みなさんは、ペットのお名前を
どうやって決めましたか？

こちらは、わたしが猫ちゃんを迎える前から
迎えてからも、ずっと考え続けた名前たちです。

できれば和風で、短く、響きが可愛らしい名前がいいなと思っていました。
猫ちゃんの幸せを思うがあまり、自分たちの名字との画数で名付け診断までし始めた時は
さすがに夫に
「やりすぎー！」と言われてしまいましたが(笑)
猫ちゃんが、わが家に来ることを
どれだけ心待ちにしていたか伝わりますでしょうか？

こんなに熱心にたくさんの名前を考えていたのですが
わたしたちは最終的に
保護団体さんで付けていただいていた名前を
そのまま引き継がせていただく事にしました。

それは
猫ちゃんへのスタッフさんの想いと
猫ちゃん自身の強い生命力に
心を強く動かされたからです

名前は「つゆちゃん」　

わたしたちが最初に保護施設にお邪魔したとき
ケージに付いていた名札を見て
初めてその猫ちゃんの名前を知りました。

"つゆ"から連想するのは「梅雨」…
推定の生まれ月か、保護された日が
きっと梅雨の時期だったんだろうな。
わたしたちは、それくらいにしか思っておらず
その日、名前の由来をスタッフさんに尋ねることもしませんでした。
「もちろん、お名前は新しく付けてあげてくださいね。」
スタッフさんは、そう優しく言ってくださいました。

迎える猫ちゃんが、キジトラの女の子
と決まってから、例の「名前候補リスト」から
わたしは、せっせと毛色が限定される名前や、男の子の名前を外していき、猫ちゃん自身にとっても馴染み深いであろう「つゆ」と響きが似ている名前も新たに考えました。

夫と相談しながら数個に絞りましたが
実は、「つゆ」も候補に残っていました。
もしかしたら名前を「つゆ」にするかもしれないから今度、施設に行ったら由来を聞いてみよう。
そう夫婦で話していました。

そして名前が決まらないまま、お迎えの日がやってきました。

奇跡の猫ちゃんだった

当日、施設にて譲渡の契約が済んでから
猫飼い超初心者のわたしたちに
スタッフさんはとても丁寧に説明をしてくれたり、質問に答えてくれたりしました。
これからも何かあったらいつでも連絡してくださいという言葉に、どんなに安心したか分かりません。

最後に猫ちゃんをだっこして、わたしに渡しながら
スタッフさんから
「名前はもう決まりましたか？」
と聞かれたので
「まだなんです。ちなみにつゆちゃんは、どうしてつゆちゃんって名前なんですか？」
と聞いてみました。

「つゆちゃんが保護されたのは梅雨の大雨の日だったんです。すごいどしゃぶりの日でね。
登山道に最初は2匹いたそうなんです。でも1匹はいなくなってしまっていて。
つゆちゃん、カチンコチンだったんですよ。」

生き物が"カチンコチン"という表現が、わたしには想像できないくらいの壮絶さを物語っていました。
あとで、かかりつけの病院の先生に聞くと、低血糖による痙攣と診断されていたそうなので、本当に瀕死の状態だったのだと思います。

「一生懸命、温めたんですよ。
すごく小さくてね、500gしかなかったんです。
そんな子が、こうしてお迎えしてもらえるなんて嬉しいです。」
スタッフさんは、そう言って涙くんでいました。

その時、わたしは腕の中に
つゆちゃんの柔らかくて温かい、ずっしりとした重みをしっかりと感じていました。

スタッフさんのお話を聞いて
初めて、つゆちゃんの事を知り
わたしたちは名前を引き継ぐ事を心に決めました。

忘れてはいけないと思ったのです。
スタッフさんの想いと
つゆちゃんが懸命に生きようとした
梅雨の日の事を。