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この歌を聴くためにここに来た。〜Ed Sheeran +-=÷× TOUR〜


海外アーティストのライブに行くのは初めてだった。

ハイスクールミュージカルは好きだったけど明確にアーティストがいるものではないし、Queenは昔から好きだけどフレディ・マーキュリーは既に亡くなっている。特別洋楽が好きなわけでもないし、高いチケット代を払ってでもライブに行きたいと思えるほど好きなアーティストもいなかった。


そんな私が、Queen以来アーティスト単位で好きになった洋楽がエドシーランの音楽だった。


きっかけはパリ滞在中に、モンマルトルで Perfect をアコギで弾き語りしている人がいたからだ。特別うまくもなかったはずなのに、惹きつけられて仕方がなかった。原曲よりも高いキーで歌われているその音程が、幸せな曲なはずなのにパリとの別れを惜しむ私に切なく響いて、胸が震えた。



その前から Perfect という曲は知っていた。何かの拍子に流れてきて良い曲だな、好きだなと思ってすぐにSpotifyでお気に入り登録したのを覚えている。

モンマルトルで聴いた曲が Perfect だとは結びつかなくて、かろうじて聞き取った「you look perfect tonight」を検索にかけた。そしてヒットしたのを見て聞いた瞬間、私が二度も一聞き惚れした曲が「Perfect」であったと知った。


帰国してから毎日のように、パリの写真を見ながらエドシーランを聞いた。

聞いているうちに、Perfect には2つバージョンがあって、私がモンマルトルで聴いたのは Perfect -Acoustic というアコギ ver. の方だったと知った。

「Perfect」を認知したのは9月の終わりだったはずなのに、毎日1日に何十回も再生したから、おかげで2023年が終わる頃にはSpotifyまとめでエドシーランがトップアーティスト2位に、Perfect がトップソングの1位と2位になった。

ちなみにトップソング3位もエド・シーラン。


だから、10月の終わりにエドシーランが来日公演をすると知ったときは「運命だ」と思った。

エドのファンになって、まだ日は浅いかもしれない。だけど、この聞き込み具合ならきっとライブも楽しめるはずだし、ライブに行ってもいいレベルのファンと言えるだろう。これを逃したら次いつエドが日本に来てくれるかわからない。うん、申し込むしかない。


こうして10月22日、ぴあ最速先行で1月27日のA席(¥18,310・手数料等込)を勢いで申し込み、11月3日に無事、当選連絡を受け取った。

最終的には、うらやましがった父があとから追加公演の1月28日のS席を2枚当て、私は自分で申し込んだ方をリセールにかけて28日の方で参戦することになったのだけれど、S席にして正解だったな、と今になって思う。


どちらにせよ、まるで奇跡だ。


*****


当日は15:30開場で、15:30ちょうどに仕事へ行った父とドーム前駅で待ち合わせをした。一旦、イオンで腹ごしらえすることも考えたけれど、さすがエド。あまりに人が多すぎてどこにも入れなくて断念し、先にグッズを買いに行く作戦を決行した。

…こちらもこれで正解だった。ひたすら並んで、並んで、待って、待って、ようやく辿り着いたテントの前、購入列で私の2人前くらいに狙っていたタオルが売り切れてしまったのはショックだったけれど、パンフレット、限定Tシャツ、リストバンド、キーホルダーはゲットすることができた。


グッズ購入後、ゲートまで歩いている間にCalm Scottのライブがはじまって、軽食を買って席について少しすると終わってしまうくらいの時間感になってしまった。

日本のアーティストならあるまじき自体だと思うけれど、まず前座のようにエドじゃないアーティストがライブをすることでエドが出てくるまでに時間があるところから海外のライブとの違いを感じるし、割とみんな、エドが出てくるまではグッズや軽食を買うのに並んでいたり、席に座っている人もビールを飲んだりしていて、とにかく自由、なのだ。食べたり飲んだりしながら音楽を聴く、という楽しみ方もあるよな〜と、当たり前かもしれないことに改めて気付かされた。


Calm Scottさんが終わってからは30~45分くらい舞台の準備がはじまって、軽食を食べてゴミを捨てて戻ってきて少ししたらエドの登場カウントダウンがはじまった。カウントダウン、というワクワクと緊張感が混じる時間がまたいい。1曲目は Tides だった。


個人的には3曲目の Shivers あたりからが激アツで、The A Team, Castle on the Hill, Don't, Eyes Closed, Give Me Love, Visiting Hours、と好きな曲かつ有名曲が出し惜しみなく次々と放たれて、死ぬほどテンションが上がった。

これも海外アーティストのいいところだな、と思うのだけれど、スマホでフラッシュを焚かなければ写真も動画も撮り放題なんですよね。(でも撮影に夢中になりすぎて生歌に集中できないのも嫌なので、基本撮る映像は音さえ拾っていればいいやでカメラワークとか、ちゃんと撮れてるかとかはあまり気にしてませんでした。)


なんとか大本命の「Perfect」までは…と好きな曲連発ゾーン中も、「動画に収めるのは1番まで」と決めていたけれど、Give Me Love の1番が終わったところあたりで容量不足通知が来てiPhoneにブチギレながら、「ここでエドの生歌を残せないこととこのアプリや写真、天秤にかけてどっちが大切なんだ!!!」と写真を消して、ZoomとGoogle DocumentとOne Noteを消してやった。


次の波は、Galway Girl, Thinking out Loud, Love Yourself, Sing。
Thinking out Loud は Perfect の次に好きになった曲で、この日絶対に聞きたかった曲リストに入っていたので、キーは原キーじゃなかったけど嬉しかった!!Love Youself、ジャスティンビーバーの曲だと思っていたからまさか聴けると思ってなかったし、Sing も「Oh-oh-oh-oh-oh-oh-oh, oh-oh-oh-oh」をみんなで言えたの、たのしかった!


その次の波は、Photograph、そして待ち望んでいた Perfect。

この歌を聴くために、私は今日ここに来た。

もうはじまった瞬間から鳥肌で。ステージの光も映像も綺麗だし、なによりモンマルトルで聴いた、あの、Acoustic ver. だったから嬉しさも美しさも倍増で、鼻の奥がツンッとした。この映像は家宝だ…と、すぐにアルバムでハートマークをつけた。


アンコールは、Shape of You と Bad Habits 。
Shape of You は初めてエドシーランを認知した曲だし、Bad Habits も大好きな曲で明るくて盛り上がる感じの終わり方がほんとうによかった!オリックスTシャツでアンコールの舞台に立ってくれたエドのサービス精神にも感激だった。


J-POPにももちろんコールや合唱はあるけれど、それ以上にヒューとか、ウェーーーイ!とか、盛り上がりや興奮をダイレクトに伝えることができる空間だった。それはまるで、コンコルド広場のパブリックビューイングでRWCのフランス戦を観戦した時のようで、あの日々が戻ってきたようで、嬉しかった。



*****


中学2年の冬、初めてライブに行った。
それが嵐で、京セラで、アリーナ席だった。

そこから、ドリカム、GReeeeN、ゆず、ミスチル、Novelbright、小田和正、ユーミン、スピッツ…といろんな人のライブに何度も足を運び、生歌を聴いてきたけれど、ライブの形は三者三様。行けば行くほど新しい音楽の楽しみ方を知る。知れば知るほど、音楽は自由だ、と思う。


スマホで1番なくなったら困るアプリは迷うことなくSpotifyで、そんな私はやっぱり音楽が好きで、大切で、必要で。きっとこれからも音楽に救われて、生きていく。


今年は、どんな音楽に出会えるだろう。
誰の音楽に逢えるだろう。


ああ、2024年も、楽しみだ。



Ed Sheeran +-=÷× TOUR 2024
Jan 28 @京セラドーム大阪



His songs remind me of Paris.
I am deeply grateful for the good fortune of hearing this song live.





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