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書籍紹介_"世界史を大きく動かした植物"_#読書感想コンテスト

こんばんは、多部栄次です。

このコーナーは初めてですので説明させていただきます。

ここでは、自分が本屋や図書室で立ち読み、あるいは購入して読んだ本・小説・雑誌から得られたことを(自分なりにまとめて)紹介していきます。

ただ、自分の乏しい記憶力や理解力に基づいて感想を書いていくだけになるかと思いますので、他の書籍のレビュアー様のようなしっかりした内容を書ける保証はできません。
本を紹介するなんて、小学校の夏休みの宿題で読書感想文を書いたくらいしか経験がないので(笑) ちなみに大の苦手で、どの宿題よりも後回しにしていました。
そのため拙い文となるかもわかりませんが、書き続けて要領を得て、徐々に上達していければと思います。

それではやっていきましょう!(YouTuber風)

尚、この記事は以下のコンテストに応募させていただきました。よろしくお願いします。

タイトルは「世界史を大きく動かした植物」です。著者は稲垣栄洋先生です。静岡大に所属される教授で、植物学の研究をされております。

こちらの方を知った経緯は、ライブドアニュースさんのYouTubeチャンネルで投稿されている「ゲームさんぽ」シリーズに、植物学者として稲垣教授がご出演されていたのを目にしたのがきっかけです。動画中にて、植物に対しての造詣が深く、深いからこその幅広い知見を垣間見ることができ、改めて学者に対し尊敬の念を抱くようになりました(小さい頃の夢が生物学者だったのもあったので)。

それで先生のお名前を調べて論文等をチェックしていた際に、書籍も何冊か出版されていることも知りました。へぇーすっげ! と思いながら気になったタイトルからワンクリックで購入しました。

歴史の裏にはいろんなものが暗躍しているというのは、言われてみれば確かにそうだろうと思ったりします。特にひねくれている僕なんかはばっちりとひねくれた口調で「そりゃそうっしょ」って思いました。すいません。

ワインも然り、薬も然り、金属や化学、技術も然り…あれなんか分野が偏っている気がしますが、それらの分野のほとんどの根を辿っていきますと植物に行きつくと思うんですよね。それに限らず、当然のように受け入れている歴史上の争いや文化、そして変化のきっかけも、その影には植物の姿がありました

植物から歴史が分かるというのは前からなんとなくわかっていた気分にはなっていて、その根拠なき自信の一つにこの本を熟読したことがあったんですよね(根拠あるじゃねぇか)

本記事と関係ないので、「人類と気候の10万年史」の内容を簡潔に述べさせていただきますと、福島県の水月湖の底から年縞を回収し、それに含まれる花粉や種子等を分析して、その湖の周辺に発生していた植物を推定することで当時の気温や気候を解明していくという話です。地質学のみならず天文学的な話(ミランコビッチ周期)も含まれており、非常に面白い内容となっておりました。主旨とは離れていますが、植物の存在が地球の歴史を語っているともいえるなと感じました。…そしたら化石も似たようなものか。

本題に戻りますが、本書は世界史にて起きた出来事の背景に作物が根深く関係しているという話ですね。共存の関係というより、むしろ支配されているのではないかと思うほどでした。植物の目的は生存と繁栄ですので、人という媒介によって山や海を越えて種を繁栄させたのは、植物にとって成功ともいえると私も賛同します。思いのままに植物をつかさどっているつもりが、逆だったかもしんないですね。まぁWin-Winなので私としては良いとは思いますね。植物や動物のおかげで生かせていただけているわけですから。改めて、植物(に限りませんが)に対して感謝の念が強まりました。人類を存続・発展させていただき、ありがとうございます。

また、遺伝子の試行錯誤や取捨選択とはいえ、虫や動物を考慮した形質になるというのは大変興味深いことです。媒介者にとって都合よく思わせるための工夫には細胞スケールどころか酵素スケールにまで関わり、それを通じてグルコースから多種多様な化学構造を生み出しているので、それが本当に魅力的なんですよね。植物こそ、真の分子設計者だといえます。また話がそれましたね。そういうとこやぞ。

ともあれ、高校のときに植物との関わりに気づいていればもっと歴史が好きになったのかなって。小さいころから生物が好きでしたので。こういう切り口で歴史を観るのもひとつだなと感心しました。そこから興味をもてたらいいですね。ちなみに私は歴史全く関心を抱けない人でしたので、化学史から入りました。

ちなみに完全に世界史を網羅するボリュームではなく、イギリス等ヨーロッパおよびアメリカの歴史が中心だった印象です(日本の話もありました)。それでも十分に読みごたえはあります。お風呂の中でkindle片手に本書を読んでいましたが、「へぇーマジで!」とリアルに声を出して感心したときもありましたので、知的好奇心がとてもくすぐられます。

ジャガイモや胡椒、チューリップなど、ひとつの植物に着目してどのように影響をどの地域に与えたか、どう歴史を変えたのかが、身近な例を通じてわかりやすく説明されていました。また一章も長すぎずまとまっており、一日一章という勢いで読めます。
難解な文章でなく、中高生でも受け止めやすい、柔らかい文章となっているので、内容の理解に集中することができました。本好きの方ならさくっと読めるかと思います。

紹介する植物は以下の通りです。
・コムギ
・イネ
・コショウ
・トウガラシ
・ジャガイモ
・トマト
・ワタ
・チャ
・サトウキビ
・ダイズ
・タマネギ
・チューリップ
・トウモロコシ
・サクラ

色とりどりですね。若干内容を忘れているのもありますので、2,3周するか気になったのを部分読みするのがお勧めですね。
興味のある植物があれば…いや、興味なくても一読してみてください。新しい分野に踏み出して新たな発見をするのも読書の醍醐味ですし、植物と歴史に対しある程度の知識がある人でも触れてみてはいかがでしょう。あっ、そうなんだとさらに理解が深まるかもしれません。稲垣先生の考えも書かれていますので、私個人はその点で学びになりました。見事に植物に対し関心を抱くようになり、同著の書籍も何冊か購入させていただきました。読んでる途中ですね。

今回はこれにて終わりにしようと思います。
目次も作れておらず、短いながらも思いついたままに書きましたので、本書の魅力が伝わったのかわかりません。なんなら小中学校時代の自分の方がもっとましな文章書いていたかも(笑)

しかしこれに目を通して、是非「世界史を大きく動かした植物」を手に取っていただきたいと思います!

以上です。ありがとうございました。

まとめ
・人々を動かし、文化や技術、政経を動かした背景には植物が根深くかかわっている。人類の歴史こそ、植物の歴史である。
・植物は繁栄のために動物(ヒト含む)に振り向かせようと様々な工夫をしている。作物はその中でも大成功の枠に収まっている
・身の回りの製品・食品・衣類等に目を向けてみよう。ありとあらゆるところに植物の命が宿っている。それを認識したうえで、道端の植物に目を向けてみよう。きっと見え方が変わるはずである。

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