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【コラム】《保存版》エビデンスの良し悪しを”直観的”に見抜くノウハウ

 メンバーシップの【コラム】では、エビデンス(臨床医学論文)の検索方法や読み方について解説してきました。入門的な解説を意識してきたつもりですが、細かい論点も数多く紹介しており、専門用語に戸惑いを覚えた方もおられるかもしれません。
 
 医薬品の販売実務にエビデンスを活用する上で重要なことは、エビデンスの妥当性を細かく吟味する能力よりも、エビデンスを継続的に読み続けるモチベーションです。
 質の高いエビデンスといっても、それは真実を表したものではなく暫定的な事実を表しているにすぎません。事実は常に更新(訂正)されるものであり、それゆえ「暫定的」なのです。

 僕たちは、科学というフレームワークをを通じて真実を追求する側に立つことはできますが、科学を通じて観察される風景は常に暫定的な事実であり、真実にたどり着くことは人間の認識では不可能です(その意味では、文学や宗教の方が人の生活現象を適切に表現しているのかもしれません……)。それゆえ、エビデンスを継続的に読み続け、得られた知見を更新し続けることが大事なのです。
 
 まあ、そんな哲学的な考察はどうでも良いわけですが、エビデンスを継続的に読み続けるモチベーションを維持するためには、エビデンスの妥当性を効率よく評価できるスキルの獲得が必須です。
 今回の【コラム】では、エビデンスの妥当性を効率よく把握するためのノウハウをご紹介したいと思います。

仮説検証型研究と仮説生成型研究

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