

 ここまでの固有武器は、アイがペン、リカがカッター、桃恵がパラソルです。ねいるの武器がまだ登場していませんが、そろそろ、飛び道具がみたいですね。毎回、大けがしているようなので、ねいるの武器は、防御力が低い、命中率が低いなど問題があるのでしょうか?


4 電車における痴漢

 皆さんは、都市部と地方の生活の違いというと何を連想しますか?

 私は、その違いの一つとして、生活における電車の重要性があると考えます。

 地方の場合、かなりの割合の人が自動車で通勤します。一人一台が自動車を所有しているといっても過言ではありません。実際、私は地方に住んでいますが、家族4人とも一台ずつ自動車を所有しています。
 これに対し、都市部、特に首都圏では、自動車の所有率が地方よりもかなり低く、一人一台どころか、一家に一台ないでしょう。もちろん、地価、交通インフラを考えれば当然の選択です。
 したがって、都市部では、最もメジャーな交通手段が電車であり、電車が生活するうえで欠かせません

 電車は、生活に根付くので、様々な問題が生じます。その一つに電車内での痴漢があります。

 電車内での痴漢と聞くと、一般的には、中年サラリーマンが、女子学生の体を触るものをイメージすると思われます。つまり、第4話での、「会社の専務」と「美和」が典型的なイメージです。

 多くの被害者が、泣き寝入りをしてしまっていると言われるなか、美和も最初はずっと我慢してきましたが、ついに勇気を出して「この人痴漢です!」と言うことができました!
 ところが、痴漢加害者が、美和の父親の会社の専務でした。美和曰く、それが原因で父親は会社をクビになりました。その後、母親が我慢できなかったの?と言ったそうですが、いかにパートナーがリストラ中といえど、娘の毎日の痴漢へのストレス、恐怖、それに打ち勝った勇気を考えたら、その発言だけは許せないです。

 痴漢への対処の一つとして、安全ピンで痴漢の手を刺すというものがあります。「会社の専務」も、頭が安全ピンだらけでした。
 しかし、これは、少し刺したくらいでは検挙されないでしょうが、傷害罪の可能性があります。また、もし、誤って痴漢以外の人に刺してしまうと冤罪のおそれもあります。さらに、痴漢の態様は、直接手で触るだけでなく、鞄を当てるなど間接的なもの、匂いを嗅ぐ、注視するなどそもそも触らないものもあります。このような場合、刺す部位が表れていないこともあります。

 泣き寝入りの問題からも、痴漢の被害を申告することがそもそも酷だといえるので、被害者側からの問題解決は得策とはいえないのではないでしょうか。

 私は、そもそも、満員電車を解消すれば、現在の痴漢被害に対処できると考えています。これは働き方・通勤ラッシュ・感染症対策などあらゆる点でメリットがあるので、国・地方自治体・鉄道会社・乗客が勤務する会社など一体になって取り組んでもらいたいです。

 

5 女性専用車両

 桃恵の2戦目は、「ハチ女」でした。エッグからは、「瑞希」が出てきました。

 ハチ女が桃恵に、女性専用車両に男が入ってくるなと喚いていましたが、桃恵は女の子なので、むしろ、桃恵の感情を逆なでしたにすぎませんでした。

 電車の痴漢に対し、女性専用車両という方法がありますが、そもそも、
男性が女性を痴漢するという一般的なイメージと異なり、実際には、加害者が女性の場合もあります。また、被害者も、男性の場合があります。さらに、加害者と被害者が、男性と男性、女性と女性という同性の場合もあります。したがって、性別での車両の区別は、問題解決として適切と言えるか疑問です。


6 ねいるちゃんすごいんすよ

 第2話の感想「9 青沼ねいるについて」のとおり、ねいるは、経済的に裕福で、会社の重役でした。同様に、「田辺美咲」も母親ではありませんでしたね。

 ということで、ねいるは「Blue Corp」の社長で、田辺美咲はその第一秘書でした。
 ねいるは、14歳ながら学校に行っていないようです。まあ、すでに社長ですしね。

 リムジンで移動し、会社のビルも立派で、社長室は46Fのようです。「Conference N.46 001~024」とありましたが、会議室どんだけあるんだよw

 以上をまとめると、「ねいるちゃんすごいんすよ」です。


7 カラフル・ガールズの出会い

 第4話のサブタイは、「カラフル・ガールズ」です。まったく異なる個性をもつアイ・ねいる・リカ・桃恵のことでしょうか。

 アイは、当初の印象と異なり、かなりリカへの信頼が増したようです。私は、第3話の感想「6 川井リカについて」において、リカを「嘘つき」と評しました。

 これに対し、アイは、リカのことを「天邪鬼」「態度とホントの気持ちは違う」と言っていました。また、ねいるの「お財布取り戻すためじゃないの?」というセリフに対し、「ううん。それは口だけだよ。多分」と一定の理解も示しました。

 これを受けて、ねいるは、「アイは人を信じやすい」「すぐ許しちゃう」と言い、アイは「ダメダメなとこだ」と反省しますが、すぐに、ねいるは、笑顔で「素敵なとこ」「ダメだけど、素敵なとこ。そういう子が時々いてくれないと私たちは救われない」と言ってくれました。ねいる いい子だな~

 アイがリカのことを見直し、そんなアイの純粋さにねいるが安らぎを覚える...素敵なシーンでした!


 ただ、ねいるとリカの仲は、相変わらずでしたwバチバチですw
 この二人は、友達になれるか分かりませんが、案外いいコンビになりそうです。


 なお、今回一番面白かったシーンは、リカが「犬!?犬!!?」「くんくん×4お金貸して♡」に対し、アイ・ねいるの「バカ」ですwこのシーンだけ何度も繰り返しましたwやっぱり斉藤朱夏さんが適役すぎる。


 上記の通り、アイだけが、桃恵のことを初見で女の子と言い当てたこともあり、アイと桃恵は意気投合します。このとき、桃恵は、裏アカに言われた「向日葵」がアイであることにもすぐ気づきます。
 なお、向日葵の花言葉には、「あなたは素晴らしい」があります。悩みを抱えている人ないし自殺を考えている人に贈る言葉として、これほど相応しい言葉があるでしょうか。自殺を非難することより、自殺を考える人が生きたいと思えるようになって欲しいです。


8 アカと裏アカの目的と新情報

 夢のセカイでの戦いは凄い負荷がかかり、その結果、現実世界では高地トレーニングのように肉体が強化されていたようです。アイも、薄っすら腹筋が割れてきたとのこと。

 桃恵のことを男性と勘違いしたねいるが、「男子はいないはず」と言ったことから、エッグ購入者は女性なのはもちろん、「男子」という表現から女子つまり未成年限定のようです。また、死の誘惑の件から、エッグ内の人も、女性かつ未成年だけのようです。したがって、エッグ購入者もエッグ内の子も、どちらも女の子だけということになります。

 アカと裏アカの目的について、「(死の)誘惑に惑わされ後悔しているかもしれない。そういう子供たちを生き返らせたいと願う子のためにこの場所はあるんだ」とのことです。この言葉の真偽と、他の目的の有無を確認しなければいけませんが、思いのほかあっさりと目的を言明しました。

 「性別であーだこーだいうなよ」「差別はよくねーよ」。このセリフは、完全に視聴者に向けたメタ発言でしたねw


9 おわりに

 最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 今回は、桃恵の戦闘が2度も行われること、4人が出会うこと、アカたちの目的が言明されること、どれも意外でした。かなり早いテンポでしたが、不足していたようにも感じさせず、見事でした。早めた分、今後、かなりディープな展開を期待してしまいます。

 それでは、また次回お会いしましょう。

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