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【詩と小説の間】今はすべて眼の奥の話


夢の断片が残像になって横切る頃、横顔が自画像から消えて画用紙で指を切った。
血の赤さが乗り移って、浮く浮くと湯気を上げる地獄を背景に写真を撮る。
赤い地獄まで行ってみれば何か分かるかと思ったのに、駐車場の広大さが邪魔をして思考停止となり立ち尽くした。
車内では他人に頭皮を嗅がれて怯える。信じられないくらい間近にいた。
地下アイドルに裏切られて、わさびに泣かされた夕飯で歳をとった。
真冬でもネズミが走り出すゴミ捨て場に、誰かの残骸まで残っている。
昨日の老人が避けもせず普通に行く。たぶんバレリーナの卵たちは腕を組み走り去った。
誘われるままに寝転んだ芝生から星までの距離を測る。名を有さない感情に価値をつけて時が移る。
脚を遊ばせる時がいちばん好き。ワガママにも笑って。笑っていた。
アドバイスなんてかまさないで。ほんとに誰も分かってくれない。
声に出して読んでいたら周りから人が去った。
細胞の星屑もいずれはそう。
目黒川に船がやって来てどこへでも行けるという。ただし海までは行けないとも。
ビニール傘の話がよかった。
ビニール傘越しに見る雨が好きだよって。
友達でもよかったのに友達にはなれなかった。
摩擦し過ぎた画用紙がダマになって、戻らない滑らかさに隣で泣く。
優しくなりながら生きていくよ。








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