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より実践的な可動域の捉え方について

この記事は、足関節の背屈可動域をより実用的に把握するための方法(評価方法)について紹介しています。


背屈可動域の捉え方

可動域を評価する際、基本的に非荷重下での測定が一般的であると思います。
一方で、下肢の関節は、その多くの動作が荷重下で形成されます。
よって、実際の環境下(環境に近い状況下)でいかに可動するか。
この点を評価することは非常に重要と言えます。


Knee To Wallについて

”壁に向かって爪先をセットし、踵を浮かさずに壁に膝が付くか行う。踵を浮かさずに膝が壁につけば、壁と爪先の距離を少し離し、再度行う。踵が浮かず膝が壁についた距離を計測し結果とする。"というテスト内容。*1


*1 KTWとは。



床と爪先の距離を測定(スコアリング)するという物凄く簡易な手法でありながらICC*のスコアが高い(ICC2,3で0.9以上の結果)ことがこのテストの特徴になります。
つまり、どなたが測定しても、”同じ結果となりやすい”という点で活用してしやすいテストと言えます。

*ICC
級内相関係数のこと。連続量である検査の信頼性を確かめる指標として用いられます。
解釈として、①検者内信頼性:同じ人が何回検査をしても同じ結果が出る。
検者間信頼性:誰が検査をしても同じ値が出る。の側面を含んでいます。
表記方法として、検者内信頼性はICC(1,~)と記載され、検者間信頼性はICC(2,~)と記載される。~の部分には同じ検者が同じ被験者に同じ検査を何回したかを記載される。
例)ICC(2,3)と記載があれば、複数の検者が同じ被験者に同じ検査を3回実施したということになります。
級内相関係数の解釈0~1の値で表記され、基本的に0.7以上であれば信頼性があると判断されます。

実施方法

実施方法は至って簡単です。
以下の様に壁に向かい立ち、踵を浮かさずに膝を壁に付けることができるかをチェックしていきます。*2


*2 How to KTW

計測の終了条件


文献を読むと、動作の中で踵が浮くとその時点で終了としているものが多いです。*3
他に、”膝を壁につけに行く。踵をつけたまま!”と注意事項の記載がある中で、他の動作時における姿勢については言及されていません。

①股関節の外旋(体が開く)が入ってもいいのか?
②上半身の姿勢は加味されないのか?

と疑問が残りますが、踵が浮かない条件で計測をすることが、本来の検査方法だと捉えれます。

*3 動作形成時に見られるエラーについて。

結果の解釈

結果の解釈は以下の通りです。*4

平均的な距離が10〜12cmに設定されています。

*4 KTWの参考数値。評価結果は3通り

具体的な活用方法として、①非荷重下での可動域を参考可動域および、健側の足関節と比較し制限がないことをチェック。
さらに、②荷重下においてもKTWを用いて左右差をチェック。

とチェックを重ねる事で、荷重下でのリコンディショニングを導入するタイミングを見つけることができると考えています。

Tsubasa.K

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