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ポップコーンは買わない派です。vol.49

ヘヴィ・トリップ〜俺たち崖っぷち北欧メタル!〜

メタルとかやってる奴ほど心優しいんよ。たぶん笑

予告編

あらすじ

北欧のメタル大国フィンランドを舞台に、巨大フェスを目指す売れないメタルバンドの珍道中を描いたコメディ。フィンランド北部の田舎の村。退屈な毎日を送る25歳のトゥロは、“終末シンフォニック・トナカイ粉砕・反キリスト・戦争推進メタル”というジャンルを標榜する4人組ヘビーメタルバンドでボーカルを担当している。彼らは結成から12年間、ライブをしたこともオリジナル曲を作ったこともないコピーバンドだ。ある日、ついに自分たちの曲を作ることを決意した彼らは、試行錯誤の末に超キラーな名曲を完成させる。そんな中、ノルウェーの巨大メタルフェス主催者がひょんなことからメンバーの家を訪れ、彼らに千載一遇のチャンスが舞い込む。バンド名は「インペイルド・レクタム(直腸陥没)」に決定し、初ライブに挑む彼らだったが……。

はじめに

僕は今でこそ普段あまりメタルを聴きませんが、マキシマムザホルモンとかは中学高校時代はよく聴いていましたね。

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内容があるようでないようなあるようなという歌詞の内容だった気がします。サウンドの特徴はいかにも反骨的な激しいサウンド。ボキボキのベースにバキボキのドラム、ジャリジャリのギター、そしてサタニズム的な歌声。

例えあってる?w 違うかもだけど言わんとしていることはなんとなくわかうだろう。

マキシマムザホルモンで言うとギターボーカルのマキシマムザ亮君がバンドのブレーンだが、さぞ破天荒なのかと思いきやなんと3児のパパという意外な一面。歌詞の内容も思春期真っ只中の中学時代におけるセンセーショナルな思い出を元に作っているものが多い。誰もが通ってきている(特に男子)ある種オブラートに包まれている部分を激しいサウンドと歌詞に乗せ、激しく共感を呼ぶのだろう。

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人間の普段表に出せない反骨的な感情をサウンドや歌詞に乗せて表現したのがまさにメタル!そんなメタルの中心地、北欧はフィンランドのど田舎で繰り広げられる最強にパンクで最強にセンセーショナルなメタル映画を紹介するぜ!

北欧メタルの世界

北欧メタル(ほくおうメタル)は、ヘヴィメタルのジャンル、あるいはカテゴリーのひとつで、主にスウェーデン、フィンランド、ノルウェー、デンマーク、アイスランド出身のヘヴィメタルバンド群の総称である。

1970年代後半までは、北欧はハードロック不毛の地と言われていた。しかし1980年代初頭、ヨーロッパの台頭により日本ではじめて北欧メタルの人気に火がつき、北欧メタルという概念が生まれ始めた。(ウィキペディアより引用)

なぜ北欧がメタルの中心地になっているのか

スウェーデンのブラックメタルバンドDark Funeralのメンバーであるヘルヤルマドルは、自国でエクストリーム・メタルが発展した理由を聞かれて、

スウェーデンには非常に強力な、国が資金的バックアップをしている教育システムがあるからね。
若いバンドは『学習サークル』と呼ばれる、リハーサルの場所などを提供してくれるものを利用してスタートするんだ。つまり借り物のギターと糞みたいなアンプしか持っていないようなリッチでない人間でも、バンドを始められるということさ。
スウェーデンという国は、常に創造性、そして文化をサポートしてきた。

第二に、スウェーデンではエクストリームな音楽を作るべき人間が、作るべき時にそれを作ったということだね。

第三に、スウェーデン人の自己を律する気質というものもあると思う。
スウェーデン人は一度決意すると、もう一日ダラダラとビールを飲んで過ごしたりはしなくなるんだ。もちろんこれらのこともすべて一般化した内容ではあるけど、真実でもあると思うよ。」と答えている。(ウィキペディアより引用)

なるほどね。国からの支援もあってクリエイティブなことに取り組むことができているってすごく素敵なことですね。でもなんでメタルなんだろうか。。

終末シンフォニック・トナカイ粉砕・反キリスト・戦争推進メタル

メタルが勃興した理由を一つに絞ることはできないけれど、もっとも俗っぽい通説を引っ張り出せば「北欧は日照時間が少なく、外で遊ぶ時間が少ないから、地下にこもってデスメタル」らしい。笑

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終末シンフォニック・トナカイ粉砕・反キリスト・戦争推進メタル

というジャンルが劇中では登場するのだがここに北欧がメタルしているところに通ずる部分がある。

シンフォニックというのは規模の大きなとか、オーケストラ的な交響曲を想起させるメタルジャンルの一つ。

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トナカイ粉砕というのは、北欧におけるトナカイ食を表していて、日本でいうところの牛肉に値する。家畜ってことだわね。

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続いて反キリスト、これはかつて北欧が北方十字軍によって制圧されていたときの背景に反発するメタルの人がブラックメタルというジャンルがあって。実際に教会を燃やしてしまうという出来事があって、自分たちのアイデンティティを示すという意味でやったらしいが、なかなかハードである。

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戦争推進メタル
これはかなり過激なワードですが。北欧神話ではマイティ・ソーに代表される戦争の神が信じられています。またヴァイキング、つまり海賊がいたという伝説のもと、このようなワードをチョイスしたのでしょう。

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どうでしょうか、「終末シンフォニック・トナカイ粉砕・反キリスト・戦争推進メタル」この一言で北欧を表現できるんです笑

ある意味すごくないですか?笑

言葉や見た目は怖そうだけど…

この作品の特徴として、メタルの激しさ、パンクさとは裏腹な人物たちの繊細さのギャップが最高に笑えるし好感持てるんです。

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この映画に登場する主人公のトゥロは地元の友達と一緒にメタルバンドを組んでいるのだが、メタルの反骨的なサウンドとは裏腹に小心な彼らは一度も人前で演奏したことがなく、オリジナル曲も持っていないコピーバンドだった。いざ人前で演奏となると緊張してしまってゲロを吐いてしまうほど。

終末シンフォニック・トナカイ粉砕・反キリスト・戦争推進メタルという過激なジャンルを標榜する彼らなのだが、心は優しいという人たちなんですねえ。

とりあえずみて欲しいわ。

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まだ関東圏で上映しているはずです!なかなか外出も怖いですが。。

確かDVD等の販売も決まったそうなので、とにかく笑いたい方、そしてメタル好きな方、ぜひみて欲しい。

最後に

ミッドサマーも北欧の話だったけど、土着的で神秘的な世界観が印象的だったなか、ヘヴィトリップでは土着的な着想のもと北欧人の悶々と渦巻く精神面を前面に打ち出したある意味ミッドサマーとは真逆の悪魔的な世界観が混在しているのは面白いと思ったけど、カオスな世界だなと思いさらに北欧に行きたくなってきた。

コロナが落ち着いたら北欧旅行にいきたい。
広大なトナカイの放牧場で頭をグリングリン回しながらデスボで叫び、近くのコンビニエンスサウナでロウリュを浴び湖に飛び込みたいと思います。

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