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21.11.27 書籍紹介_"クロマトピア 色の世界"_色彩の奥深さは素材とその歴史にあり

こんばんは、多部栄次です。

毎日日記……でなく書籍紹介やっていきましょう。

毎週一回は書籍紹介とか論文紹介やりたいなと思っているんですけど、めっちゃ難しいですね。読むだけならともかく、感想と要約してまとめなきゃいけないのが意外と…いや当然ながら大変でした(過去形)。

人様に見せるって考えるとなんかためらってしまうんですよね。いやためらう気持ちあるなら日記のしょうもない内容載せるのは違うんですかってなるんだけどそれは日記だから自由に書けるわけで。

とまぁ愚痴はここまでにしておき、個人的におもしろい書籍を紹介いたします。

クロマトピア ―色の世界― 写真で巡る色彩と顔料の歴史
です。
著者はDavid Coles(©デヴィッド・コールズ)さん、写真はAdrian Lander(エイドリアン・ランダー)さん、翻訳は井原恵子さんです。

書籍っちゃ書籍ですが、図鑑に近いです。でもアート的満足度も教養的満足度も高いです。

人類が物を描き、自身を描き、内に秘めた想像性を描き、そしてそれらを取り巻く世界を描くにあたって色は必要不可欠なものです。また、歴史を紡ぐことも色あって為しえたことです。

人間は絵を描くために鉱石は勿論、虫や貝、骨や糞尿、ついには有毒な金属にまでも手を出してきました。これは古代から続いていることであり、その時代から合成顔料が配合されていたほどです。それが近代科学にまで直結して世界の歴史を彩ってきたのは神秘といっても良いでしょう。文明の歴史は色の歴史なり、色の相互作用はまさに錬金術だと著者は語っています。半生を色彩に費やしてきた著者が色材の歴史と魅力についてふんだんに語られています。そのほとんどが聞いたこともないような名前の色です。類別すれば赤や青、黄色に黒と表現できますが、その中でも少し違う色合いを僕たちに魅せてくれます。

どういう素材からこの色が生まれ、どう歴史を塗りかえてきたのか。それが一ページごとに簡潔に記されています。

また、レドホワイトやカーマインレーキなどの顔料の作り方、様々なアーティストたちが描いたアート作品の紹介もあり、そこに難しい意味はなく、色彩そのものの世界へと招待してくれます。色と影だけで僕らの心は想像性をかき立たせてくれる。色だけで人間は意味を勝手に見出してしまうんですよね。

僕はこの本を創作の参考資料として読ませていただいております。色の種類と名前、それにちなんだ意味や原料を知りたい時に見ています。

ページ数は224頁と厚めです。化学と歴史、色彩そしてアートが好きな方にはうってつけの本だと思います。

ちょっと時間の都合上、紹介はここまでとさせていただきます(早っや)。目次を作るほどのボリュームを書けず申し訳ありません。
いつもでしたら(といっても第二回ですけど)なにかしらのビジネス書や専門書でしたり、教養になるような本を紹介していく(つもりな)のですが、読むものでなく観るものを紹介していくのもいいなと思い、本書を紹介させていただきました。

興味がありましたら是非、購入いただけますと嬉しいです。なんで僕が嬉しいのかはわかりません。

それでは、また来週別の書籍を紹介できればと思います。そのときお会いいたしましょう。

よい読書ライフを。

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