見出し画像

法律を学ぶのか、法律について学ぶのか

大学の学問は

 「厳密な思考法を身に着ける」

ために行う場合が多いです。例えば、法学部では、法律を色々と学びますが、それより魔大事なこととして

 憲法前文ー>憲法各条ー>刑法・民法ー>その他個別法規

という階層構造での展開を学びます。

さらに、その実務として

  法規の条文に現実を当てはめる『法的三段論法』

  XXという行為はXX法第何条で罪に値する
  YYの行為はXXに当てはまる
  故にYYは罪に値する

  裁判の判例の読み込み
   なぜAは勝訴しBは敗訴したか

等の訓練も行います。

さて、これは

 現在ある法律の枠の中

での訓練です。つまり

 弁護士などになって法律を使う

ための勉強です。こうした

 法律を使うための厳密な論理力

を身に着ける。これが多くの法学関係学部の出身者の目的です。

しかし、法律についての仕事は、それだけではありません。

 法律を造る

という仕事があります。これは

 現在ある法の枠の外で考える

必要があります。そのためには

 あるべき姿を考える深い哲学思考
 関係者を調整する広い視野

の両面が必要です。例えば

 「ネット上での誹謗中傷を罰する」

という法律を作るとします。

その時、根本的な問題として

 人を罰するのはどのような時か?
 これを突き詰めると
 正義とは何か?
 個人の考えをどこまで制約できるか?

という問題に行きつきます。
さらに

 精神的な傷つきをは主観的なものであり一律に評価できるか?

という問題もあります。こうした

 あるべき姿に関する議論が哲学的議論です

一方、今までの経緯や、他のメディアなどでの誹謗中傷とのバランスも必要です。

この検討では

 どのような人がかかわってくる

という空間的な広がりと

 今までどうだった?

という時間的な経緯を見ないといけません。

こうした、広い視野と深みのある検討、この両面が

 法を造る

場合には必要になります。

法について学ぶというときには、このような必要性を知らないといけません。
そのように考えると

 立法

とは、とても難しい仕事ですね。 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?