【エッセイ】日々時を刻みながら

息をはいて
息を吸って

無意識下に繰り返す

太陽が東から昇り

西の空を紅く染め上げ

夜の空には
星を流して
月に灯を点す

プカプカと水面にたゆたい

ゆったりと雲も流れていく

ゆっくりと呼吸をし

静かに水を飲み干す

同じ日々の繰り返しのように
思えても実は

全く同じ時間を再現し続けることは
不可能と気づく

花火や音楽は
瞬間を楽しんでいくもの

瞬間の連続

フィルムのコマを
パラパラとめくりながら

昨日から明日へと
今日も呼吸を繰り返す

浅く深く

伸びて縮んで

冷たい風のおかげで
光や香りが
より遠くへと進んでいくのが分かる

肌寒く物悲しいばかりが
冬ではなく

温かさを感じる季節である

人の優しさを肌で触れ
星の瞬きに目を凝らす
面白い物事を匂いでかぎ分け
時に人生の苦味を味わう
そして
自分の内なる声を絶えず聴く

メトロノームがカチカチとビートを刻む
心臓は鼓動を繰り返し
肺に空気を取り込み
呼吸を繰り返す

細胞と共に水面に浮かび
そのためにその度に
水を飲み干す

時に深く沈み
時にふわりと高く浮かぶ

明けない夜はどうやらなく
今日も東から太陽は昇る

炭酸水の泡は喉をかけ昇り

空を見つめて
己を広げる

地図を広げるように

さて
今日はどこへ行こうかと

旅の無事を祈りながら

歩みを続けてみるとする

空は頭上にしかないと
誰が決めたのか


空が逆立ちしても不思議ではない
鏡面から知ることもある

視野はいつも
広くありたい

疑い
信じて

今日も
考え続けていくのだろう

日々時を刻みながら

明日もきっと
考え続けているに違いない

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