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あなたの「ハイパフォーマンス」を妨げるもの...(3)過去の成功体験

(写真は米国カリフォルニア中部の道端で見つけた植物:2021年8月撮影)

ハイパフォーマンス・コンサルタントの髙澤健です。
あなたが「最高の自分」に向って成長し続けるために書いています。

「ハイパフォーマンス」って何でもカタカナで書けば良いと思ってるでしょ!って思いますか?

でも、「はいぱふぉ〜まんす」ってひらがなにすると、何か間が抜けたような...そういうことじゃなないですよね!

ここでいう「ハイパフォーマンス」とは、私たち一人ひとりが、「その時、その場面で出すことのできる最高の実行」のことを指しています。

その時、その場面でのことですから、「ハイパフォーマンス」は絶えず変化することがわかります。

このシリーズでは、「ハイパフォーマンス」を妨げるものを一つずつ取り上げて、ご一緒に考えていきます。

今回は「過去の成功体験」です。

成功体験のもたらすもの

あなたも何かしら「うまくいったな」という体験をお持ちでしょう。

こどもの頃であれば、習い事の発表会で上手に発表できて褒められた。
学生最後の旅行で、最高の思い出づくりができた。
社会人になってからは、最初に自分のチームが企画したプロジェクトが社内で賞をとった。

そんな成功体験なんてないよ、という方。もっと小さなことでも、成功体験をしているはずです。

はじめて挑戦したレシピで料理を作ったら、とっても美味しかった。
スマホのアプリ設定が上手くいった。
等々

成功体験をくり返して人は「自分はできる」という「自己効力感」を持つようになります。特に新しいことに挑戦する場合に「自己効力感」を持っていることは、大きく役立ちます。

行動を起こす前に「きっとできる」と思うことができたり、途中で多少の障害があったとしても「大丈夫」と思うことができるのも、この「自己効力感」のおかげと言えるでしょう。

しかし、残念ながら成功体験がもたらす負の効果もあります。

成功体験そのものがもたらすと言ってしまうと語弊かもしれません。「過去の成功体験」をどのように扱うかによると言っていいでしょう。

それではどのように扱うと負の効果になってしまうのでしょう。

過去の成功を定石化してしまう。パターン化して、過去に起こったことを同じようにくり返そうとすると弊害が起こるのです。あの時、あの場面を再現しようとなるのです。

成功体験は「ハイパフォーマンス」を引き出す「自己効力感」をもたらすのですが、「過去の成功」を再現しようとするなら、「ハイパフォーマンス」を妨げる結果となってしまいます。

「宮本武蔵の戦法」

宮本武蔵は数ある戦いに勝利したのですが、一つの流派にこだわらなかったようです。いわゆる「勝ちパターン」とか「勝利の方程式」のようなものを持たなかったわけです。

そして、過去の勝利の定石をなんと自分から破壊していったのだそうです。これから戦う相手に、過去の勝ち方で挑まないのが「宮本武蔵の戦法」だというのです。

宮本武蔵は過去の勝利(成功)からくる負の効果をつぶしていったのですね。それが、彼の連戦連勝の秘訣だったのでしょう。

創業者が開発した「チキンラーメン」「カップヌードル」で大成功した日清食品は、二代目社長が創業者との激しい口論をいとわずに「カップヌードルをぶっつぶせ!」と打って出ます。(詳しくは自伝的著書「カップヌードルをぶっつぶせ!」をお読み下さい)

そして、見事に過去の大成功から脱皮をして、次々と「焼そばUFO」「どん兵衛」「ラ王」などヒット商品を開発していきます。そればかりか、「チキンラーメン」「カップヌードル」も同時に伸ばしていくことに成功します。

これも「宮本武蔵の戦法」と言えるでしょう。

「同じ川の水に二度と入ることはできない」

ギリシャの哲学者ヘラクレイトスは言いました。

同じ川に二度目に入ろうとしても、そこに同じように流れている川の水は、一度目に入ったときとは、異なる水である。加えて、自分自身も一度目に入ったときとは変化しているので、「同じ川の水に二度と入ることはできない」と言ったのです。

同じようなことを言っている日本人もいますよね。そう、鴨長明です。

「行く川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」
鴨長明「方丈記」

私たちの世界は「行く川」のように絶えず変化しています。そして、その変化の速度は、遅くなるのではなくどんどん早くなっています。

同じことを同じようにしようとしても、「川の水」のように変化している世界では、同じようにはいかないのです。

まとめ

いかがでしょう?
「過去の成功体験」が「ハイパフォーマンス」の妨げになることを考えました。

「過去の成功体験」をパターン化して過去にこだわらず、むしろ「自己効力感」を造りあげて、新しいことに挑戦したいですね。

その時にあなたの「ハイパフォーマンス」が必ずや引き出されるはずです。

「最高の自分」に向かって成長してまいりましょう。


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