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ロ・ク・ナ・ナ

近頃ロクナナを手に入れた。
PENTAX67、近年の通称はバケペン。
レンズは標準レンズのSMCTakumar 105mm F2.4との組合せだ。

今はまだフィルム数本分のおつきあいを始めたばかりの低空飛行中。この先風に乗って舞い上がれるのかどうかはまだまだ未知数だ。

最大の懸念事項だった重量について。
手持ちで構図決めから露出やピント合わせまでをマニュアルで行っているとシャッターを押す前に両手がぷるぷる震えてくる程度に重い。おそらく三脚使用が望ましいカメラだ。
これにストラップを取り付け首からぶら下げて持ち歩きたければ背筋と首周りの筋トレが必須となる。もしくはこのカメラを首から吊り下げればかなりの筋トレになる。
それから購入前の検索時にもあちこちで呟かれていたことだがW177×H152×D91mmの本体にレンズが付いた2kg強の角張ったカメラは鉄の塊以外の何者でもなく控えめに言って鈍器だ。持ち運ぶ際にもぶ厚めの何かで包んでおかないとちょっと揺れてぶつかっただけで結構な衝撃だ。
先日自室でカメラを床置きしていたときにうっかりゴロンと転がしてしまったことがあったのだけど、咄嗟にカメラよりもまず先に床の傷を心配してしまっていた。

そしてド近眼&乱視(+老眼?)のわたしはピント合わせにかなり難儀している。
プリズムファインダーを使用した場合、ピント合わせの方式がファインダー内に見える画像全体で行うタイプのため、小さなファインダーの中では果たしてピントが合っているのかどうか非常にわかり辛い。晴れている日ならまだしも、曇天下やゆふぐれ時などの薄暗い条件下ではピント合わせに苦心惨憺することになる。ピント合わせに手擦っているうちに先述の重量が追い討ちをかけてきて、最終的に手がぶるぶるしてくる。そのため途中で諦めが生じてまあこんなもんでしょう、と憶測でシャッターを押してしまう事態が頻発し、ピンぼけが量産される。フィルム一本でわずか10枚しか撮れないのに。。。

ちょっとピンぼけ

そこでウエストレベルファインダーを別途購入した。2種類あるウエストレベルファインダーのうち安価で手に入るチムニー型というタイプだ。これに付け替えたらプリズムファインダー装着時とは比べものにならないほど軽くなる。ピントもファインダーが広くなって合わせやすくなり、ピンボケはほぼ回避できるようになった。ただ、ファインダーをのぞいたときに構図全体が見えているのかどうかがよくわからないのと、縦構図で構えるのが難しいという問題が発生。しかしこれは慣れと努力次第でいつか克服できるかもしれない。知らんけど。


まだまだ打率は低いものの、ばっちりピントが合った時の立体感と空気感といったら実際に観ていた景色以上のものがあり(なにぶんド近眼)、現像された画像の繊細な描写力には息をのむ。



先日写真屋さんにてロクナナを手に入れた旨を話したところ、「ロクナナはスナップ使用ではもったいない、ぜひ三脚でじっくり構えてネイチャーフォトを」とご提案いただいた。でも、三脚はほとんど使ったことないしネイチャーな場所にもなかなか行けないしで当分は腕ぷるふるさせながらのスナップ使用になると思う。

「終活」の二文字を周囲で耳にする年頃に突入しているというのに我ながらよく踏み切っちゃったもんだと呆れもする。リアルに体力との勝負になってくるが、願わくば一回でも多く楽しくシャッターを切っていきたい。

そしてうまく風に乗って舞い上がれたなら、大きいサイズへのプリントも試してみたい。



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