出りょく 2

先日引っ越しをし、その際に業者さんに洗濯機を設置してもらったのだが、新居との蛇口の相性の問題なのか、ホース自体が寿命なのかは分からないが水漏れする。
ビシャーとかドバァーとかポタリポタリでもなく、ツーっと壁に沿って延々と漏れ出すため、洗濯時には蛇口にタオルを巻いている。

『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』を読了した。
購入からおよそ1年4ヶ月。難産だった。
前回泣いて読み止まった箇所あたりから、産卵時のウミガメのように読了するまでずっと泣きっぱなし。ツーっと頬に沿って延々と漏れ出すため、読了時までカカシ先生のように口にタオルを巻いていた。
翌日、両目がボッコリ腫れた。ゴトーとコイン当てのゲームをするんであれば両目ともナイフで切らなきゃ見えないレベル。
いやはや、なんともすごい本というか話だ。

けど、ほんとにすごいなと思ったのはこれかな。

ことなかれにやり過ごし、埃は外に掃き出さずとも、部屋の隅に寄せてさえおけば、流れていく時間がハリボテの「家庭」ぐらいは作ってくれる。

寝そべって読んでても、心の中では刹那で直立不動になる感覚にさせられた一文だった。
そして「こんなん一生思いつきようがないな」と思いつつも、どこか悔しさがある。


もっと…もっとだ…

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