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”社会をよくする”関係人口を増やすために/2021年の抱負


こんにちは、スズケンです。

普段は、ソーシャルベンチャー企業のボーダレス・ジャパンにて採用人事のポジションにて、主に新卒採用を担当をしています。


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2021年1月1日新年ということで、ご短文に漏れず、今年の抱負をここで綴っていきたいと思います。

去年は、社会人2年目になる直前で社会起業を目指し入社した自分の役割に悩んだ結果、社内での異動をさせていただき、「採用人事」として4月より仕事をさせていただいてきました。(そのプロセスについてはこちらをご覧ください。)

そこから社会人2年目は、採用や人事領域の仕事について全く知らない状態での、文字通り「ゼロ」からのスタートとなりました。

そんな役割を変えて奮闘してきた2020年も終わり、2021年は目の前に迫ってきている「社会人3年目」という節目に前に、勝手ながら勝負(結果を出す)の一年にしたいと心の底が燃えています。

そんな今年の抱負を漢字一文字であらわとすると「繋(つなぐ)」です。

この漢字に込める想いの背景とともに、今年一年で目指すビジョンを有言していきたいと思います。


社会の課題を他人任せする時代を終わらせたい


2020年はコロナが猛威を奮った年でもありますが、振り返ると、それと同時に様々な社会の分断や地球上の自然環境における危機的状況が明らかになった、そんな一年でもあるなと感じます。

ここでは、気候危機(環境問題)の側面から、その時代背景をみていきたいと思います。

簡単にではありますが、2020年の1年間で起こった大きな自然災害をあげてみました。


森林火災
・米国カルフォルニア州、北極圏シベリアなど各地で森林火災が発生。特に、オーストラリアでの前例のない大規模な山火事では、1100万ヘクタール(東京都よりも広い面積)の土地が焼失、10億匹以上の動物が命を落とした。
・対照的に、人為的な火災も発生している。ブラジルアマゾンにおいて、地球の気候を安定させる役割を担う熱帯雨林が、1日に東京ドーム650個分、合計6億2,000万本の木が焼失。

洪水・豪雨
・インドネシア・ジャカルタでは記録的な豪雨被害により66人が死亡、約4万人が避難を余儀なくされました。
・ケニアでは洪水が再発。降雨量と暴風雨の頻度の増加により、400万匹のサバクトビバッタが異常発生し、農作物に深刻な被害が出ている。
・バングラデシュでは、過去10年間で最大級の激しい雨により、なんと国土の3分の1が浸水。過去最悪の洪水となりました。
・日本でも熊本での記録的な豪雨により、洪水や土砂崩れが発生し、広い範囲で甚大な被害をもたらしました。数十人と犠牲になり、100万人以上に避難勧告が出されました。

                     (下記、web記事より抜粋)


そんな2020年とそれ以前からの異常な自然環境の変化は、とても強烈なものを突きつけるとともに、自らの日常生活がこの変化に加担していることを理解し、行動に移していくことが求められていることを実感します。

ちょうど先月、同じ日本人の気候危機への理解を表すこんな国際比較調査の結果が話題になっていました。

弊社ボーダレスではよく、社会問題の原因は人々の「無関心」ではなく「未認知」を共通項として話すことがあります。社会で何が起こっているのか、日常がどのように社会に弊害を生み出してしまっているのか、まさに社会問題に対して「無関心」な人がいるのではなく、「未認知」である人がまだまだ多いという実態があることがわかる、リアリティのある実例だと思いました。

その一方で、気候危機は社会が未来に続くために最重要課題ですが、それも社会の一側面。昨年「#Black Lives Matter」というハッシュタグとともに大きな注目を集めた黒人差別の問題や、コロナの経済不安による、企業からの解雇処分により明るみになった貧困格差、女性へのジャンダーギャップの問題など、多方面に課題は山積しています。


確かに現代社会においては、戦争や飢餓といった生存を脅かすような課題にはだいぶ光が見えてきている一方で、未来の人類の生存を脅かす問題(気候危機)や人間関係や個人の偏見から生まれる問題(差別偏見)がより表面化してきているように感じています。

このような課題の多くに共通するには、生きずらさを抱える当事者以外のマジョリティにある人がその問題に(無意識的な状況も含め)加担してしまっている課題であるということ。

だからこそ、これらの課題の解決には、誰かにその責任を押しつけていては解消されるものではない、「知らなかった」では解決されない問題だと言えると思います。

社会の課題を誰かのせいにしていてはいけない時代が、すでに過渡期にきてしまっているのではないか ー


”社会をよくしたい”と思う学生のキャリア選択にある溝が、変われていない社会そのものだった


そんな時代の空気を敏感に感じていきているのが、そんな時代を育ってきた若年世代なのかもしれないです。

去年多くの時間を向き合ってきたのが、社会貢献や国際協力といったキーワードに関心を持つ学生さんでした。選考面接からカジュアルな面談まで含めて、ゆうに200名は超えていました。

若年世代の関心の中心に、社会課題解決といった軸を持つ学生が増えているのは強く感じてきた一年でもありました。

”社会をよくしたい”と今まさに社会に飛び出そうとしている若年世代が育ってきているにも関わらず、その想いを実現させるキャリアを選択ができていない問題を目の当たりにしてきました。

特に、そのキャリア選択への障害となっている点が、下記の二点だと仮説しています。

①”社会をよくしている企業”が少ない/選択肢がない
 *事実、スキルや実務経験などの条件からの制約も多い
②社会をよくする働き方のイメージ/情報がない

ここで言いたいのは、社会をよくする役目を若き担い手に投げ渡していくための方法論ではなく、どうやってより多くの人がいい社会づくりに接点を持つことができるかどうかという社会をよくするための解決策についてです。

真に、いい社会=誰も取り残されない社会問題のない社会に向かうためには、一人でも多くの人が様々な局面でそのいい社会づくりに貢献していくことがとても重要だと思います。

その上で、こうして”社会をよくしたい”という想いを持つ学生が、その想いのままキャリア選択ができない実態に、若年世代が飛び出す社会の側に大きな溝があることを痛感してきました。


cf. ”社会をよくする企業”とは


ここまで述べてきた”社会をよくする企業”について誤解のないように整理しておきます。

結論から述べると、”社会をよくする企業”とは「社会課題解決」を目的に経済/社会活動をする企業組織のことを指しています。

前提として、全ての企業が取り組む事業(ビジネス)が誰かのためになっている、いわば「社会貢献」と確かに言えます。しかし、そのビジネスが目指す利益の追求によって、後回しにされてきた人々の生きずらさ、それを内包する状況が生み出されてました。それが、貧困問題(途上国での安価な労働力の搾取)や環境問題(生産効率を優先した生産流通体制)といった『社会課題』。つまり、ビジネスが目指す広義的な「社会貢献」と社会的企業やNPO/NGO組織が目指す「社会課題解決」とは、切り離して議論することが”社会をよくする”ためには必要だと考えています。

その時に、ここ数年世界的な動向により目にする日がないぐらいに認知されるようになった概念に「SDGs」があります。これはまさに、後者の「社会問題解決」のための取り組みを促進するためのムーブメントであると捉えられています。しかし、ご存知の方も多いとは思うが、国内外の一部企業のこうしたSDGsを掲げた先進的な取り組みを除き、ほとんどの企業の取り組みは見せかけ(SDGsウォッシュ)と言われたり、事業全体の中の一つの小さな部署での限られた活動に止まっていたりするの実態です。


”社会をよくする”関係人口を増やすために


大事なことなので復唱すると、いい社会=誰も取り残されない社会課題のない社会に向かっていくには、一人でも多くの人が様々な局面でそのいい社会づくりに貢献していくことが必要不可欠です。

それは、社会課題(誰かの生きづらさ・不条理な状況)が数え切れないほど山積していることに加え、その課題の解決にはより多くの人の行動変容(日常のコミュニケーション、消費行動など)が必要であるに起因します。つまり、社会課題解決には数の原理は必然的に重要となるということです。

必要なのは大きな技術革新を待つことでも、優秀な一部のリーダーを応援することではなく、社会がよくなるためには、一人でも多くの”社会をよくする”関係人口を拡げ、より多くの人の想いと行動で社会を動かしていくこと。

そのために僕自身がすることは、一緒にそんな社会を動かしていける”社会をよくする”仲間を集めること、それが僕自身の社会をよくするための役割だと思っています。

学生のキャリア選択における社会との接続を実現するため、ステークホルダーとの連携/共創を含めた環境づくりを通して、社会課題解決を担う関係人口を拡げる。やるべきことは、いい社会づくりへのリレーションの構築。

まず第一に、課題意識を持つ学生のキャリア選択を起点に、その関係人口を増やしていけるようアクションにしていきます。そのためのキーファクターが、「リレーション(繋)」です。

そして数年後に、このリレーションが土台となり、未来に生きる次の次の世代の子どもたちが未来に希望を持てる世界に向かって結実する、それが僕自身のビジョンです。

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社会人3年目を前に、一つの自分の役割を見出すことができたのが2020年という一年でもあったのかなと思います。

月日が経つのは早く、日々まだまだ何もできない自分に嫌気がさすこともありますが、「ハチドリのひとしずく」の物語に勇気をもらいながら、今自分ができることに最大限コミットして2021年の今を生きることができる一年にしていきたいと思います。

                          2021年1月1日 元旦



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