エッセイの原点は林真理子-すずころ日和 読書-
こんにちは、皐月です。
新刊がでていると手にしてしまう。
そんなお気に入りの作家さん、漫画家さんってあなたにはいますか?
私も何名かいて、そのお一人が林真理子さん。
出会いは本屋さんでの可愛い装丁「美女入門」
林真理子さん=美女…?
まぁ、ご本人も言ってますが「入門」ですからね。かれこれ21巻くらい入門のままなのがまた良い。振り返ると、欠かさず読んでいるこのエッセイ。ananでのずっと連載っていうのもすごい。
今回のこちら「マリコ、アニバーサリー」は週刊文春での連載エッセイ。
ギネス記録更新の連載40周年、35巻目。
え、そんなすごいの( ゚д゚)マリコ様
そんな匂いもやはりなく、ただただ楽しく読める一冊。
林真理子さんも有名な分、好き嫌いが分かれる人。イメージだけでたぶんキライって人もいる。
林さんのエッセイはいつも日常が盛りだくさん。華やかな芸能人との交流や都会の知る人ぞ知る名店など、一般の私なぞが知ることはない世界を嫌味なく堪能させてくれる。そして、交友関係の広さ。気前の良さと、常にもっているであろう普通の暮らしの感覚。
華やかさと現実の日常のだらだらさが絶妙。
多くの有名人が彼女と友人(決してひけらかしてはいない)のも頷ける。
今回の新刊は、日大の理事長になられてからのもの。
騒動の詳しいことは表面上でしか知らないけれど、ああ、あの真理子さんは大丈夫なのだろうか…。と思っていたので、ドキドキして本を読む開く。
読後の感想は、やはり
「林真理子ってすごい」
何がって、いつも通りの内容だから。
ここぞとばかりにマスメディアが叩いている…のは知っていたし、作家と大学の理事というのは勝手が全く違うものだろうとは素人でも想像がつく。
火中の栗を拾う、そんな中での就任。さらには法廷の場にも。
さぞや…と思っていたら、いつものように彼女の織りなす日常と美味しい食べ物、観劇やいろんな方との交流。ご主人や秘書、作家としての顔。
愚痴とか全然ないんです。ものすごく大変であろうなか、あの話題がない。
最後の最後に「きー、ちょっと書いてしまった。くやしいっ」と少し触れたところはあったけれども。それも一作家としての出版社との関係での話しの一コマだけ。
作家たるもの、ペンで反論する。
そういうのがなくて、あくまで読者が望む「楽しいエッセイを届ける」を真髄にしてる。
ずっと第一線にいる人って、やはり違う。
最近思うのは、著名人になってもその世界で残っている人って「才能」だけでなくて。結局はひととなりなんだろうな、と。
その人と仕事したい。一緒にやりたい。
そう思われている人が残っているんだろうな。と。
「作家はあくまでも受注される側」と彼女が書いていたが、なるほどなあ。
いくら才能があっても、嫌な人の作品は出したくないってのが人情ではなかろうか。
なんて、思った。
今回の本の中で印象にのこったフレーズがこちら
初心者なのだから、これから「老人」となって出会うであろう経験を楽しもうと。
そっかあ。
いうなればわたしも「中年初心者」で。最近、スマホを見る時にメガネを外す気持ちがわかる自分も、初心者ならではの経験を重ねているのか。
言葉一つで、見方がかわる。
この出会いも読書の楽しみ。
食わず嫌いの方もぜひ、林真理子さんの華やかさにもなぜか親近感をおぼえる世界に触れてみてはいかがでしょうか。
ではでは。
今日も最後までありがとうございました。
皐月
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