その日、ウサギとカメはイースタースイーツを求めて二子玉のデパ地下を彷徨っていた。イースターパフェのある、人気の「トライアングルカフェ」は人で溢れていたため、持ち帰れるスイーツを探していたのだ。

「今年のイースターは３月31日。イースターは春分を過ぎてから最初の満月の次の日曜日だからね」ウサギは少し得意げに、横を歩くカメに説明した。「ウサギさんはイースターのことをよく知ってるんだね。スイーツと関係があるのかな？」と彼は静かに問いかけた。

「ちょっと！その最後のところは余計だわ」ウサギは少し拗ねたように頬を膨らませた。
「だけど…」と、彼女は続けた。「本当はその通りなの。イースターといえば、ウサギや卵のお菓子くらいしか思い浮かばなかったわ。」

「でもね、イースタースイーツをより美味しく味わうためには、イースターの意味をちゃんと理解していなければならないと気づいたの」と彼女は自慢げに胸を張った。

そんな会話を続けていた二人は、とあるお店のショーウィンドウの前で足を止めた。二人は顔を見合わせ、「これだわ！」「これだね」と声を合わせると、思わず吹き出した。

「イースターに関連する本は、図書館の分類番号190の書架で見つかるよ。帰る前に寄ってみない？」とカメが提案すると、「このレアチーズケーキをすぐにでも食べたいけれど、美味しく食べるためには仕方がないわね」と彼女は小さく頷いた。

ウサギは左手には秘密を抱きしめるようにスイーツを持ち、右手ではカメの手をやわらかく握った。彼女はかすかに笑みを浮かべて、心の底でしみるような幸せを感じていた。