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遅読の勧め

昨日も書きましたが、「遅読」について、私が知ったのは、加藤週一著「読書術」岩波現代文庫です。なお、私は半世紀前に、この本の前身の「カッパブックス版:読書術」で、これを知りました。

この本は、読書だけでなく

独学の勧め

としてもお勧めです。

特に、私たちは

情報を速やかに得る速読

を重視しています。実際、私も速読の力があったので、中学は500名の学年で1位、高校大学もそれなりのところに進みました。

この力は、小学校の5~6年で

算数の文章題を大量に解く

訓練から身につきました。つまり

試験問題の趣旨を速やかに把握する

力が成績優秀につながりました。

さて、「読書術」で加藤週一が説いた

遅読の効用

について、もう一度考えます。つまり

古典である一冊の本を徹底して読む

効果です。

実は、若い時代の私は、この効果が判りませんでした。その理由は

情報を得るだけが読書

と思い込んでいたからです。しかしながら、色々と学んでくると、この本が書いている

論語から孔子の人格に至る

という発想の凄さが見えてきました。この発想は

「徳」という抽象概念を
それを実践する
孔子という人格で実現
その人格を自己内で再現する

という方法で、抽象的な概念を、自分のモノとする方法です。これは、大乗仏教の

慈悲を感じるため観世音菩薩を拝む

などの手法と通じるものが在ります。

これを、プラトンのイデアと比較すると

抽象概念のままイデアに至る
具体的実行者としての孔子

という二つの把握法の違いがみえます。

なお、遅読については

人格になり切る

レベルまでいかなくても

その本が書かれた時代背景を想像

するだけでも、多くのモノを得ると思います。私は、個人的には

プラトンやソクラテスなど

にはなりたくありません。

しかし、それでもプラトンの著作を

古代ギリシャの状況を理解して読む

ことは大事だと思います。

遅読で『国家』を読む|鈴木良実 (note.com)

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