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上肢の怪我から復帰する際に確認しておきたいこと。

この記事は、普段アスリートと接する中で幾度となく行う「機能的」なチェック項目について紹介をする記事になっています。
根拠を持って「機能的」と判断し、選手を送り出せる様になるためのヒントが記されています。

▷何を持って『OK』か。その判断基準に迷っている方
▷実際にどんな内容があるのか興味のある方

是非最後まで読んでいただけると幸いです。

(注意)
今回、一つの例を紹介しますが、これらのバッテーリーテストについてはあくまで、ドクターの復帰許可が出た後に用いるものです。

▷ドクターの許可無しに、判断することは我々アスレティックトレーナーの取るべき行為ではありません。


今回は2つのバッテリーテスト*を紹介します。

*バッテリーテスト
個々の体力測定はそれぞれ特異的な体力因 子を測定しているが、体力を多角的、総合的に評価するためにはいくつかの測定を組み合 わせて実施する必要がある。こうした複数の 測定項目からなる体力テストをバッテリー(組み)テストと呼び、ねらいや用途に応じて 組み合わせている。と日本スポーツ協会では説明しています。


SARTS

肩・腕に対するバッテーリーテストとして、目にすることが多いのがこちらです。

テストの構成は8項目より構成されており、OKCの要素*CKCの要素*に区分されています。

OCK
BABER*
Drop Catch
Ball Tap
Ober Head Snatch

CKC
Push Up Clap*
Line Hop
Side Hold Rotation*
CKCUEST

実際にこの文献では、8項目のうち6項目において有用性があると紹介されています。(慣れない動きが含まれていることから、事前の練習が必要とされている項目もあります。上記記載の「*」の項目が該当する内容です。)

▷実際の内容はこちら

*OKC Open Kinetic Chan開放性運動連鎖のこと。 
CKC Closed Kinetic Chain閉鎖性運動連鎖のこと。


術後の状況を考慮したバッテーリーテスト

次に、こちら。肩関節の不安定症に対して手術をおこなった後に用いる内容になっています。

この記事の素晴らしいところは、単に機能的な側面を評価するのみではなく、心理面のチェックも踏まえているところです。他に、SCKC*の要素で、素早く関節(患部)を動かす点についてもテストに含まれています。

また記事の中に、競技特性を踏まえた構成が大切といったニュアンスのコメントがありました。例えばCKCのテストでイマイチな結果だったとしても、復帰する競技においてCKCの要素がさほどなければ、それは復帰する先の競技特性を反映したものではありません。

*SCKC 半閉鎖性運動連鎖 OKCとCKCの間にいつする考え方。部分的に四肢末端に荷重がかかっている状態。


この記事の今後について

今回は紹介に終わりましたが、普段使用しているテストも含まれていることから、使ってみた感想や実施の際の注意点についても実例を挙げて追記したいと思います。

最後に。いろいろな情報がすぐに手に入る状況ですが、要は『このテストで何をクリアにしたいのか』が不明瞭なままテストを実施しても何の意味も持たないと感じています。

むしろ闇雲に検査される選手にとってはたまったもんじゃないと思います。

◯◯をクリアにしたいから◎◎と、根拠を持って実施したいものです。


28th Jan tsubasa

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