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異次元の少子化対策を妄想する

 岸田首相が発した「異次元の少子化対策」というパワーワード。意味はよくわからないし、どうせ大したことはないのだろうとは思うが、不思議な感覚は私の中にある。
 それを期待感と呼んでいいのか悪いのか、とにかく私は、その内容が示されるのを多少楽しみにしている。
 なにせ「異次元」なのだ。これまでの少子化対策とは、全く異なるはず。もしこれまでのものをちょっとグレードアップしただけ、などというオチだったら、子育て世代はガッカリこの上なく、岸田総理は「しょんぼりバーガー」と呼ばれることになるだろう。
 はて? そう言えば「これまでの少子化対策」ってなんだっけ?
 平成15年に施行された少子化対策基本法によると、基本的な施策としては、以下のものが挙げられている。
雇用環境の整備
保育サービス等の充実
地域社会における子育て支援体制の整備
母子保健医療体制の充実等
ゆとりのある教育の推進等
生活環境の整備
経済的負担の軽減
教育及び啓発の基本的方向を規定
 また、平成24年の子ども・子育て支援法は、主に待機児童解消を狙ったもののようだ。
 だが、残念ながら少子化は一向に改善されていない。

 そもそも少子化の原因とは何か。
 その原因を取り除くことができれば、改善されるはずだ。そう、異次元な方法で。
 ちょっと調べてみると、原因としては、未婚化、晩婚化が進んでいることが挙げられるようだ。また、結婚したとしても、世帯収入が低く、子どもを複数人持てないことも理由らしい。今では20%が一人っ子だという。
 では、それをどうしたら解消できるかを考えてみよう。
 なにしろ「異次元」なのだから、なんでもアリなはずだ。みなさんも考えてみてほしい。大丈夫、どうせ採用されないから。言いたいことを言えばいい。

 未婚化、晩婚化の進行を防ぎ、婚姻率を高めるには、どうしたらよいか。
 未婚化、晩婚化の原因は、結婚というものに希望が持てないこと、結婚のメリットが感じられないこと、結婚しなくても生活できること、独身の状態でも充分楽しいこと。こんなところだろうか。
 ということは、結婚を希望溢れるものとし、メリットだらけで、結婚したらもっと素晴らしい生活ができて、独身の時よりずっと楽しい。そんな状態にすればいい。
 そこで、私は以下のような「異次元」の施策を提案したい。

1.結婚したら一戸建て住宅をプレゼント
 空き家がいっぱいあるので、一定期間空き家だったら市町村が接収して、リフォームしてプレゼントしちゃう。地方のほうがたくさん空き家があるので、人口分散もできる。
 親の持ち家がある人は、リフォーム代、二世帯住宅化費用を助成。
 ただし、最初の結婚の時だけね。

2.夫婦で一緒に利用することで特典が受けられる制度
 キッズカードの他に、フーフカードを作って、色々お得に楽しめちゃう。
 これはちょっと異次元感が足りないか。

3.国営無料結婚斡旋所「おせっかい」
 おせっかいなおばちゃんやおじちゃんが、どんどん縁談を持ってくる。
 昔はけっこうあったらしく迷惑した人もいるだろうけど、今こそそういう人たちが必要な人がいる。

 ううむ、なんだかイマイチかもしれない。

 だがここまで書いてしまった以上、勿体ないので引けない。
 続いて行ってみよう。
 夫婦が安心して子どもを育てられるようにするにはどうしたら良いか。

1.最低賃金を一気に1,000円上げる。月給も大幅にベースアップする。
「働けど働けど我が暮らし楽にならず」はもうやめて「真面目に働けばちゃんと幸せになれる」世界にする。病気などで働けなくなってしまった人も、ちゃんと生活できるようにサポートする。

2.保育所、幼稚園、小学校、中学校無償化。
  公立高校、国立大学無償化(ただし門は狭める)。

3.18歳未満の医療費、無料化。
  出産費用も無料化。不妊治療費用も無料化。


 ううむ。「異次元」は難しい。もっととんでもないことを考えてやろうと思っていたのに……。
 もうこうなったらクローンベビーとかしかないのか? でもそれはちょっとまだ受入れ難いなあ。

 さて、色々適当な案を出してみたが、避けては通れないのが財源である。
 財源確保の方法も、適当に考えなければなるまい。
 ちょっと考えてみよう。

1.国会議員、地方議員の定数を3割減。議員報酬はサラリーマンの平均年収と同じにする。その他のわけのわからない手当や〇〇費は全て廃止。
 そうすると「議員になる人がいなくなる」という批判を受けるが、それでも立候補する人が必ずいる。その人こそ、国や地域を心から想う、議員に相応しい人間だ。

2.大企業は一旦競争と成長にかける費用を縮小し、社員の生活安定や、中小企業の醸成に取り組む。

3.金融教育を開始したので国債や地方債の魅力を少し上げて投資させる。
 現在は0.05%なので、100万円投資しても年に500円しか配当がない。満期になれば100万は戻ってくるので損はないが、魅力も少ない。満期の期間を長くすれば金利も増えるようにして、長期で投資してもらい、財源とする。


 などと、適当なことを考えているうちに、総理は「育休中に資格の勉強をしようぜ」などと言ってしまい勝手に炎上していた。
 果たして「異次元」の行方はどうなることやら。
 楽しみに待つとしよう。

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